ラオスのビエンチャンに行ってきた。
2022年からの2年間で、ラオスへは何度か通っている。
訪問するたびにラオスの通貨であるキープは下がっている。キープの暴落が止まらない。
日本人にとっては大円安時代だが、それ以上にキープは暴落している。ついでに日本とは比べ物にならないほどインフレもしているが。
2024年7月のビエンチャンのキープ暴落と物価事情をレポート。
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ビエンチャンでキープに両替
タイのウドンタニーから国際バスでビエンチャンのセントラルバスターミナルに到着。通称タラートサオバスターミナルだ。
ラオスで両替するには、大前提として、先にタイバーツを手に入れておくのがベター。
日本円からも直接両替できるけれど、レートがいいのはタイバーツからだ。また、ビエンチャンをはじめラオス国内ではタイバーツがそのまま使うことができる。
その点でもタイバーツを先に入手しておくことを推奨。
円安で円からバーツへのレートが1万円=2200バーツ程度にまで下がってきたが、それでもキープに再両替すれば、ラオスでの支払いがより有利になる。ラオス渡航前にタイ国内のレートがいい両替所やクレジットカードのキャッシングなどでバーツを手に入れておこう。
ラオスではあまりのキープ暴落と闇両替の跋扈のため、民間の両替所は基本的に制限されている。以前はレートのいい民間両替所が堂々と営業していたが、現在はやっていない。銀行系の両替所のみが表立って営業しているのみ。
バスターミナルの前にあるタラートサオショッピングモール内へ入る。
1階にはPhongsavanh Bank(ポンサワン銀行)の両替所がある。
7月上旬、ポンサワン銀行のレートは、1バーツ=709キープの提示だった。
なんとまあ、1バーツが700キープ超えだよ。1000バーツ両替すれば、70万キープになる。
ちなみに、この日の公定レートは、1バーツ=605キープだった。
そして、タラートサオの2階に上がる。
ここには金行がたくさんあって、店によっては外貨両替もしてくれる。表向きには両替すると謳っておらず、両替できるかどうかは店次第。
数軒回ってレートが良さそうな店を見つけた。
提示レートは、1バーツ=725キープ
ポンサワン銀行よりもいい。
この店は日本円の両替もオッケーと言われた。むろんドルでもいい。
1000バーツを両替して、725,000キープになった。
もう単位が大きすぎて何が何やら。
キープを基準に為替レートを変換すると、1万キープ=13.7バーツとなる。
1000キープ=1.37バーツ
パンデミック前は、1バーツ=250キープあたりが多かったように思う。
街中での買い物では、1万キープが40バーツで計算されていた。ときには1万キープ=50バーツのこともあった。
現在は、1バーツ=725キープ、1万キープ=13.7バーツ。
ラオスキープは3分の1にまで下落したことになる。まさに大暴落だ。
日本円が1ドル=100円から160円になったと騒ぐどころではない。
ビエンチャンでは、金行や銀行での両替のほか、ホテル・ゲストハウスのレセプションで両替ができる。
まあこれも闇両替なんだろうけど、顧客サービスの一環ということで。
ここでは、このレート。
1ドル=23,000キープ
1バーツ=660キープ
公定レートよりはよほどいいけれど、金行レートよりは悪い。
ざっくり比較
公定レート:1バーツ=605キープ
ホテル両替:1バーツ=660キープ
銀行両替:1バーツ=709キープ
金行両替:1バーツ=725キープ
が、ラオスのインフレ率も高く、数年前と比較するとものの価格が2倍以上になっていたりする。
特に外国人向けの施設では平気で2,3倍になっている。
ビエンチャン街中でのバーツ払いレート
ラオス国内の買い物では、タイバーツでそのまま支払うことができる。
換算レートは、店が自由に設定する。
キープ暴落前は、概ねレートは固定されていた。1万キープ=40バーツの換算だ。1バーツ=250キープで計算していた。
