日本とタイを隔離なしで往復するためのワクチンパスポートについてまとめておく。
ワクチン2回接種済みでタイは隔離なし入国できる。タイから日本への帰国では3回目ブースター接種済みで待機はゼロとなる。
日本発行のワクチンパスポートと、タイ発行のワクチンパスポートの両方について解説。
日本で2回、タイでブースター接種という方法で隔離なし往復を実現する方法もある。
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目次
日本とタイのワクチンパスポート
海外渡航用のワクチン接種証明書のことを俗にワクチンパスポートと呼ぶ。
日本での正式名は、「新型コロナウイルス感染症予防接種証明書」で、海外渡航のために利用することができる。
各自治体に申請し、紙媒体で交付を受ける。昨年12月からはアプリでも利用可能となった。これを接種証明書(電子版)と呼ぶ。
令和3年12月20日以降の発行様式
⇒https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_certificate.html
タイでもワクチンパスポートはある。
黄色い冊子タイプのワクチンパスポートだ。これには申請が必要。
タイの病院でワクチン接種をした場合は、紙のワクチン接種証明書が渡される。これはワクチンパスポートと同様の効力がある。
また、モープロムというアプリでデジタルワクチン接種証明書が掲示される。これも海外渡航に利用可能。
⇒https://www.th.emb-japan.go.jp/itpr_ja/news_20220225-3.html
いわば3種類のワクチンパスポートがあるわけだが、黄色い表紙のワクチンパスポートは実質的に必要がない。
病院発行のワクチン接種証明書あるいはモープロムが通用するからだ。
タイ入国のためのワクチンパスポート
タイ入国のためにタイランドパスによる事前申請が必須だ。
タイランドパス申請方法
⇒Test&Goでのタイランドパス申請方法解説(3月1日最新版)
Test&Go(隔離免除入国制度)では、2回のワクチン接種済みであるワクチン接種証明書が必要。
ワクチン接種証明書(ワクチンパスポート)をタイランドパス申請時に画像データとしてアップロードする。
日本のワクチンパスポートは、紙媒体でもデジタルでもいい。(いずれにせよ、PDFは使えないので画像データとしてアップロードする)
昨年12月20日以降の書式では、QRコードが掲載されるようになっている。
タイランドパス申請時には、海外用 ICAO VDC-NCのほうのQRコードをアップロードすると、タイランドパス承認がスムーズにいくと在東京タイ王国大使館ホームページには記載されている。
ただ、うまくQRコードがアップロードできないことも多いらしい。その際は、深く考えずに、QRコード無しでも大丈夫だ。
最近の例ではQRコードなしで即日承認されたという報告がある。
タイでワクチン接種した場合は、タイのワクチン接種証明書が使える。
病院発行のワクチン接種証明書でもいいし、モープロムのワクチン接種証明書でもいい。黄色い表紙のワクチンパスポートでも中身は同じもの。
昨年11月のTest&Goタイランドパス申請時には、病院発行のワクチン接種証明書とモープロムのデジタルワクチン接種証明書の両方をアップロードしたところ、即時(2分)承認された。
タイランドパスが承認されれば、入国用QRコードが送られてくる。
タイへのフライト搭乗手続きとタイ到着時の検疫でQRコードを提示することになる。
PDF方式なのでスマホやPCに保存しておき、さらに紙に印刷しておくとなにかと便利だ。
厳密にはスマホ画面だけで通用するが、紙媒体のほうが手っ取り早い。
空港チェックイン時とタイ入国時のワクチンパスポート
昨年11月、日本からタイへ向かう際、タイ国際航空のチェックインカウンターでは、ワクチン接種証明書を提示することになっていた。
関連記事:タイ隔離免除入国実践レポート(1)事前準備と関空からスワンナプームへのフライト
が、実際にはチェックは厳しくない。
タイランドパスを持っているということはワクチン接種証明書が登録されて承認済みといっているからだ。
よって、紙媒体のワクチンパスポートは必ずしも必須ではない。
タイ到着時の空港検疫では、書類チェックが2回あった。
1回目のチェックでは、さっと書類に目を通すだけ。厳しいチェックはなかった。
次にタイランドパスカウンターで2回目の書類チェックがあるが、ここはタイランドパスのQRコードをスキャンして、情報チェックしていた。とはいえ、あっという間に終わる作業。
ワクチン接種証明書(ワクチンパスポート)については特に厳しく見ている様子はなかった。
やはり、紙媒体のワクチンパスポートを携行することは必須ではない。
でも、提示を要求されることはありえる。
最低でもデジタルデータとしてスマホやPCに保存して持ち歩くべきだ。
現在のパンデミック状況下で海外渡航するのに際し、ワクチンパスポートを携行しないというのはあまりにも不用心というか、危機意識が足りないと思う。
デジタルデータでもいいにしても、パスポートと同じくらい重要なものだと捉えておくべきだ。
むろん、強制隔離ありでいいのなら、ワクチンパスポートは不要だ。タイ入国時には10日間の強制隔離が待っている。
日本入国時には待機免除を受けることができず、最低3日間の自宅待機が必要となる。
タイ国内でワクチンパスポートは携行すべきか
タイ国内を旅行中にワクチンパスポートを提示しないといけない場面はそれほど多くない。
店舗に入るのにワクチンパスポートを求められたことはない。
