タイ入国後の検査で陽性が確認されたイスラエル人旅行者が、バンコクの隔離ホテルから抜け出し、パタヤへ逃走し、最終的にはサムイ島で逮捕された。
ちょうどタイ入国制限が強化されたタイミングと重なり、タイ国内で大きなニュースとなっている。
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隔離ホテルから逃走した感染者
イスラエル人旅行者は、12月17日にTest & Go(隔離免除)制度でタイに到着した。
Test & Goでは、到着後にPCR検査を行い、検査結果が判明するまで、事前に予約したSHA++隔離ホテルで1泊待機する必要がある。
イスラエル人が宿泊したのがバンコクのスクンビットにあるホテル。
翌日の午後2時、イスラエル人は結果判明前に、ホテルから抜け出し、タクシーでパタヤに向かったことが判明。(報道によっては結果判明後に隔離専用ホテルへ移る前に脱走した)
エンポリアム前からタクシーに乗ったとのこと。運賃は2,500バーツ。
イスラエル人の逃走とほぼ時を同じくして、ホテルが受け取った検査結果は陽性だった。
当初はオミクロン株が疑われたが、これはのちににデルタ株での感染と判明した。
イスラエル人の逃走がわかったホテルは警察署に通報。
パタヤまで逃走してきたイスラエル人はパタヤのホテルにチェックインしようとしたが、パスポート手続きができずにホテルはチェックインを拒否。
パタヤ地元メディアの報道では、このイスラエル人がパタヤで立ち寄った場所を保健当局が追跡調査。
パタヤ内のレストランで食事をし、近くのマッサージ店でフットマッサージを受けたとのことだ。
接触者は全員検査を受けて陰性だった。マッサージ店スタッフは念の為再度検査を受ける予定。
具体的な店名などは明かされていない。
12月19日にイスラエル人は、バンコクに戻り、バンを借りてタイ南部へ向かった。
チュンポンで目撃され、その後はスラタニーのサムイ島へ渡った。
入国管理局と警察が追跡。逮捕状は発行済。
本日の午後、サムイ島に滞在しているイスラエル人を逮捕した。
まず治療のため、病院へ移送。その後、伝染病対策法違反で起訴される見込みとなっている。
最高2年の懲役and/or罰金40,000バーツが科せられる。
また、許可された場所以外に滞在した外国人に対する罪で最大5,000バーツの罰金も科せられる可能性がある。
隔離ホテルや滞在中の監視を強化
Test & Goでタイ到着すると、SHA++ホテルで一泊することになる。検査結果が判明するまでの待機であり、24時間ステイという形だ。
体験してみればわかるが、ホテルによっては、警備はそれほど厳しくない。
通常の宿泊客もホテルを利用しており、チェックインや宿泊ブロックは別になっているものの、隔離利用者でも自由にドアを開けて、他の宿泊客にまぎれて外に出ることは不可能ではない。
圧倒的大多数の旅行者はちゃんと隔離を守るが、中には不届き者もいる。実際には管理はゆるゆるなので、ちょっと部屋を出て、外の空気を吸うくらいのことはできてしまう。
とはいえ、脱走までしてしまうケースはまずない。しかも今回のイスラエル人旅行者は、検査結果が陽性。
それでいて、バンコクからパタヤ、パタヤからバンコク経由でチュンポン、スラタニー、サムイ島へ必死の逃避行。
タイ全国ニュースになり、ローカル報道では、顔写真も本名もすべて公開されてしまった。
最後は観念したのか、イスラエル大使館に連絡してから、かけつけたタイ警察によって逮捕された。
おりしも、本日12月22日からは、タイ入国制限が強化されたばかりだ。
タイランドパスのTest & Goの新規申請が一時中止された。すでにタイランドパス承認済みであれば、本日以降もそのまま入国できるが、2回目の検査はPCRで実施し、旅行者への監視を強めることになった。
Test & Goであれサンドボックスであれタイに到着した旅行者の行動責任は、受け入れたホテルが担当することになっている。
今回の事件はホテルの監視体制の不備を問われるかもしれない。
ホテルによってはゆるゆる状態だったが、これからはホテルへの指導も厳しくなっていくだろう。
また、ホテルを離れたあとも、モーチャナアプリでの旅行者の位置情報監視をしていくとのことだ。
すでにタイランドパス承認済みで、これからタイに入国する予定の人は、少し気を引き締めたほうがいいかもしれない。
まあ普通に1泊隔離をして、陰性結果を受け取ったあとで、大手を振って自由にタイ旅行をすればいいだけなのだが。
陽性結果となった場合は、加入した医療保険を使って治療を受けることになる。陰性が判明すれば、開放されるとの話だが、実際の期間はケースバイケースのようだ。
この治療から逃げるためにホテルを脱走したならば逮捕される。
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