京阪神に住んでいて、タイ旅行が好きな人はたくさんいる。日本の利用空港は当然関西国際空港、関空となる。
関空からタイへのフライトは、スワンナプーム空港、ドンムアン空港、チェンマイ空港行きがある。日本の空港の中で、タイ行きフライトの目的地が一番多彩なのが関空だ。
空港でラウンジを使うには、フルサービスキャリアのビジネスクラスに搭乗もしくはステータスを持っていないとだめだ。LCCにはそもそもラウンジがない。
そこで活躍するのがプライオリティパスだ。
日本の空港でもタイの空港でもプライオリティパスで入れるラウンジがある。無料でラウンジが利用できるのは大きなメリット。
では、主に関空を利用するタイ旅行好きにとって、プライオリティパスの価値はあるのだろうか。
プライオリティパスの申し込みは当然有料となる。プライオリティパスの取得の主な方法は、クレジットカード付帯サービスを利用すること。最低でも1万円以上の出費は必要となる。
ここでは、関空拠点のタイ旅行好きにとってのプライオリティパスの価値について考えてみる。関空ではタイ行き国際線の利用がメインで、日本国内線は考慮しない。年に数回程度のタイリピーター向けとなる。
広告
目次
関空で利用可能なプライオリティパスラウンジ
プライオリティパスの特典には、大きく2種類ある。
空港ラウンジ利用特典とレストラン利用特典だ。
空港ラウンジはその名のとおり、空港内にあるラウンジが無料で利用できるというもの。
レストラン利用は空港内にあるレストランで一定額の料理が無料で利用できるというものだ。
あとはカプセルホテルの割引といった特典もあるけれど、関空でもスワンナプーム空港でも無関係なので省略する。
まず、関空で使えるプライオリティパスの特典を見てみよう。
NODOKA
まずは、ラウンジのNODOKA。
関空ターミナルビルではなく、向かい側のエアロプラザ内にある。
制限エリア外となるため、フライトのチェックイン前でも利用可能。
ラウンジというか、ネットカフェみたいなところだ。もしくはノマドスペースといえばいいのか。
個室もあって、人の目を気にすることなく過ごすことができる。
キャンプ場のような雑魚寝可能なスペースまである。
NODOKAは、クレジットカードのゴールドカード特典でも利用可能なラウンジだ。カードの場合は、2時間まで滞在可能で、ソフトドリンクが飲み放題となっている。
プライオリティパス利用特典で入店すると、ビールや料理などを付けることができる。
制限エリア外のため、NODOKAから搭乗口まで移動するのはかなり時間がかかる。
保安検査場が混雑していたら、さらに時間がかかる。
フライト前にのんびりと過ごすのはしんどそうだ。搭乗に遅れてしまわないか心配になりがち。
逆にフライト到着後に利用するのがいいかもしれない。
国内線制限エリア内のぼてじゅう
関空2階の国内線制限エリア内にあるぼてじゅうでプライオリティパスが利用できる。
お好み焼きなどを一定額内ならば無料で食べることが可能だ。
国内線につき、国際線利用時にはそもそも入ることができない。
また、JCBカードや楽天カードに付帯するプライオリティパスでは、レストラン利用が不可となっている。(楽天プレミアムカード付帯プライオリティパスでは2025年1月よりレストラン利用不可に)
国際線制限エリア内には、レストラン特典が受けられる施設はない。
よって、関空発の海外旅行好きにとっては、レストラン特典目当てのプライオリティパスはまったく無意味だ。
国際線制限エリア内のカードラウンジ
海外旅行好きにとって重要なのは国際線出発制限エリア内のラウンジだ。
関空国際線制限エリア内のラウンジはお寒い状況となっている。
2024年11月までは、時間制限はあったものの、ANAラウンジが利用できた。
