ここ1週間ほど、ワクチンパスポートでタイ入国時の隔離検疫を免除するというニュースが増えてきた。
これまでの流れはまとめてある。
関連記事:ワクチン接種証明書でタイ入国時14日間隔離検疫不要に?
関連記事:プーケットが独自ワクチン接種で10月1日外国人観光客隔離無し受け入れ再開を目指す
ワクチン接種済みの外国人観光客は隔離無しでタイ入国できるよう政府に要望を出すという段階だ。
プーケットでは独自のワクチン接種プログラムを進め、国に先立ち島内で集団免疫を獲得して外国人観光客を呼び込む計画を立てている。
その後、特に大きな動きはまだない。
政府が本気で検討しているという報道も見られない。
ただ、Bangkok PostとThe Nationが続報というかまとめ記事を出している。
少し新しい情報も含まれているようなので取り上げてみる。
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タイ観光事業者250万人に対して優先的ワクチン接種を
The Joint Standing Committee on Commerce, Industry and Banking (JSCCIB)ー商業工業銀行合同委員会は、ワクチン接種を国のアジェンダ(行動計画)として、観光部門が7月に最初にワクチン接種するように提案した。
観光業で働く人たちは、タイ人ならびに外国人の観光客と対面し接客することが求められるため、保護が必要だ。
彼らを守ることは経済の回復に役に立つため、最優先グループに入れられるべきだとしている。
また、アセアン観光協会会長は、政府は観光関連の職種に応じてワクチン接種費用の補助金を検討すべきと述べた。
たとえばフリーのツアーガイドは観光客と濃厚接触しなければいけない最前線の労働者だが、資金力のある大企業に属しておらず、政府からの無料のワクチン接種を受ける最初のグループでなくてはならない。
ASQなどでまだ利益を上げている一部のホテルでは、ホテル側が自己負担する必要があるかもしれない。
タイスパ協会会長は、観光業界の労働者は少なくとも500万回分のワクチンが必要で、政府はタイ人労働者に全額助成金でワクチン接種をすすめるべきだとしている。
参照:https://www.bangkokpost.com/business/2062223/firms-eye-jabs-as-national-agenda
観光大臣がプーケット、パタヤなどに優先ワクチン接種を要望
これら民間部門の声を受けてのことか、タイ観光スポーツ省のピパット大臣が声明を発表した。
プラユット首相と会談し、観光業者250万人へのワクチン接種を要請する予定だと。
さらに今年第3四半期に外国人観光客が戻ってこられるようにワクチンパスポート措置を推進する。
ホテルスタッフ、レストランスタッフ、ツアー運転手、スパスタッフなど、観光業に携わるハイリスクグループの250万人がワクチン接種の対象となる。
ワクチン接種は2回必要なので、合計500万回分のワクチンを求める。
チョンブリ、バンコク、チェンマイ、プーケット、クラビ、スラタニー、ソンクラーの主要観光都市を焦点に絞る。
タイ観光再開計画では、2021年後半からの外国人観光客受け入れ再開を目指すということだ。
参照:https://www.nationthailand.com/news/30402290
2月5日付けの記事で、これから首相と会談して要望を出すという段階で止まっており、実際にどこまで話が進んでいるかは不明。
ワクチンパスポートとプーケットファーストオクトーバー計画
Nationの報道では、TAT(タイ政府観光庁)のワクチンパスポート計画とプーケットのプーケットファーストオクトーバー計画についてもまとめてある。
これはすでに知られている内容だ。
TATでは、今年後半から外国人観光客受け入れを再開し、500万から1000万人が目標としている。
外国人観光客誘致のためワクチンパスポートの許可を政府に求める。
アセアン諸国と協議し、同じ基準の下で同一のビザを発給し、お互いに隔離無しで往来できるようにしたい。
エミレーツ航空やカタール航空など中東の航空会社やホテルや旅行会社と協力して、オールインクルーシブ旅行パッケージを3月か4月に売り出し、今年の第3四半期に外国人観光客をタイに招き入れたい。
プーケットではプーケットファーストオクトーバー計画を提案。
プーケットの人口の70%が9月1日までにワクチン接種を済ませ、集団免疫を獲得するであろう10月1日には隔離無しで外国人観光客がプーケットに入ってこられるようにするという計画だ。
プーケットの民間部門では、すでに民間病院からワクチン購入の交渉を進めている。
政府が承認すれば、4月のソンクラーン前にはシノバック製のワクチンを最初に打ち始める。それから、計画通りに民間部門への接種を徐々に進めていくとしている。
政府の助成金はあてにせずに、自分たちで費用を払うことに多くの観光業者は同意しているという。
自分たちの将来のために、自分自身に投資しなければいけないと。
まとめ
基本構想はシンプル。
観光業に携わるタイ国内の人たちに先にワクチンを接種して、安全と安心を確保。
次に、ワクチン接種済みの外国人の隔離無し入国を認める。
観光大臣としては、プーケットやパタヤなどの観光業に対して国の政策としてワクチン接種を優先させたいと考えている。
でも、それでは時間がかかるからと、プーケットでは独自のワクチン接種計画を進めようとしている。
パタヤやバンコクでも独自のワクチン接種計画は以前から出されている。
国ではなく、市や都の予算をさいてワクチンを購入しようというものだ。
現状ではここまで。
実際には、すべて検討段階に過ぎない。
民間セクターや県や観光大臣やTATからの要望が政府に出されるというレベルにとどまっている。
プーケットやパタヤの計画にしても政府による正式許可やガイドラインが決まらないと実際に動くことはできない。
今年第3四半期、今年後半、すなわち7月からのワクチンパスポート措置での隔離無し入国が認められるかはかなり危うい状況だと思う。
それより時間的余裕のある10月1日のプーケット計画もどうなるかわからない。
プーケットの計画が承認されるならば、パタヤもオッケーとなるのか。これもわからない。
ワクチンパスポートやトラベルパスといったもので隔離無しタイ入国実現を期待している人はたくさんいる。日本だけでなく世界中にタイ旅行好きがいる。
さてどうなることか。
もうしばらくは様子見としかいいようがない。
期待半分、いや期待4分の1くらいで待つのがいいかと。
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