アジアで入国規制解除の動きが一気に加速している。
シンガポールが完全開国を発表、インドは臨時措置を解除する。
一方、日本の動きは遅い。
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シンガポール完全開国
シンガポール政府は、エンデミックを宣言し、季節性インフルエンザと同じ扱いとする。
2月13日には、関連規制を撤廃する。
入国規制も解除し、ワクチン未接種者でも陰性証明書の提示なしの入国が可能となり、医療保険加入要件もなくなる。つまりはパンデミック前の状態に戻る。
シンガポールは完全開国する。
公共交通機関でのマスク着用義務も解除する。ただし、病院など患者がいる空間はマスク着用義務を継続する。
エンデミック宣言により4月からは検査費用などの公費負担はなくなる。
インド入国陰性証明書に
インド政府は、2月13日より入国時の陰性証明書の提示義務を撤廃すると発表した。
中国、日本、シンガポール、香港、韓国、タイからの入国者にのみ陰性証明書提示義務を課しているが、これを廃止する。
理由は、世界的に感染者が大幅減少しているためとしている。
ただ、すべての入国者の2%を対象とするランダム検査は継続。
インドは昨年のうちに陰性証明書不要としていたが、中国の感染拡大を警戒して、今年1月1日から中国やタイや日本からの入国にかぎり臨時の陰性証明書取得義務を課していた。
つまり、インド人がインドからタイや日本へ旅行する際には帰国前に陰性証明書を取得しなければいけなくなった。
突然の決定により、インドからタイへの旅行者を延期したりキャンセルする人が増えたという話だ。
TAT(タイ国政府観光庁)の発表によれば、2022年にタイを訪れたインド人観光客は約100万人。
マレーシア人に続いて2番目の多さで、空路入国では最多だった。
2023年のインド人観光客は140万人になるとの予測。
インド人観光客のタイ滞在日数は平均7.23泊で、一人当たりの費用は平均35,240バーツ。
昨年のタイの観光産業はインド人旅行者に支えられていたといっても過言ではないほどだった。
パタヤでは右を向いても左を向いてもインド人だらけという状況だった。
今年始めからはインド人観光客が減少したように見えたが、陰性証明書不要化により、また復活してくるだろう。
そして、中国は2月6日にタイへの団体ツアー旅行を再開させた。すでに中国人団体ツアー客はパタヤに戻ってきた。
これからのパタヤは、中国人とインド人だらけとなっていきそうだ。
日本のマスク着用は個人の判断に
日本では、「マスク着用の考え方の見直し等について」が決定された。
3月13日より、マスク着用は個人の判断に委ねることになった。
ほぼ全員着席可能な新幹線や高速バス内はマスク不要だが、混雑時の電車内などは着用を推奨するとしている。また医療機関や高齢者施設への訪問時も推奨。
症状がある人や陽性者は外出を控えるのが原則だが、やむを得ず外出する際はマスク着用を求める。
飛行機でのマスク着用はどうなるのか。
現在、日系航空会社では機内でのマスク着用が求められている。
国土交通省の発表によれば、電車やバス以外の公共交通機関(飛行機、タクシー、船)は、マスク着用推奨の対象外となるとのことだ。
どうやら3月13日からは日系航空会社でも機内マスク着用は不要となりそう。あくまで航空会社が決めることだが。
マスク着用の個人の判断化まではあと1ヶ月もある。
シンガポールでは2月9日に発表して、2月13日開始である。パンデミック終息を宣言から実行まで4日。
日本はマスク着用個人の判断化まで発表から1ヶ月以上もかかる。
日本の水際措置
厚生労働省の発表によれば、日本の空港検疫の結果は、2月9日は9人が陽性、うち中国からが7人で全員無症状だった。
2月3日から2月9日の入国時検査総数は9,067人で、うち陽性29人。
陽性率は0.3%。
ざっくりいえば1000人検査して陽性は3人だ。
陽性率はどんどん下がってきている。
政府からの正式発表はまだないが、2月中には、中国本土・マカオからの直行便到着者への全員検査は廃止し、ランダム検査に切り替える方針だという。
陰性証明書の提示義務は継続する方針とのことだ。
日本の水際措置の撤廃がいつになるかはまだ何もわからない。
現時点では、ワクチン接種証明書あるいは陰性証明書がないと日本入国はできない。
シンガポールは2月13日に水際措置を撤廃し、完全開国する。インドも規制を撤廃だ。
タイは昨年10月に完全開国済みで、証明書不要で入国できる。
中国は今年1月8日に突然開国したが、入国時には陰性証明書の提示が必須のままだ。完全開国とは言い難い。
シンガポールとインドに完全開国により、アジアでワクチン接種証明書あるいは陰性証明書の提示義務が残る国は、日本と中国くらいなもの。
5月8日に5類への引き下げが決定しているが、あと3ヶ月もある。
3月13日にマスク着用不要となり、それに合わせて水際措置も解除する可能性もあるが、まだわからない。
日本の動きは、良く言えば慎重で、悪く言えば単に遅い。
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