タイ航空のビジネスクラス利用時に案内されるラウンジだ。ANAのラウンジだけあって、料理にはカレーライスがあったりと、それなりに豪華なもの。ビールだけでなくアルコール類も飲み放題だ。それがプライオリティパスがあれば無料利用できていた。
が、ANAラウンジは、2024年11月末でプライオリティパスでの利用が終了となった。
2024年12月時点でプライオリティパス利用可能なラウンジは、いわゆるカードラウンジのみ。
・六甲
・アネックス六甲
・金剛
これは、クレジットカードのゴールドカードといった上級カードがあれば入店可能なラウンジだ。
ラウンジといっても、ソフトドリンクのみのドリンクバーとおかしが少々といったラインナップ。ビールは有料だ。フードは置いてない。
わざわざプライオリティパスを使って入るほどのラウンジではないと思う。
たとえば、楽天プレミアムカードを持っていれば、それだけで入店可能だ。
楽天プライオリティパス付帯のプライオリティパスを使う必要もない。
他のプライオリティパス特典が付くクレジットカードでも入店可能だ。
カードラウンジでプライオリティパスを使うのはほとんど意味がない。
以上が関空でのプライオリティパス利用可能な施設となる。
つまり、NODOKAとカードラウンジのみ。
NODOKAは制限エリア外なので少々使いにくい。カードラウンジは、ないよりはマシというレベル。それにどちらもゴールドカードがあれば利用可能だ。
というわけで、関空でのプライオリティパスはほとんど使えない。
よほど時間が余ったときにNODOKAで軽い飯を食べるか、ちょっと睡眠を取るかくらいのこと。
これが成田や羽田や名古屋ではプライオリティパスが大いに活躍する。もっとまともなラウンジやレストラン特典を受けることができる。
プライオリティパス特典に関しては、関空はひどい状況だ。
スワンナプーム空港で利用可能なプライオリティパスラウンジ
プライオリティパスが活躍するのはタイの空港だ。
日本への帰国フライト搭乗前に空港ラウンジを満喫することができる。
まずスワンナプーム空港。
ラウンジ天国とも言われるスワンナプーム空港だけに、プライオリティパス対応のラウンジがいくつもある。
ミラクルラウンジ、コーラルラウンジといった非航空会社系ラウンジのほか、ターキッシュエアラインズなどの航空会社ラウンジも利用できる。
スワンナプーム空港メインターミナル制限エリア内にある唯一の喫煙所は、ミラクルビジネスクラスラウンジだ。
関連記事:スワンナプーム空港メインターミナル制限エリア内の喫煙所が復活
プライオリティパスがあれば、スワンナプーム空港制限エリア内で喫煙ができる。
現時点では、メインターミナル内はこのミラクルビジネスクラスラウンジでのみ喫煙可能となっている。
新しくオープンしたサテライトターミナルにもプライオリティパス対応のラウンジがある。
ミラクルラウンジだ。
関連記事:スワンナプーム空港のサテライトターミナルとミラクルラウンジ利用レポート
関連記事:スワンナプーム空港の最新ラウンジ ミラクルラウンジファーストクラス訪問レポート
サテライトターミナルのミラクルラウンジには喫煙所がない。
ただし、サテライトターミナルには誰でも利用可能な喫煙スペースがある。
とりあえず、プライオリティパスを持っていれば、搭乗口がメインターミナル内であっても喫煙可能なラウンジが利用できる。
サテライトターミナル出発であっても、ラウンジが利用できて、一般喫煙所にてタバコが吸える。
スワンナプーム空港搭乗前にタバコが吸いたい人は、プライオリティパスを持っておくといい。
実際、わたしの友人は、喫煙所目的でプライオリティパスを作ったばかりだ。
むろん、他にもプライオリティパスで入れるラウンジはたくさんある。
愛煙家はミラクルビジネスクラスラウンジを基本にいくつかラウンジめぐりをしてもおもしろい。
ドンムアン空港