タイ系列のビッグCでは、レジが自動計算してくれる。
1バーツが650キープほど。
フライドチキンチェーン店では、1バーツを600キープと計算していた。
おおむね公定レートかそれよりちょっといいくらいのレートで換算しているようだ。
店によっては、1バーツ=666キープ、つまり1万キープ=15バーツで計算している。
ここ最近タイのSNSでも取り上げられているが、このレート設定問題だ。
本来のレートでは、1バーツ=700キープで換算するのが相場となるのだが、はるかに低いレートに設定する店があるという。
なんと、1バーツ=300キープという設定だ。
なんでもラオス経済を救うためにわざとそういう設定にしているのだというう。
いくらなんでも相場の半分以下のレートはひどいとタイ人がSNS投稿していた。
タイの観光客はラオス当局に対して問題解決に取り組むよう要請したという。
ざっくりと、1万キープ=15バーツでの換算であれば問題ないように思う。銀行での両替レートよりは少し悪いが、手間を考えるとそんなものだろう。
トゥクトゥクドライバーは、1万キープ=20バーツという設定が多い気がする。
30分ほどトゥクトゥクチャーターして10万キープで200バーツといった具合。
中には15万キープを200バーツに設定するドライバーもいた。
もともとビエンチャンのトゥクトゥクはぼったり気味だ。交渉が面倒くさい。
目的地が決まっているならば、配車アプリのLocaなどを利用するのがベター。ただし、Locaの価格設定も値上げしているけれど。バーツにすると、タイ国内のGrabやBoltと大差はない。
ラオスキープの値動きが激しいため、なかなかついていけない。単位も大きくてややこしい。
慣れていない人は、バーツとキープと円でごっちゃになりがち。
最初にうちは、キープ払いにせよ、バーツ払いにせよ、慎重に計算するようにしましょう。
ラオス・ビエンチャンの物価
さて、ビエンチャン市内のものの価格を見てみる。
物価調査だ。
実勢レートで1バーツ=700キープとする。
1万キープ=14.3キープだが、計算が面倒なので1万キープ=15バーツとする。
(公定レート計算する場合は、1バーツ=600キープ、1万キープ=17バーツと考える)
わかりやすいように、タイ系列のビッグCミニ(コンビニ)での価格を見る。タイでの販売価格は参考までに(うろ覚えなので間違っている可能性あり)。
ペットボトルの水:4,000キープ 6バーツ(タイでは7バーツ)
グラティンデーン:10,500キープ 15.7バーツ(タイでは12バーツ)
缶コーラ:9,000キープ 13.5バーツ(タイ国内では14バーツ)
味の素缶コーヒー:14,000キープ 21バーツ(タイ国内では17バーツ)
Beer Lao(スモール缶):13,500キープ 20バーツ(タイ国内ではビールは39バーツ)
はなみ:20,000キープ 30バーツ(タイ国内では20バーツ)
ポテトチップス:16,500キープ 25バーツ(タイ国内では22バーツ)
ポッキー:18,000キープ 27バーツ(タイ国内では20バーツ)
コンビニでは多くの商品を輸入に頼っているため、安いのはラオス産ビールと水くらいなもの。
ビールはとにかく安い。
そして、タバコはもっと安い。
ラオス産のタバコは、一箱5000とか1万キープで売っている。8バーツから15バーツだ。タイでは安いもので70バーツ。
外国産タバコも安くて、マールボロライトの紙パックならば2万キープ、30バーツで買える。
バスターミナル近くにある売店では、1カートンが14万キープだった。バーツ払いでは200バーツ。タラートサオの金行での両替レートどおりの換算だ。なんと1箱20バーツ。
ビッグCで売られているマールボロライトのボックスタイプ(正規輸入品のはず)が37,500キープ。
ドル建てとバーツ建てと価格が表示される。1.79ドル、58バーツ。
1万キープが15.4バーツの計算となっている。
