現在海外から日本に到着した際には、空港で検疫手続きが必須だ。
この手続きの煩雑さと係員の多さが問題視されている。
税関申告も電子ゲートを使えるようになっているが、これまた問題だ。
これを改善しようと河野太郎デジタル大臣が対応策を発表した。
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健康カード廃止
空港検疫では、健康カードというものが配られてきた。
河野大臣によれば、羽田空港の一部をのぞいて健康カードを廃止したとのことだ。
入国時に配布していた「紙」（健康カード）を羽田空港の一部を除き、廃止しました。羽田空港の一部も今後、廃止していく予定です。
— 河野太郎 (@konotarogomame) February 10, 2023
以前ならMy SOS、現在はVisit Japan Webの登録画面を提示して、検疫をスムーズに通過していくことができるのだが、まあとにかく検疫担当のスタッフが多い。
飛行機を降りて、検疫所に着くまで、ひたすら「Visit Japan Web」を連呼される。
Visit Japan Webのファストトラック画面を見せたあとで、問題となっている健康カードが手渡される。
健康カードといっても、なにか記入しないといけないわけでもなく、ちょっとした注意事項が記載されているだけ。
ここ2年で何度も日本入国しており、各空港の健康カードが溜まってきた。
中身はほとんど読んでないけれど。
検疫の流れでいえば、Visit Japan Webのファストトラック青色画面が確認された人だけが最初に健康カードを渡されて、それ以降は健康カードをひらひらさせることで、Visit Japan Webの画面提示がいらなくなるといったところだった。
Visit Japan Webの登録をしていない人は、健康カードをもらうことなく別のレーンに進んで、別途手続きを行う必要がある。手続きを進めていくと、結局は健康カードを渡されることになるが。
「健康カードとかいう紙は無駄だろ」とホリエモンがSNSで発信して、それを受けて河野大臣が対応したという形だろうか。
たしかに無駄だ。
紙も無駄だし、紙を渡すだけのスタッフも無駄だし、Visit Japan Webと連呼するだけのスタッフも無駄だ。
せっかくデジタル化したのに、結局は人海戦術と紙によって対処するという日本の検疫システムである。
とりあえず紙は廃止となる。
羽田空港での税関部分の改良
成田、羽田、関空などの主要空港の税関では電子申告が可能となっている。
Visit Japan Web内であらかじめ電子申告登録しておけば、空港税関で自動ゲートが通過できるというものだ。
が、これも問題たっぷり。
実際にやってみると、電子申告のゲートには列ができてしまい、従来の紙での申告のほうがよっぽど早いという事例が多く発生している。
関連記事：日本帰国最新事情：Visit Japan Webのファストトラックと税関QRコードで待ち時間ゼロ
問題点は２つあって、まず税関での電子申告の流れが悪いということ。
Visit Japan Webで事前登録してQRコードまで発行されているのに、税関自動ゲートに行く前に税関ゲートとは別に設置された読み取り端末でQRコードとパスポートを読みこませないといけない。
この読み取り端末の台数が少なくて、列ができてしまう。
読み取りを終えてから、税関ゲートで顔認証を受けて、ようやく通過という流れだ。しかもこのゲートの数も少ない。関空では使用されていないゲートが何台もあった。
要するに2ステップ必要なのに、それぞれのステップに対応する機器が少ない。
それに対して、紙での税関申告では、紙を担当者に渡すだけの簡単１ステップ。
そりゃあ、紙のほうが早くなるわけだ。
なんのためのデジタル化なのか。
この点について、河野大臣が改良を指示。
羽田空港の税関部分についても、３月から入管直後のエリアにキオスク端末を配置します。また、有人カウンターにはQRコード読取装置を既に増設しました。さらに端末へのアクセスをフォーク型の行列に変更します。これで紙よりも速く通過できると思います。羽田に帰国された方、実情を教えてください。
— 河野太郎 (@konotarogomame) February 10, 2023
羽田空港では、一部改良するとのこと。
これまでの手順はこうなっている。
検疫⇒入管⇒預け荷物受け取り⇒税関電子申告読み取り端末⇒税関自動ゲート
預け荷物がターンテーブルに出てくるのを待つ間に税関電子申告読み取り端末を利用してもいいのだが、ほとんど誰もそんなことをしていない。荷物を受け取ってから、みんな一斉に税関へ向かう。
この流れをよくするために、入管を出た直後のエリアにも読み取り端末を設置するということだ。
検疫⇒入管⇒税関電子申告読み取り端末⇒預け荷物受け取り⇒税関自動ゲート
という新しい流れが出来上がる。
まあ、たしかに荷物がターンテーブルに出てくるまで時間がかかる。
それまでに読み取りだけ済ませておけば、あとは自動ゲートを通過するだけでいい。
これなら時間短縮につながるはずだ。
今回の措置は羽田空港だけということ。
成田や関空がどうなっているかは不明。
これまでどおり、Visit Japan Webで電子申告登録しておいたうえで、紙の申告書も記入しておき、どちらか早く進みそうなほうをその場で選択するのがベターだと思う。
たぶん紙のほうが早いとは思うが。
日本のデジタル化はまだまだ遠い。
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