エアアジアが利用するのはドンムアン空港だ。タイ・エアアジアXもスワンナプーム空港からドンムアン港へ移転済み。
ドンムアン空港国際線ターミナル制限エリア内では、コーラルラウンジとミラクルラウンジがプライオリティパスで利用可能。
関連記事:再開したドンムアン空港のコーラルラウンジはやっぱり快適
コーラルラウンジは料理の種類も豊富で、店内の雰囲気も豪華。おすすめだ。
ドンムアン空港制限エリア内には喫煙所はないとのこと。
ミラクルラウンジでもコーラルラウンジでも喫煙は不可だ。
ドンムアン空港はスワンナプーム空港に比べるとかなり小規模。
出発間際までゆっくりとラウンジで過ごすことができる。
エアアジア利用者は、プライオリティパスがあれば、搭乗時間まで有意義に過ごすことができる。
チェンマイ空港
チェンマイから関空へはタイ・ベトジェットの直行便が運航されている。
国際線制限エリア内には、コーラルラウンジがあって、プライオリティパスでの入店が可能だ。
関連記事:プライオリティパス利用可、チェンマイ国際空港コーラルラウンジを使ってみた
国際線出発口エリアはドンムアンよりもさらに狭い。
ラウンジから搭乗口までは目と鼻の先といえる。
コーラルラウンジはちょっと狭いけれど、搭乗ギリギリまで過ごすことができる。
関空とチェンマイを往復する人もプライオリティパスを作っておいて損はないかもしれない。
以上、タイの3空港のラウンジを取り上げた。
タイ側ではプライオリティパスの効力が大きい。
特に喫煙者にとっては、スワンナプーム空港制限エリア内で喫煙が可能になる点が大きなメリットだろう。
喫煙抜きにしても、いくつもラウンジがあって、どこでもよりどりみどり状態だ。
あまりにもお寒い関空の状況とは大違いである。
関空はあきらめて、スワンナプーム空港でのプライオリティパスの効力を考えるようにしよう。
プライオリティパスの申し込みと利用回数制限
これまでプライオリティパスを作るには、楽天プレミアムカードの付帯サービスを利用するのが王道だった。
楽天プレミアムカードの年会費が11,000円で、無料でプライオリティパスが付帯される。こんなオトクなカードはない。
が、2025年1月からは、楽天プレミアムカード付帯プライオリティパスのラウンジ利用回数が年間5回までに制限される。
また、レストラン特典も使えなくなる。どうせ関空国際線利用時にはレストラン特典がないため、この点は無視できるが。
スワンナプーム空港のラウンジ利用は問題ないけれど、やはり年5回までしか使えない。
でもまあ、年に2,3回しかタイ旅行しないという人であれば、プライオリティパスでのラウンジ利用回数5回という制限はそこまで大きな障害にならないだろう。
どうせ関空ではプライオリティパスはほとんど使えない。カードラウンジはクレジットカード特典で入ればいいからだ。楽天プレミアムカードでもカードラウンジ入店ができる。
よって、プライオリティパスを使うのはタイの空港に限られるといっていい状態だ。
楽天プレミアムカードを発行すれば、楽天ポイントが5000ポイントもらえる。
カード年会費が11000円のため、ポイント5000円分を引くと、実質6000円で作ることができる。
もらった楽天ポイントは、コンビニやスーパーなどでの買い物にも使える。
ややこしくてよくわからんという人は、とりあえず楽天プレミアムカードを作ってしまうのが楽かも。
関空発バンコク行きのフライトばっかり利用する人であれば、プライオリティパス利用制限5回は特に問題にならないはずだ。
これが、羽田や成田や名古屋を利用する人ならば、5回制限は大きなネックになる。楽天プレミアムカード付帯プライオリティパスでは、レストラン特典も使えないため、さらに価値が減少する。
年に5回以上、関空からタイへ飛ぶという人は、ラウンジ利用回数制限のないクレジットカード付帯プライオリティパスを作るのがベター。
