まだ詳細が決定していないタイのスペシャルツーリストビザ(STV)について、新しいニュースが一つ。
また、タイ空港公社が発表したフライトの見通しについても少し触れる。
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タイ入国時の隔離期間が一週間に短縮?
現在、タイ入国時には14日間の隔離検疫が必要となっている。
外国人はASQとよばれる指定ホテルで、実際には15泊の隔離生活を送ることになる。
関連記事:タイ入国時の隔離検疫、ASQホテル情報。69施設、8248部屋に。
10月からはスペシャルツーリストビザでの外国人入国再開が予定されており、この場合でも、14日間隔離は必須だ。
隔離期間の短縮案について、タイ観光スポーツ省ピパット大臣がコメントを発表した。
10月からスペシャルツーリストビザでタイに入国する外国人観光客の最初のグループに感染者が出なければ、11月中旬から14日間の隔離検疫期間を7日間に短縮できるようになるかもしれないと。
STVで最初に入国する外国人は300人で、10月15日と10月21日の隔離検疫が終了する。その際に陽性反応が出ることなく検疫を終えることができれば、週あたりの観光客数の増加を提案するとのこと。
週に300人の観光客では、サプライチェーンも含めて観光業界を支えるには十分ではない。観光客の入国を増やす必要がある。
観光客の受け入れ増加は、それに見合うだけの検査と医療の体制が整っていないといけない。
プーケットでは、1日あたり最大1000回の検査が提供可能。
そのための医療従事者の拡充も必要。
STVプランがスムーズに進行するならば、11月中旬からの隔離期間短縮を検討するという。
もしも、300人のグループのうち5つの感染症例が見つかった場合でも、観光客受け入れプランは進行させる。ただし、状況に対処するため、別の新しいプランを立てることになる。
参照:https://www.bangkokpost.com/business/1991191/shorter-quarantine-if-tourist-test-succeeds
タイの外国人観光客早期受け入れ再開をずっと提唱してきたピパット大臣の声明だ。
ただ、新しいプランを提唱するたびに、様々な事情から後退と変更と頓挫を繰り返してきた経緯がある。
もし本当に7日間に隔離期間が短縮されるならば、これは大きな進展だ。
15日はさすがに長過ぎるとしても、1週間ならなんとか耐えられるという人も多いはず。期間が短くなれば、それだけ宿泊代も安くなる。
数ヶ月単位の長期滞在とまではいかなくても、1ヶ月程度の中期滞在もしやすくなる。
ASQホテルの部屋数にも余裕が出て、タイ入国のハードルが下がるだろう。
まあ、それでも短期旅行者には厳しすぎるハードルに変わりはないが。
状況を見ながら、徐々に制限を緩めていくしか方法はないだろうし、隔離期間短縮の提案はその第1歩。
ただし、あくまでも提案段階。
また決まったわけではない。
STVについては、来週のCCSA本会議ならびに閣議において、詳細が決定される見込みとなっている。
詳細については来週の発表まで待っておくべき。
10月15日に最初の入国者の隔離が終了するとあるので、10月1日に入国することになる。
が、すでに25日だ。
あと1週間でビザの発給を済ませ、チャーター便を手配して、ASQホテルを確保し、事前PCR検査を受けて、10万ドル以上の保険に加入する必要がある。
さすがに無理があると思う。
2022年3月までフライトは通常状態に戻らない
AOT(タイ空港公社)の社長が、取締役会のあとで声明を発表。
2022年3月31日まで、AOTが管理する空港における、航空会社やテナントの施設使用料金を50%割引とする。
6社の航空会社に関しては、支払いそのものの延期を認める救済措置を取る。
ワクチンが、2021年4月から11月までの期間に幅広く世界に供給されるようになると期待できない。
2021年の冬季フライトスケジュール(2021年10月から2022年3月まで)が通常の状態に戻ることはないだろうと。
なぜなら、一般的に航空会社は、2021年4月頃に冬季運行計画を決定するものだからだ。
そのため、AOTは、航空会社やテナントなどへ料金50%引きを実行する。
国際線だけでなく国内線にも適用される。
参照:https://www.nationthailand.com/business/30395113
フライトは2022年3月まで通常には戻らない!
最初にニュース記事を一読した際は、タイは国際線旅客便の到着が禁止されているし、施設使用料金の割引措置は来年の3月までは当然だよなあと思いこんでしまった。
が、よくよく読み見返すと2022年3月とあるではないか。、
このような予測はすでに数ヶ月前から為されてはいた。
ワクチンが広く供給されないかぎり、フライトが戻ることはないとはわかっていた。
でも、現実に、空港使用料の半額ないし支払い延期といった救済措置が実施されるとなると、いよいよ現実味が帯びてくる。
ノックスクートなどはすでに会社を精算しており、もはやフライトはない。
タイ航空は実質倒産状態にあり、会社更生手続きの真っ最中だ。
他の航空会社もどうなるかわからない。
かりにワクチンが供給されはじめても、パンデミック以前と同じ状態にすぐに戻れるはずもない。
フライトが自由化されても、検査体制は厳しいだろうし制限も多いはずだ。以前と同じような低価格と気軽さで搭乗できることはないに違いない。
いろんな意味で元通りになるのは数年かかりそうだ。いやもう元には戻らないかもしれない。
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