かれこれ10年以上前から話しが出ているスワンナプーム空港とパタヤを結ぶ高速鉄道建設計画だが、徐々に話が進んでいるようだ。
タイ政府からは2029年までにドンムアン-スワンナプーム-ウタパオの3空港を結ぶ高速鉄道が完成する予定との発表があった。
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3空港間高速鉄道
バンコクには、スワンナプーム空港とドンムアン空港という2つの国際空港がある。厳密にはスワンナプーム空港はバンコクの隣県であるサムットプラカンに位置するが。
パタヤにはウタパオ空港という国際空港がある。これまた厳密には隣県のラヨーン県に位置するが。
これら3つの空港を高速鉄道で接続しようという計画が進んでいる。
タイ政府副報道官によれば、計画は進行中であり、2029年までに完成する予定だという。
予算は2245億4400万バーツで。220kmの線路を建設する。線路幅は1.435メートルの標準軌を使用。
すでに運行しているエアポートレイルリンクとSRT鉄道ルートを基にする。
エアポートレイルリンクはパヤタイ駅からドンムアン空港まで延長、反対方面はラートクラバン駅からスワンナプーム空港とウタパオ空港まで延長。
列車の最高速度は時速250km。
バンコク、サムットプラカン、チャチュンサオ、チョンブリ、ラヨーンの5県にまたがるルートだ。
停車駅は、ドンムアン-バンスーマッカサン-スワンナプーム-チャチュンサオ-チョンブリ-シラチャー-パタヤ-ウタパオの計9駅。
3つの空港を結び、東武経済回廊(EEC)の重要なインフラとして機能するほか、より多くの外国投資を呼び込み、10万人の雇用を創出する狙いもある。
鉄道ルートの沿ってスマートシティがあり、ASEANの他のエリアとさらにつながることになる。
バンコクからパタヤへの直通列車
ドンムアン空港からバンスー中央駅までは、レッドラインと呼ばれる高架鉄道が開通したばかりだ。
バンスー駅はクルンテープアピワット駅へ改称する話も出ているが、とりあえずバンスー中央駅としておく。
バンスーは巨大なグランドステーションとなっており、線路の数も多い。
1月19日にフアランポーン駅からバンスー駅へ一部路線が移転してきたばかりだ。
このバンスー中央駅にエアポートレイルリンクを接続させることで、スワンナプーム空港へ直接行けるようになる。
現在、エアポートレイルリンクの路線はパヤタイからマッカサンを経てスワンナプーム空港まで続く。
どうやらバンスーからはパヤタイへ路線を延ばすらしいが、詳細は不明。
スワンナプーム空港からは新たに線路を敷き、まずはチャチュンサオを目指す。そのあと、チョンブリ県に入り、チョンブリ、シラチャー、パタヤへ。
最後にパタヤからウタパオ空港まで行き、終点。
長い、実に長い路線だ。
ただ、実現すれば、スワンナプーム空港からパタヤへの所要時間は大きく短縮されることになる。
バンコク市内からパタヤへも鉄道で一本だ。
ただ、まあこの高速鉄道が2029年までに開通するとは、誰も信じてないと思う。
スワンナプーム空港-パタヤ間の高速鉄道計画は10年以上前から耳にしているが、今のところ橋脚の1本も線路の枕木一つも作られていない。
いったい完成はいつになることやら。
ただ、なかなか完成しなかったエアポートレイルリンクも、バンスー中央駅も、レッドラインも、いつの間にか開業に至っていた。
バンコク市内のBTSにしても、気づけば延伸に次ぐ延伸で、もはや終点がどこかもわからない状況だ。
工期が延長となるのはタイではお約束。
予定は未定を地で行くスタイルである。
延長の延長も当たり前といえる。
どうせまた延長するんだろうと半ば忘れかけていた頃にあれよあれよと完成にこぎつけるという感じだ。
まずはドンムアンからスワンナプームまで、それからスワンナプームからパタヤまで、さらに最後にパタヤからウタパオまでと、段階的に完成させていくかもしれない。
まあ、気長に待とう。
スワンナプームからパタヤへの高速鉄道が2030年までに開通すればラッキーくらいな気持ちで。
なお、高速鉄道開通にともない、パタヤ駅周辺はスマートシティとして整備される計画。
またパタヤ市内にもモノレールが作られる計画で、これは早ければ2026年に最初のラインが完成する予定だ。
高速鉄道駅からパタヤ中心部を通って、ウォーキングストリートを経て、バリハイ埠頭につながるラインとなる。
これまた気長に待つことになりそうだ。
高速鉄道が完成し、パタヤモノレールも開通すれば、スワンナプーム空港からパタヤへは、高速鉄道とモノレールを乗り継いで行けるようになる。
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