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タイへの外国観光客受け入れ、今年は絶望か？
TAT（タイ政府観光局）副長官は、タイ政府が今年中に外国人観光客に対して国境を開くことはなさそうだとコメントを発表。
タイ政府は観光客のタイ入国に関しては、非常に慎重になっており、2021年まで観光旅行が再開されることは期待できない。
今年のクリスマス時期も、さらには来年2月の中国正月でさえ危ぶまれていると。
トラベルバブルに関する議論は中断されている。
これは、トラベルバブルの締結相手とされた日本、韓国、中国、ベトナムなどで感染が再拡大していることを受けてのこと。
ただ、別のプランが検討されていることにも副長官は言及。
プーケットやサムイ島などの限られたエリアに最低でも30日間滞在して、安全なバブル圏を作ろうというもの。
TATの発表と全く同じものかははっきりしないが、先日、タイ観光スポーツ省からもトラベルバブルに代わるプランが提案されている。30日間感染ゼロを記録している外国の都市から旅行者を、プーケットやサムイ島など限られたエリアと限られたホテルのみに受け入れるというものだ。
関連記事：タイ観光旅行は、Safe and Sealedプランへ？トラベルバブルは無期限延期。
いずれにせよ、プーケットなど一部リゾート島に限定されており、バンコクやパタヤには滞在不可とされている。
このプランが採用されれば、今年の第4四半期に外国人観光客がタイに入国できる可能性は残されているが、今のところまったく進展は見られない。
また、EVA航空は、プーケットへのフライト再開を来月から少なくとも来年3月まで延期すると発表した。
参照：https://www.ttgasia.com/2020/08/07/tat-deputy-governor-dashes-hopes-of-2020-reopening-for-thailands-international-borders/
参照：https://thethaiger.com/coronavirus/thailands-international-borders-not-re-opening-for-tourists-until-2021-tat
2021年度のタイ観光客数見通し
TATによれば、2019年のタイへの外国人訪問者の総数は3,980万人。観光収入は3.2兆バーツだった。
2020年上半期では669万人。第4四半期においても外国人観光客の受け入れを停止を続けた場合は、今年全体で700万人となると予測。
ただ、700万人という数値も楽観的なものとされる。
では、来年2021年はどうか？
TATでは、３つのシナリオを想定している。
最悪のシナリオ：2021年の第4四半期（10月から12月）に国際商業フライトが再開されるというケースでは、2021年全体での外国人観光客の数を614万人、収入は2,960億バーツと予測。
中間のシナリオ：第3四半期（7月から9月）にフライト再開のケースでは、外国人観光客の数を1,250万人、収入を6,180億バーツと予測。
最良のシナリオ：2021年の初頭から外国人観光客がタイに入国できるケースでは、一年トータルで2,050万人が訪れ、観光収入は1.52兆バーツになると予測。
この最良の場合でも、2019年度の約半数の観光客しか訪れないことになる。
また、IATAの予測では、全世界の航空便総数が2019年度と同水準まで回復するのは2024年になるだろうとのことだ。
参照：https://www.bangkokpost.com/travel/1964591/tat-2021-foreign-arrivals-could-be-as-low-as-6-1m
感想
これまでTATやタイ観光省は、今年中それも9月か10月には観光客の受け入れを再開したいといったコメントを何度か発表していた。
が、トラベルバブルの議論は中断され、まるで目処が立たなくなり、それに変わるプランもまだ進行していない。
ついには、今年中の観光客のタイ入国は絶望的との見方を示すようになってしまった。
タイ政府の慎重な姿勢もさることながら、タイ国民の世論が外国人旅行者受け入れ再開には抵抗がある状態では、話はまったく進まない。
タイへの観光旅行の全面的再開と回復は、来年どころか、2022年になってしまいそうな気配である。
最終的にはワクチンが広く供給され、世界的に感染状況が落ち着いてからのことになるだろうけど、海外旅行好きにとっては、まだまだ長く辛い期間が続きそうだ。
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