ここ2年タイに滞在していて、ワクチンパスポートの提示は、パタヤビーチでのイベント会場に入る際に求められたことが1回あるだけ。
パタヤ市や県主催の大型イベント開催時には、ワクチン接種証明書あるいは72時間以内のATK陰性結果が求められることが多い。
あとは、国内線フライトに搭乗する際に提示を求められるケースはある。ワクチンパスポートがない場合はATK陰性証明書が必要。航空会社や目的地によりけりだ。
ウォーキングストリートの大型パブなどでは、入り口にATK検査場を設置しており、その場で検査するか、72時間以内に検査した証明書がないと、入店できない。
でもそのような店舗はわずかだ。
街中にあるレストランや、小さなバーではノーチェックだ。特に気にする必要はない。
普通に過ごしていれば、ワクチンパスポートを提示する場面はほとんどない。
紙媒体のワクチンパスポートを持ち歩くのは不便だ。
日本でワクチン接種を受けた人は、デジタルデータとしてワクチンパスポートをスマホに保存しておくといい。
タイでワクチン接種を受けたなら、モープロムで十分だ。
タイでブースター接種
日本で2回ワクチン接種を受けた人が、タイ旅行中に3回目ブースター接種を受けることが可能だ。
日本ではなかなかブースター接種の順番がまわってこない場合、タイで受ける方法もある。
日本大使館の説明では、外国(日本)でワクチン接種を受けた人でもブースター接種の対象とはっきりと明言している。
バンコクのいくつかの病院で日本人専用のブースター接種が実施されている。
事前予約が必要な病院もあれば、ウォークイン可能な病院もある。
また、バンスー中央駅では外国人対応可能なウォークイン接種センターが開設されている。
接種に際しては、英文表記のワクチン接種履歴が必要となっている。
すなわち、日本で発行したワクチンパスポートが通用する。
パスポートとワクチンパスポートを持って、タイのワクチン接種会場に行けばいい。できればタイの電話番号もあったほうがいい。
関連記事:バンコクでワクチン3回目ブースター接種を受けてきた
タイでの日本人向けブースター接種はファイザーがほとんど。
日本でファイザーないしモデルナを2回接種、タイでファイザーのブースター接種。
ブースター接種後の必要日数は規定されておらず、即有効となる。
これで日本入国時の待機免除資格を得ることになる。
タイの病院ないしワクチン接種センターで接種すると、紙媒体のワクチン接種証明書が渡される。
モープロムにも反映されるだろうけど、タイにやって来たばかりの人が対応するのはちょっと面倒かもしれない。
紙媒体のワクチン接種証明書が有効なので、特に難しく考える必要はないだろう。
ワクチン接種証明書をスマホ撮影しておいてもいい。
また、どうしても完全なデジタルがいいのなら、モープロムで見られるようにしよう。ログインには、タイの電話番号が必要だ。
日本入国時に日本のワクチンパスポートとタイのワクチン接種証明書を提示すれば、3回接種済みと見なされることになる。
そういう報告例はまだ見たことがないけれど、ルール上は大丈夫だ。
心配な人は、あらかじめ日本の厚生労働省ないし外務省に確認しておこう。
日本入国のためのワクチンパスポート
タイは現時点では感染非指定国となっており、タイから日本に入国する際は、強制隔離は不要となっている。
3回目ブースター接種済みの証明書があれば、待機期間はゼロとなる。空港を出て即自由行動可能だ。
3回目ブースター接種を受けていない(2回接種のみ)場合は、ワクチンパスポートの提示は意味がない。強制隔離は不要だが、自宅待機7日間が必要。3日目に自主検査して陰性であれば、待機期間短縮が可能で、待機は3日で終了となる
関連記事:タイから日本帰国時の待機不要、日本タイの隔離無し往来可能に
ブースター接種済みであれば、待機免除が受けられる。
そのために、ワクチンパスポートが必要だ。
日本で3回ワクチン接種済みならば、日本のワクチンパスポートを提示すればいいだけ。紙でもデジタルでもいい。
タイのワクチン接種証明の場合は、病院交付のワクチン接種証明書あるいはモープロムが通用する。
昨年10月に日本帰国した際は、モープロムのデジタルワクチン接種証明書画面を見せるだけでもよかった。担当者が画面を写真撮影してくれる。
必ずしも紙媒体の証明書原本が必要なわけではない。
また、日本入国の検疫手続きを簡素化するためにファストトラックという制度が開始されている。
事前にMySOSアプリにワクチン接種証明書などを登録しておけば、検疫手続きを省略することができる。
関連記事:書類の山よさらば、日本入国事前手続きファストトラック
ファストトラックを使えば、検疫時にワクチン接種証明書の提示は不要となる。
まとめ
Test&Goでタイ隔離免除入国するには2回接種済みのワクチンパスポートが必須。
日本帰国時に待機不要措置を受けるには3回目ブースター接種済みのワクチンパスポートが必須。
ワクチンパスポートは紙でもデジタルでもいい。
紙媒体のワクチンパスポートは必ずしも携行する必要はない。でも最低でもデジタルデータとしては保存しておくこと。
なにがあるかわからないので、紙媒体のワクチン接種証明書も持っていくことをおすすめする。タイ国内旅行中の携行は不要だが、タイ渡航時と日本帰国時に提示が求められる可能性はある。
タイランドパスとファストトラックで、出入国のデジタル化は進んでいるが、最後に頼りになるのは相変わらずアナログな紙なのである。
用心に越したことはない。
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