7月24日にタイ・カンボジア国境付近にて両軍による軍事衝突が発生し、現在も続いている。
25日にはタイの国境付近のエリアでは戒厳令が発出された。
日本の外務省からは日本人に対して、タイ・カンボジア国境エリアへの渡航中止勧告が出ている。
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カンボジア国境付近における軍事衝突に伴う注意喚起
在タイ日本国大使館より、カンボジア国境付近における軍事衝突に伴う注意喚起の第6報が出された。7月26日付け。
1 本年7月24日にタイ・カンボジア両軍が本格的な戦闘に突入して以降、現在も両軍による兵器を用いた攻撃が行われています。
2 現在、シーサケート県、スリン県、ブリラム県、ウボンラチャタニ県のカンボジア国境から少なくとも40km以内については、日本政府による邦人向けの海外安全情報の危険レベルは3に引き上げられていますが、報道によれば、7月26日、トラート県の国境地帯でも両軍の衝突が発生した模様です。
3 また、報道によれば、7月25日、タイ軍はチャンタブリー県及びトラート県の一部地域に戒厳令を発出したことを発表しました。戒厳令下では、治安維持のため様々な規制措置が執られる可能性がありますので、最新の治安情報を入手し、自らの安全確保に努めてください。
4 これら国境に近い地域では、今後も不測の事態が発生する可能性が否定できないことから、複数の情報源から最新の情報を入手し、カンボジア国境付近には近づかないようにするなど、十分な安全対策を講じてください。
5 緊急時には、以下の在タイ日本国大使館領事部に連絡してください。
チャンタブリーとトラートの一部エリアに対して布告された戒厳令についても言及している。
トラートでも武力衝突
日本大使館からの注意喚起にあるように、26日にはトラート沿岸地域においても武力衝突が発生した。
トラートの観光地としてはチャン島が有名だ。外国人観光客も多い。
パタヤからトラートにあるチャン島行きフェリー乗り場までは車で4時間ほどの距離だ。
すぐ近くとは言えないが、遠く離れた土地とも言えない。
また、詳細は不明ながら、サケオでも武力衝突があったとのこと。
これでカンボジアと国境を接する7県のうち6県で衝突が起きている。
カンボジア軍が有する中国製ミサイルの射程距離は130km。
タイ人からは、国境地域の住人は警戒が必要との声も出ている。
ただしカンボジア側は長距離ミサイルの使用は否定している。
パタヤから最寄りのカンボジア国境検問所は、チャンタブリーのバーンパックカート国境検問所となる。
パタヤからビザランツアーに参加するとこの国境を利用するはずだ。
やはり車で4時間ほどかかる。
チャンタブリーのカンボジア国境からパタヤまでは130km以上離れており、ミサイル射程範囲外だ。
サケオのカンボジア国境とバンコクの距離は130km以上離れている。
バンコクやパタヤやプーケットなどタイ国内主要観光地はなおも安全なままだ。
ただ、カンボジア国境付近には近づかないこと。
トラートのチャン島については、現状では観光に訪れるのはあまり好ましくなさそう。
タイとカンボジアの陸路国境検問所はすべて閉鎖されている。
人道的措置として、カンボジアからタイへ帰国するタイ人およびタイからカンボジアへ帰国するタイ人に対してのみ一部開放されているという話だ。
また、タイとカンボジアの国境近くには、ラオスの国境も接しているエリアがある。
ラオスに砲撃があったとのニュースも出ている。カンボジア側はタイ軍による攻撃だと非難したが、タイ軍はそれを否定した。
真相は不明だが、こうなってくると、ラオスからカンボジアへ抜ける陸路ルートも利用しないほうがいいかもしれない。
タイ航空の一部欠航とカンボジア上空の飛行制限
陸路国境は閉鎖されたが、タイとカンボジアの空路は依然としてこれまでどおりに開かれている。
タイからカンボジア、カンボジアからタイへ飛行機で移動することは可能だ。
タイ航空より発表があり、バンコク=プノンペン線の運航を一部変更するとのこと。
2025年7月27日から31日まで、一部の便を欠航する。
これまでは1日2便が往復していたが、1日1便とする。
TG584便とTG585便はキャンセルされる。
ただし、運航継続となるTG586とTG857便は、より多くの乗客が搭乗できるよう大型機材を使用するとのこと。
カンボジア民間航空局によれば、7月26日に一部エリア上空の飛行制限を決定し、航空会社に対して飛行経路を変更するよう指示したとのこと。
旧シェムリアップ空港とパイリン県のエリアでは、高度1200メートル以下の飛行が禁止される。
タイ軍による高高度での重火器使用が民間航空機に危険を及ぼす可能性があることを理由に上げている。
該当エリアを通過するすべての航空機は迂回する指示される。
これはフライトのキャンセルを意味するものではなく、単に経路が変更されるというものにすぎない。
変更された国際線飛行ルートには、タイからフィリピン、タイから日、中国からラオス、中国からベトナム、中国からマレーシア、中国からインドネシアなどが含まれるとのこと。
(CAATより)
カンボジアが通達した飛行ルート変更については、タイ民間航空局からも案内が出されている。
タイに出入国する航空機に影響はないとのこと。他の飛行ルートを取ることで、国際線は継続的に運航できるとしている。
まとめ
日本からタイへ、タイから日本へのフライトはこれまで通りの通常運航となる。一部飛行ルートが変更になるかもしれないが、これは決して珍しい話ではないため、心配には及ばないだろう。
また、現時点では、タイ国内の旅行は、カンボジア国境付近をのぞけば安全といえる。
事態がどう動くかはまだまだわからない。
最新の公式情報をあたるようにしましょう。
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