タイの入国規制についてのニュースが流れてきた。
ワクチン接種すれば隔離無しでの入国を認める要望や、ピパット大臣によるホテル検疫やSTV失敗についての発言を取り上げる。
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ワクチン接種有り隔離無しでのタイ入国を認めよとタイ旅行代理店協会
タイ旅行代理店協会(ATTA)によれば、インバウンド旅行会社の1万店のうち、3割が恒久的に閉鎖、5割が一時的に営業停止し、現在では合計8割の旅行代理店が閉鎖しているという。
2割の旅行代理店は、国内向けの旅行業でなんとか食いつないでいるが、年末からの国内感染拡大によりそれも厳しくなった。
現在、世界ではワクチン集団接種プログラムが進みつつある。
今年前半で、ワクチン接種を受ける人は、世界で10億人を越えるかもしれない。
そこには中国と東南アジアも含まれる。
今年の第3四半期には、多くの人が海外旅行を希望するようになるはずだ。
そこで、タイへ旅行したい人のために、ワクチン接種済みならば隔離検疫無しの入国を認めるよう、ATTAは要望を出している。
インバウンドが再開すれば、景気は回復していくだろうとしている。
タイ観光スポーツ省のピパット大臣は、ワクチンを接種した外国人観光客が隔離検疫なしで入国するこを性急に許可することはない。ガイドラインについて、保健省との議論へつなげていくと発言している。
ワクチンの有効性については、2度の接種を完了したあとに結果を待つ必要がある。
また、ピパット大臣は、政府は外国人旅行者のワクチン接種証明書などについての新しい措置に取り組んでいる最中だともいう。
以上のような内容。
2021年7月以降、ワクチン接種した旅行者は隔離検疫無しでタイに入国できるよう求める。
あくまでタイの観光業者たちからの要望に過ぎない。
まだ正式には何ひとつ決まっていない。
逆にいえば、今すぐにでも外国人観光客を呼び込みたい観光業者でさえも、少なくとも7月までは隔離無しでの入国は無理だと認識していることになる。
おそらく妥当な現状認識だと思う。
タイの国内感染拡大、世界的な変異種も含めた感染拡大を鑑みると、今年前半にタイの隔離検疫無し入国が認められるとはちょっと考えづらい。
タイでは2月末よりワクチン接種が始まるとされている。
最初は、中国製のワクチンから。
いきなり中国からの観光客を隔離無しで受け入れ再開する可能性もなきにしもあらずだが、やはり今年前半はなさそう。
時間がかかる。
ホテル検疫
ピパット大臣の発言は続く。
ホテル検疫について検討中であると。
以前はエリア検疫と呼ばれていたもので、検疫中の観光客は自分の部屋の中だけでなく、ホテルエリア内で行動できるようにするというアイデアだ。
このホテル検疫が実施されれば、多くのインバウンド需要がもたらされるとピパット大臣は確信しているという。
どうやら、先日のゴルフ検疫についての発言は、このホテル検疫だったようだ。
特定のリゾートホテルエリア内にかぎり、自分の部屋から出て行動ができて、ゴルフもできるという。
これって、観光客受け入れ再開計画初期の頃に提案されていたプーケットモデルとよく似ているような気がする。
ホテルとその周辺にエリアにかぎり、検疫中での行動を認めるというもの。
ただ、地元の猛反発にあって、あえなく頓挫した経緯がある。
たしかに、14日間の隔離期間中、部屋の中だけに閉じ込められるのではなく、ホテルのエリア内を自由に出歩いたり、ジムを使ったり、ゴルフができれれば、少しはストレス解消になる。
部屋に監禁されるよりはマシだ。
でも、需要が大きく伸びるということはなさそう。
STVは失敗
ピパット大臣は、またこうも発言。
「長期滞在観光客を対象とした特別観光ビザによる観光刺激策は失敗だったかもしれない」と。
鳴り物入りで始まった特別観光ビザ(STV)だが、当初の目論見は大きく外れた。
結局、通常の観光ビザとビザ免除措置でのタイ入国をあっさり認めることになった。
ただし、実際に特別観光ビザでやってきた外国人観光客が、隔離検疫など要求された安全基準を満たした上で無事に入国したことは、タイの人たちに保証を与えた。
このことが、入国制限の緩和につながったともしている。
特別観光ビザ自体は成功しなかったが、少なくとも規制緩和のためには役立ったというわけだ。
まあ、たしかに。
特別観光ビザなんて成功しないとほとんど誰もが呆れていたものだが、最初からすべてがうまくいくわけでもない。
試行錯誤しながらやっていくしかない。
参照:https://www.bangkokpost.com/business/2049291/atta-seeks-vaccinated-arrivals
まとめ
とりあえず、今年前半の隔離検疫無しのタイ入国はなさそう。
隔離ありならば、これまで通りに観光ビザやビザ無しでタイ入国は可能。
もうしばらくは、この状態が続きそうだ。
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