カオトムとは、タイ料理版の雑炊のことだ。
カオがご飯、トムは茹でる。そのまんま。
同じくご飯を茹でた料理にジョークがある。これは、ご飯粒の原型がなくなるまで煮詰めたもの。あまりダシは取らずに、あっさりした味わい。具材は少しだけ。日本で言うところの、お粥。
カオトムは、基本的にダシを取って煮込む料理。具材もたくさん入っていることが多い。
そんなカオトムだが、ダシと具材なしのカオトムもある。それをカオトムグイと呼ぶ。これは、まさに白粥。
味付けの濃いおかずと一緒に、カオトムグイをばくばく流し込むようにして食べる。
どうやら中華料理由来のスタイルらしいのだが、パタヤでもいくつかカオトムグイを食べられる店がある。
地元パタヤ出身のタイ人に紹介してもらったのはサードロードのカオトムグイ屋さん。
1杯5バーツからと格安価格だ。
普通のカオトムもうまいし、おかずもうまい。特にヤムカイヨーマーは癖になる味だった。
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カオトムグイ5バーツ食堂
店名は不明。
タイ人に聞いたところ、カオトムグイ5バーツというのが店名みたいなもんだと言っていた。
店頭には、いろんな食材が陳列されている。
ピンク色の卵はカイヨーマーだろう。
実は随分前からこの食堂は気になっていた。が、カオトム屋だとわかっていても、注文方法がわからずに入店を躊躇していた。
タイ人に注文方法を教えてもらってから入店。
店内は、どローカル。
客はタイ人ばかり。バイタクの運転手が仕事終わりにたむろしていた。
メニューあり
英語メニューもある。
料金は書いていないが、ぼったくりの心配はないはず。
できれば、タイ語での料理名を覚えていきましょう。簡単な数字や具材名くらいの英語は通じるはず。
オーダーは口頭で告げればいい。
無料の水はないようだ。氷入りグラスを持ってきてくれる。あとはテーブルの上のペットボトルの水を飲むか、コーラやビールをオーダーすればいい。水は10バーツ。
カオトムグイ
カオトムクイとも表記する。グイとクイと間くらいの音。唇を前に尖らすように発音するのがコツ。
1杯5バーツである。
まさに見た目は白粥。日本の標準的なお茶碗よりはわずかに少ない程度の量。
塩くらいはぱらぱらふりかけてあるかもしれないが、味はほとんどついていない。
このままで食べるものではない。
おかずと一緒に食べるましょう。
カナームークロップ
カオトムグイの定番のおかずは、パックブンファイデーンだ。
でも、今回はカナームークロップにしてみた。
芥藍菜とかりかりの豚肉を炒めたもの。
ここのカナームークロップは、かなり濃厚な味付け。
普通の屋台や食堂で食べるカナームークロップとは使っている調味料が違うかもしれない。
真っ先に思い浮かんだのは、本場の中華料理の味。たとえるなら、日本で食べるインスタントのマーボー豆腐と、四川省の本格中華スタイルのマーボー豆腐の違い。いや、あくまでイメージだけど。
カオトムグイに合うようにわざと濃厚にしているのだろうけど、かなり中華料理っぽく感じるなあ、この味付けは。
ムークロップ自体がおいしいし、量も多い。
ここのカナームークロップはいいなあ。
もちろん、カオトムグイとの相性も抜群だ。
おそらく一皿60バーツ。
ヤムカイヨーマー
店頭にディスプレイしてあるピンク色の卵がカイヨーマー。ピータンだ。
ジョークやカオトムに入れることが多い。
このカイヨーマーをスパイシーなサラダにしたものが、ヤムカイヨーマーとなる。
自分でオーダーして食べるのはこれが初めて。
どっさりと紅しょうが乗っている。
紅しょうがの下にピータン。
さすがにピータンの見た目は悪いなあ。グロいとも言えるレベル。
でも、見た目ほどのクドさや臭みはまったくない。いや、むしろうまい。
多少しつこさがあるが、タマネギやパクチーで爽やかさアップ。さらに紅しょうがすべてを打ち消してくれる。紅しょうがは日本の味と一緒。
唐辛子も入っているが、そこまで辛くない。
ヤムカイヨーマー、いける。
これはハマる味だ。癖になる。
日本人の口に合っているかも。
もちろん、これもカオトムグイに合う。
一皿50バーツ。
2品のおかずをつまみながら、カオトムグイを流しこむ。
暑くて食欲がない時でも、グイグイ食べることができる。この中華スタイル、いいねえ。カオトムをグイグイ食べるからカオトムグイとおぼえましょう。
ペットボトルの水と合わせて合計125バーツだった。
カオトムグイはおかわりする予定だったが1杯でお腹いっぱいになってしまった。
おかず2品はちょっと多かったかもしれない。
できれば、グループで訪れておかずをシェアするのがベター。
大食いの人は、ガシガシとおかわりしましょう。カオトムグイはすぐにおかわりを持ってきてくれます。
カオトムムー
後日、再訪問。
通常のカオトムも食べてみた。
豚入りなんで、カオトムムーとなる。
ちょっと量は少なめかな。
でも、味は文句なし。
ダシがしっかり出ていて、ほとんど調味料を足す必要なし。辛さがほしい場合のみ、唐辛子をかけてやるといいだろう。
これまでタイでカオトムはたくさん食べてきたが、ここのカオトムが一番おいしいかも。
カオトムを最後まで食べきったのは、今回が初めてかもしれない。それくらいうまかった。
ただ、この量で60バーツはちょっと高めかも。
ついでに、ヤムカイヨーマーをまたもやオーダー。
すっかりヤムカイヨーマーにハマってしまった。
ちょっとカロリーが気になるところ。でもやめられない。
カオトムムーとヤムカイヨーマーと水で、合計120バーツ。
カオトムの量は少なめだが、ヤムカイヨーマーも完食すると、ちょうどお腹が膨れるくらい。
これまた満足です。
地図
サードロード沿い。
最寄りのソイは、ソイ21/1。
ソイブッカオから行くなら、PPマッサージのあるソイ21を歩いて行ってサードロードを右折するのが早道か。
もしくはソイエキサイトを進んでサードロードを左折してもいい。
白の看板に赤字で5と書かれているのがカオトムグイ屋。
南隣の緑の看板は、イサーン料理食堂。
北隣のリサイクルショップ前には、夜になるとモーファイ屋台が出現する。
関連記事:タイ料理のモーファイ(火鍋)は、大盛りの激辛トムヤムラーメンだった
カオトムグイ屋の営業時間は不明。
昼間からやっていることもあれば、夕方のこともある。おそらく閉店は深夜遅く。
暗くなってから訪れれば、まず営業しているかと。
まとめ
普通のカオトムはかなりうまい。
でも、おかずを頼んで、カオトムグイを流し込むのがここのスタイルでしょう。
タイではお茶碗を手に持って食べるのはあまり行儀がよくないとされているかもしれないが、カオトムグイなら問題ない。
中華料理レストランよろしく、グループで訪れ、おかずを何品もオーダーして、カオトムグイ片手におかずを食べまくるのがベスト。
でも、一人でも問題ないです。
どロカールなだけに、入店するのは抵抗感がありますが、意外とオーダーは簡単。料理名のタイ語だけ覚えていきましょう。
魅惑のカオトムワールドが待ってます。もちろん、ヤムカイヨーマーも忘れずに。
なお、空飛ぶ空芯菜炒めで有名なパックブンロイファーも、同じようにカオトムグイとおかずを食べるスタイル。
セカンドロード、パタヤカン、ソイチャイヤプーンなどに店舗がある。
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