タイは、11月1日に、63ヶ国からの隔離免除入国を認め、サンドボックスエリアを大幅に拡大した。これによりタイは開国した。
開国計画は段階的にすすめることになっており、11月現在は第1フェーズにある。
昨日11月13日のCCSA本会議にて、11月1日開国後の状況と第2フェーズ以降の計画見直し案が発表された。
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タイ入国者統計
11月1日以降、空路でタイに入国する場合は3つの制度がある。
一つ目が、タイ開国計画の目玉といえる、隔離免除入国(Test & Go)だ。対象となる63ヶ国からのワクチン接種済み旅行者は隔離免除でタイに入国し、到着時のPCR検査で陰性であれば、タイ国内を自由に旅行できるようになるという制度だ。
二つ目がサンドボックスでの入国。対象国制限はなく、すべての国からワクチン接種済み旅行者が利用できる。サンドボックスエリアに7日間滞在したのちにタイ国内の自由移動が認められる。
三つ目は、従来からの強制隔離あり入国だ。政府代替隔離ホテルで7日間もしくは10日間の隔離を受けたのち解放される。
タイ空路入国者(11月1日から11月11日)
Test & Go(隔離免除)23,442人
サンドボックス9,836人
7日隔離541人
10日隔離1,155人
総合計:34,974人
やはりダントツで隔離免除入国者が多い。
各空港別入国者数(11月1日から11月11日)
隔離免除で入国したのは、スワンナプーム空港が19,796人。ドンムアン空港は83人、チェンマイ空港は83人、プーケット空港は2,901人、サムイ空港は579人となっている。
空路入国出発地トップ10(11月1日から11月11日)
アメリカ4,236人(陽性7人)
ドイツ3,890人(3人)
イギリス2,011人(7人)
日本1,878人(0人)
フランス1,392人(2人)
ロシア1,306人(7人)
韓国1,305人(0人)
スイス1,202人(1人)
イスラエル1,062人(0人)
スウェーデン990人(0人)
日本は第4位となっている。あくまで出発地であり必ずしも日本人とは限らないはずだが、日本からのタイ入国者は多い。日本を出発しタイ到着後のPCR検査で陽性となったケースはゼロ。
たとえ本人が陰性でも、たまたま同じ飛行機で近くの席に座っていた乗客が陽性となった場合、高リスク接触(濃厚接触)扱いとされ、10日間の強制隔離が求められることがあるが、現状では日本からのフライトで濃厚接触に遭遇する確率はゼロだ。この先どうなるかはわからないが。
なお、出発国別の陽性率トップはナイジェリアで、21人中2人が陽性と判定された。陽性率は9.52%。
母数が少ないため、あまり意味はないかもしれないが。
タイランドパス
11月1日から、従来のCOEシステムにかわり、Thailand Passによる入国許可申請システムに変更された。
11月1日から11日までのタイランドパス統計
申請件数147,503
承認済み92,920
不承認(ホテルや医療保険の要件を満たしていないため拒否)20,635
承認作業中33,948
事前のホテル予約が必須となっているが、PCR検査代を実施するための病院と提携したSHA+ホテルあるいはAQホテルをパッケージで予約しないといけない。空港からホテルへの送迎もパッケージとして販売している。
このパッケージ予約をしておき、ホテルからの提供される予約確認書を添付してタイランドパスに申請する必要がある。
この要件を満たなさいと申請は却下される。
医療保険はタイ国内で5万ドル以上の治療をカバーする医療保険に加入する必要がある。
タイ国内の保険会社に限定されるわけではないが、英語ないしタイ語ではっきりと保険内容が明記された書類を添付しないとタイランドパス申請で却下されることになる。
ワクチン接種証明書承認
自動承認35,872
手作業57,048
タイランドパスではワクチン接種証明書が厳しくチェックされる。
タイ側が確認可能なQRコード付きのデジタルワクチン証明書であれば、自動承認が可能だ。
日本のワクチンパスポートにようにデジタル非対応の場合、確認にあたるタイ保健省がちくいち手動で作業を行う必要がある。
日本のワクチンパスポートでは承認までに時間がかかるようだ。