60バーツ出すと、お釣りが1500キープだった。
KFCならぬYKJというローカル系フライトチキン屋のバーガーセット。
76,000キープ。
バーツで払うというと、電卓を持ち出して計算しはじめた。
140バーツ払うと、お釣りが8,000キープだった。
実勢レートだと、1バーツ=700キープなので、114バーツとなる。
ここでは、1バーツ=600キープで換算しており、140バーツ払うと84,000キープとなり、お釣りが8,000キープというわけだ。
なんだかややこしい。
基本的にバーツ払いはどこでもオッケーだが、レート換算はやや悪めだ。
レートのいい金行などでバーツからキープに両替しておき、キープ払いにするのがベター。
ちなみに、チキンバーガーのセットはこんな感じ。
これで114バーツ。味はけっこうよかったけれど、決して安くはないかな。タイのKFCと同じくらいの価格設定。ラオスの物価が激安なんてことはない。
ただ、ローカルのカオジー(バインミー)は安い。
バスターミナル前でたくさん売っているカオジーは、1個8,000キープだ。
実勢レートで12バーツ。
これは激安。
ちなみに1万キープ札で払うと、お釣りはくれなかった。なんでやねんと抗議したが無駄だった。きっちり払いましょう。
市場で売られている弁当が15,000キープ。23バーツ。
タイでもローカル向けの小さな弁当は20バーツとか30バーツで売られているため、特にラオスが安いわけではない。
値段表は、13,000キープを15,000キープに修正したばかりのようだ。
キープ暴落が激しく、インフレも激しいため、頻繁に値上げが実施されている。
パンデミック前は、ビエンチャンの食堂でカオパットが15000キープか20000キープくらいだったように覚えている。外国人も利用するような店だ。当時のレートだと、60バーツから80バーツくらい。タイでは50バーツほどなので、ラオスの食事はタイよりちょっと割高感があった。
現在は、カオパットが3万から4万キープ。45バーツから60バーツほど。現在のタイの物価とほぼ変わらない。
観光客も来るようなカフェでは、アイスエスプレッソが35,000キープ。53バーツ。
これもタイと変わらない。
エアコンが効くカフェでは4万キープ、60バーツ。これまたタイと変わらない。
コーヒーの味はタイよりも上だと思う。
まとめ
というわけで、ラオスで圧倒的に安いのは、地元ビールとタバコとローカルサンドイッチということになる。
気になる大人の遊興費だが、これはインフレ中。しかも、外国人が訪れるような店では、バーツを基準に価格設定してあるため、バーツ建てだとキープ暴落前とほぼ変わらない。
パンデミック前は30万キープ=1200バーツの設定だった店は、80万キープに値上げした。でもバーツ払いにすると変わらず1200バーツという具合。
ローカルの15万キープ設定だった店は、40万キープ程度に値上げしており、これまた600バーツとなり、昔のまま。
まあ、金行で両替しておけば、レート的にちょっと得になることが多いかなと。わずかなレベルだけど。
酒とタバコとバインミーが好きな人は、ラオスがいい。
コーヒー好きにもラオスはいい。
キープの価値は対バーツでは3分の1に下落した。
円安の今でも、ラオスへ行けば、一部の分野では大変お安く楽しむことがでできる。
キープの暴落はまだまだ止まっていないため、さらにお得になっていくかもしれない。
と同時にラオスのインフレも止まっていないため、タイミングを逃すと物価高騰にぶち当たって、お得感がなくなる。
訪問するたびにキープ表示の価格は値上げされている。
ラオスへ行くならばお早めに。
そして両替したキープは必ずラオス国内で使い切るようにしましょう。
ラオスを一歩出ると基本的に紙くず同然で、タイバーツへの両替も厳しいほどだ。
ビエンチャンの金行でバーツからキープへ両替して、ビエンチャンで使い切ること。
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