成田や名古屋をメイン空港にしている人も同様で、楽天プレミアムカードはおすすめできない。
セゾンローズゴールドアメックスかセゾンゴールドアメックスあたりがよさそうだ。
セゾンローズゴールドアメックスだと年会費は11000円。初年度年会費は無料。2年目以降も、前年度に一度でもカード決済しておけば、年会費が無料となる。ただし、プライオリティパス特典は無料ではなく、年会費11000円を別途支払う必要がある。カード年会費が無料でも、プライオリティパスは11000円。楽天プライオリティパスと同じ価格となる。
セゾンローズゴールドのプライオリティパスだと、ラウンジ利用回数は無制限で、レストラン特典も使える。
ラウンジ利用回数無制限かつレストラン特典も使いたいならば、セゾンローズゴールドアメックスが一番安上がりになりそうだ。
とはいえ、関空ではほとんどプライオリティパスの使い道がない。
年に数回タイへ行くだけの関空利用者であれば、楽天プレミアムカード付帯プライオリティパスでも充分だろう。
楽天ポイントの5000円分の付与があれば、実質6000円でひとまずプライオリティパスが手に入る。最安値で入手できる。
スワンナプーム空港で喫煙可能なミラクルビジネスクラスラウンジはプライオリティパスなしで利用すると1回1500バーツかかる。約6600円だ。
楽天プレミアムカードが実質6000円なので、1回ラウンジを利用するだけで元が取れる。
2年目以降は普通にカード年会費11000円がまるまるかかるけれど、まずは1年間使ってみて、2年目以降どうするか考えてもよさそうだ。
年に1回か2回のタイ旅行を毎年繰り返している友人は、つい最近楽天プレミアムカードに申し込んで、カードの発行を受けたばかり。
この友人はゴールドカードも持っていなかったが、楽天プレミアムカードを手に入れたことで、これからは関空でカードラウンジを利用できるようになる。
また楽天プレミアムカードには自動付帯の海外旅行保険がついてくる。友人はタイ旅行のたびに海外旅行保険に別途加入していたようだが、これからはその保険代も不要となる。
スワンナプーム空港ラウンジ代と海外旅行保険代を合わせると、年2回のタイ旅行でもクレジットカード年会費を大きく上回るメリットがある。
別の友人もプライオリティパスを取得予定だ。
両人とも、取得の理由は、スワンナプーム空港内で喫煙するためだ。それに加えて、搭乗前にラウンジで飲み食いもできることも大きいとのこと。
すでにゴールドカードは持っているため、関空のカードラウンジは利用できるし、海外旅行保険も付帯している。それでもプライオリティパス目当てに楽天プレミアムカードを作るとのことだ。
まとめ
関空、しょぼい。プライオリティパスの価値なし。
スワンナプーム空港、最高。プライオリティパスの価値大。
トータルすれば、関空利用のタイ好き旅行者がプライオリティパスを作るべきかどうかはかなり微妙なところ。
タイから日本へ帰国する際にするスワンナプーム空港やドンムアン空港でゆっくりラウンジを使いたいという人にはいいかもしれない。
特にスワンナプーム空港制限エリア内で喫煙したい人には大きな価値があると思う。年に1回か2回のタイ旅行者でも作ったほうがいいくらい。喫煙者にとっては搭乗前ぎりぎりまでタバコが吸えるというのは何事にも代え難い魅力を持つ。
しょぼい関空だけど、年に5回も10回も海外へ行くという人はもちろんプライオリティパスを作るメリットは大きい。LCC利用でもラウンジが使えるのがいい。
2025年には関空の大規模リノベーション工事により、新しいラウンジエリアがオープンする予定。この際にプライオリティパス対応のラウンジが新たにできるかもしれない。そうなれば、関空でのプライオリティパスの価値は大きく高まりそうだ。
広告