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千夜一夜ライブラリー

マイルハイクラブに入会希望 『機上の奇人たち』

投稿日:

海外旅行好きとして、これまで数多くのフライトを利用してきた。
機材トラブルや機内での少々迷惑な隣の乗客に遭遇することもある。
乗客の誰しもが味わうことだろう。
でも、一番多くのフライトを体験し、トラブルの最前列に立たされるのがフライトアテンダントである。
そんなフライトアテンダントによる機上の奇人たちを集めた本がおもしろかった。ちょっと古い本だが、今読んでも充分楽しめると思う。

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機上の奇人たち

『機上の奇人たち フライトアテンダント爆笑告白記』
エリオット・ヘスター著

原著は、2001年アメリカで刊行。
日本語の翻訳本は2002年11月の発行。

手持ちの本は2010年2月の第15刷。
この手の翻訳本としてはかなりの頻度で増刷されている。
まあ2010年に購入して、2023年の今頃になってからようやく読んだわけだが。もっと早く読めばよかった。

著者のヘスターは、某アメリカ系航空会社でフライトアテンダントで働く黒人男性だそうな。
フライト業務の中で遭遇した変な客、変な同僚、変なパイロットのエピソードを軽妙で洒脱なタッチで描いている。
読み進めていくとまわりくどい表現が徐々に気になってくるものの、単純に読み物として楽しめる。

まあ、奇人たちのオンパレードである。
シモネタ多め。
機内で尿を撒き散らす人、吐く人、臭い人、などなど。
勤務中に欲情するフライトアテンダントの同僚やらも登場。パイロットの変態ぶりも楽しめる。

個人的に経験したことがあるのは、吐く人。
2010年頃だったか、バンコクへ向かうタイ国際航空に搭乗。同行の友人と一緒に最前列のバルクヘッド席に座っていた。スワンナプーム空港に到着したらパタヤへ直行する予定だ。気持ちはすでにパタヤに飛んでいる。このわくわく感がたまらない。
バルクヘッドの席のすぐ前がトイレになっている。
機内食の提供が終わり、トイレに行く人がすぐ並んでいる。混雑していて6,7人待ちだ。
その中のひとりの女性が口を押させて苦しそうにしている。
ちょっとやばそうな雰囲気だ。次の瞬間、嗚咽が聞こえた。女性は口を手のひらで押さえているが、その隙間から盛大に吐瀉物が噴射された。
10年以上経った今でもその光景が忘れられない。指の間からどばどばとゲロ。
食べたばかりで消化しきれていない機内食の残骸が、床一面に広がる。バルクヘッド席の足元にも飛んできた。わたしの靴にも一部破片が付着した。
最悪だ。
すえた匂いもあたり一面に広がる。
フライトアテンダントがやってきて、簡易的な清掃はしてくれた。
香水のようなスプレーをふりかける。
でも大掛かりな清掃ではない。匂いはたっぷり残ったままだ。
フライトアテンダントにもっと匂いを消してほしいとお願いしたが、どうやら無理っぽい。
いや、ここに座り続けるのも無理。我慢できるレベルではなかった。
せっかくの足元が広いバルクヘッド席だが移動してくれるようフライトアテンダントにお願いした。
機内はほぼ満席だったが、予備にとっておいたであろう最後列が丸々空席だった。友人と二人で最後列に移動させてもらえた。これで匂いとは決別できた。
気分が悪くなって吐くのはしょうがないけれど、せめてエチケット袋を使ってほしい。

他にも細かいトラブルや変な隣の乗客には多く遭遇している。
靴を脱いで裸足になる人がいて、その足がすごく臭かったこととかね。
『機上の奇人たち』に書いてあったことが、著者の勤務する航空会社では機内ルールとして乗客が裸足になることを禁じているらしい。クレームとして多いんだろうね。今でもそのルールがあるかは知らないけれど、これはぜひとも禁止を続けてほしい。

臭いといえば、あまりにも悪臭を放つ乗客がいて、その乗客を一度機内から降ろして、空港内でシャワーを浴びさせるために出発が遅れたこともあったそうだ。
こういったエピソードが目白押しなのが『機上の奇人たち』だ。
フライト好きならば、すごく楽しめる本である。

マイル・ハイ・クラブ

そして、個人的にも一番興味深く読めたのが最終章の「マ、マ、マ、マ、マイル・ハイ・クラブ」と題したもの。

マイル・ハイ・クラブとはなにか?
フライト中の機内で男女が営みをすることで、それを達成した人がマイル・ハイ・クラブに入会できるという。
機内のトイレに男女二人で入室して、しばらく出てこない。マイル・ハイ・クラブへようこそとなるわけだ。
多目的トイレ野郎もびっくりの上空1万メートルのスカイハイトイレ利用法である。
天国に一番近い場所での昇天かもしれない。
営みの場はトイレ内だけではない。座席でおっぱじめる人もいるそうだ。こんなことをするのはファランだろうと思いきや、大阪発サンフランシスコ行きのフライトで日本人カップルもマイルハイしていたそうだ。
やるなあ。

ぜひともマイルハイクラブに入会したいところだが、見つかれば、罪に問われる可能性あり。
せっかく機内で昇天したのに、目的地で降機したところで御用となるかもしれない。
マイルハイクラブ入会の敷居は高い。でも入ってみたい。

まとめ

文春文庫はすでに品切れ。おそらく絶版。でも古書でなら安価で購入可能だ。

シモネタ系とマイルハイクラブについて紹介してけれど、フライトアテンダントをもっとも悩ませるであろう理不尽な乗客によるクレームについての記述も多い。
クレーマーは洋の東西を問わずに存在する。
ファランクレーマーも相当なものだと思い知らさせる。

原著の発行は2001年だが、内容的には今でも充分通用する。
9.11以降安全基準が強化されたが、迷惑客がいなくなったわけではない。
まあ、でも、この本は肩肘張って読むようなタイプではなく、フライト中に笑いながら読み流すくらいがちょうどいい。
一番の奇人は自分自身かもしれないという問いは忘れずにいたいけどね。

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