日本一時帰国時に本屋でたまたま見かけた本を紹介したい。
新書コーナーに平積みにされていた。
タイトルは、『射精道』
いや、これは目立つ。
思わず目線が吸い込まれてしまった。
帯に書かれた惹句は、「射精は一日にしてならず」
柔の道は一日にしてならずぢゃ、という猪熊滋悟郎の声が聞こえてきそうだ。
出版元は光文社だし、たぶんおちゃらけた内容ではないはず。
著者は今井伸。泌尿器科の専門医とのこと。
タイトルと売り文句に心奪われた。
うーん、買っちゃう。
で、タイへ向かうフライト機内なんかで読む。
本屋のブックカバーはしたままでね。さすがにタイトルがバレるとちょっと恥ずかしい。
タイトルと売り文句とは裏腹に、中身はまとも。
泌尿器科医が真摯かつユーモラスに、射精に至る道を説いている。
目次
第1章 なぜ今、「射精道」が必要なのか
第2章 射精道――思春期編
第3章 射精道――青年期編
第4章 射精道――妊活編
第5章 射精道――中高年編
第6章 射精道――射精障害克服編
第7章 性教育の黒歴史とオナニー受難の日々
第8章 医学的に正しい陰茎のメンテナンス――包茎から病気の見分け方まで
第9章 女性と射精道――射精道は男子だけのものにあらず
修行の道は険しいが、今からこの本を読もうという人は、おそらく中高年層が多いはずだ。
思春期や青年期はとうに過ぎている。正直、このあたりの内容はスキップしてもいいかもしれない。
ただ、第3章のうち、医学的に正しいサオのメンテナンスに関する内容は熟読を。
野球のバッターが素振りを欠かさないように、剣士が常に刀の手入れを怠らないように、射精道においてはサオの日々の鍛錬が必須なのだ。
中高年層にとっては、第5章の中高年編から俄然面白くて、身につまされる内容となっていく。
「中高年の射精道」の12か条は必読である。
肝に銘じるべし。
第6章の射精障害克服編も重要だ。
日本での特定のパートナーとの交わりだけでなく、タイでの夜遊びでも役に立ちそうな内容となっている。
同じ人間である。
お互いに気持ちの良いクライマックスを迎えるには、ちゃんとした順序とコミュニケーションが大切だ。
射精道というのは果てることと見つけたり
果てしなき鍛錬の果てに果てを見つけるのである。
日々これ修行なり。
タイでの夜遊びで、いざ、という時に役に立たぬのではあまりにも切ない。
サオの鍛錬を怠ってはならないのだ。
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…まあ、最後の最後にはドーピングという禁断の果実もあるわけだけど。
それは射精道には反するよなあと。
日々の修行で克己せよ。