ちなみに、タイでワクチン接種した際に病院からもらえるワクチン接種証明書ならびにモープロムに表示されるデジタルワクチン証明書であれば、それこそ一瞬で自動承認される。
関連記事:タイランドパス申請、登録から2分で承認されQRコード入手
AQホテルとSHA+ホテル
隔離免除入国、サンドボックス、強制隔離あり入国でもあっても、タイ到着後にはまずホテルに待機する必要がある。
隔離免除入国であれば、AQホテルないしSHA+ホテルに1泊。
サンドボックスであれば、SHA+ホテルに7泊。
強制隔離あり入国では、AQホテルに7泊ないし10泊。
承認されたAQホテルは142軒あり、全部で17,565部屋。
そのうち1,720部屋が利用されており、15,845部屋が空き。
AQホテルは、病院との提携がそもそもの条件であり、隔離ホテルとして運営している。
隔離免除入国で利用可能だ。ただし、すべてのAQホテルが1デイパッケージプランを提供しているかは不明。
AQホテルは、バンコクが一番軒数が多く、次に多いのがパタヤとプーケット。
病院と提携して運営しているSHA+ホテルは、848軒(11月11日18時時点)。
プーケット429軒
バンコク148軒
スラタニー68軒
チョンブリ61軒
パンガー77軒
など。
単にSHA+認定を受けているだけでなく、PCR検査を実施する病院と提携していないと、隔離免除入国でSHA+ホテルを利用することはできない。よって、すべてのSHA+ホテルが隔離免除旅行者向けの1デイパッケージプランを販売しているわけではない。
ただ、隔離免除入国対応のSHA+ホテルは増加している。
パタヤではまだ少ないが、これからはもっと増えていくだろう。
タイ開国計画見直し
CCSAでは、タイ開国計画の第2フェーズ以降の見直し案について発表している。
ガイドラインの変更、サンドボックス対象県の拡大、隔離免除入国対象国の拡大などだ。
現時点ではすべて提案段階で正式決定したわけではない。
現在(11月1日から30日)は第1フェーズ。
隔離免除をのぞいて、隔離期間は7日、10日、14日となっている。
第2フェーズでは、5日、7日、10日に短縮する。
現在、隔離免除措置(Test & Go)でタイに入国した場合、到着時の検査はRT-PCR方式で実施する。この検査で陰性であればホテルを出て自由に行動できるようになるが、結果判明まではホテル内で半日から丸1日は隔離される。
滞在6-7日目に実施する2回目の検査はATKでセルフ検査する。
TAT(タイ国政府観光庁)が、到着時のPCR検査もATKに変更するように提案している。
ATK検査だと結果判明までの時間が大幅に短縮されるため、旅行者にとっては大きなメリットがある。
CCSAではこの提案を検討中。早ければ12月1日の第2フェーズから実施する可能性があるとしている。(まだ正式決定ではない)
11月中は現行のPCR検査方式を継続することになる。
現在の医療保険のカバー金額は最低5万ドル。第2フェーズ以降の額面はまだ決まっていない。
サンドボックス対象県は、第1フェーズが17県。第2フェーズでは、16県追加して33県にする計画だ。ただし、当初の計画に含まれていたソンクラーとヤラーとナラティワートは12月16日に延期となる見込みだ。
第3フェーズでは、さらに12県をサンドボックスに追加して、計45県とする。
また、隔離免除対象国は、現行の63ヶ国から拡大していく計画となっている。
まとめ
タイ開国から11日間での旅行者は34,974人。
開国後2ヶ月間は、一月あたり30万人が訪れるとの予測が立てられていた。
このままのペースでは今月30万人には到達しそうにはない。
タイランドパスが安定運用されるようになれば、もう少し利用者は増えていくだろうが、まだまだ足りない。
来月から、面倒な到着時PCR検査がATKに変更され、医療保険の額面も下げられれば、観光客にとっては有利に働く。
だが、12月1日に再開予定とされていたバーやパブなどの娯楽施設は、来年1月15日まで閉鎖を継続するとCCSAが決定した。ピークシーズンの年末年始はナイトライフ無しとなる。
この決定により旅行計画を変更する人が続出するかもしれない。
開国は継続するが、ナイトライフ規制は厳しいまま。
なかなかうまくは進まないものだ。
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