ラオスの通貨であるキープの下落が続いている。止まらない。
暴落開始からついには3分の1にまで下がった。
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ラオスキープの暴落
2024年5月7日時点でラオス中央銀行が設定した為替レートは、1米ドル=21,391キープ、1タイバーツ=596.90キープ。
これはいわゆる公定レートで、実勢とはかけ離れている。
商業銀行では、まったく異なるレートで両替を実施する。
5月7日時点のBCEL BANKのレート。
タイバーツ 651.47キープ
米ドル 21,253キープ
日本円 136.56キープ
正規の銀行ですら、公定レートと大きな開きがある。
ちなみに、グーグルで表示されるレートは、
1ドル=21,362キープ
1バーツ=578.16キープ
1円=137.39キープ
自国通貨の暴落という事態を受けて、ラオスでは闇両替が横行している。
以前は民間の両替所が営業していたが、政府によって営業を停止させられた。街中で両替するには、認可された銀行以外では、闇両替を利用するしかない状況だ。
闇両替では、銀行よりもレートは上。
1ドル=24,000キープ以上
1バーツ=666キープ以上
とのこと。
キープの暴落が始まったのが2020年8月のこと。
それまでは、1ドル=8,868キープ、1バーツ=300キープで銀行は両替していた。
そこからキープは激しく下落していき、今では対ドルで3分の1、対バーツで2分の1となった。
一方でラオス国内ではインフレが進む。
今年3月の前年比インフレ率は24.98%、4月は24.92%。
今年4月の前月比インフレ率は1.6%。
通貨の価値が下がり、ものの価格は上昇。
ラオスの人たちは経済的困難に直面しているという。
また、キープの下落はこの先も続くと見られている。
参照:https://laotiantimes.com/2024/05/08/lao-kip-hits-record-lows-against-us-dollar-thai-baht/
ラオスの現状
パンデミックが明け切らぬ2022年から数度にわたり実際にラオスを訪れた。
たしかに、訪問するたびにキープが下落していくのを体感した。
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ラオスではバーツがそのまま使える。
パンデミック前は、1万キープ=40バーツで換算するのが一般的だった。
それが、2022年訪問時には、1万キープ=20バーツとなった。
まさに半分に下落だ。
2023年訪問時は、1万キープ=17バーツほどに下落。
そして2024年5月時点では、1バーツ=666キープ。
つまり、1万キープ=15バーツ。
2018年頃は1万キープ=50バーツで換算されることもあったので、リアルに3分の1に下落したことになる。
いや、ここまで暴落するとは。
ただし、ラオス国内、特にビエンチャンの物価は確実に上昇中だ。
訪れるたびにレストランのメニューは料金が上書きされている。
コンビニのビールやお菓子の価格もどんどん上がっていく。
また、そもそもバーツ建てで料金設定しているような外国人向けの施設では価格は変わらない。
たとえば、ラオンダオ1という有名なホテルの奥では、パンデミック前よりずっと1200バーツという料金設定だった。キープ払いだと30万キープだ。1万キープ=40バーツという換算を採用しており、30万キープ=1200バーツ。
キープが暴落しても、価格設定は1200バーツとしている。キープ払いだと60万キープとか70万キープとか言われるはずだ。
キープ払いにすれば多少はお得になるかもしれないが、さして変わらない。
国際バスなども同様だ。バーツで価格設定しており、キープ暴落に合わせて、キープ建ての運賃はどんどんと値上げされた。バーツ払いだと以前のまま。
キープが3分1に暴落しても、実際に3分1の価格で買い物ができたり遊べたりするわけではない。
それでもパンデミック前に比べると、全体的にはかなり安く済ませることができるけれど。
円安なんて目じゃないほどのキープ暴落なので。
ラオス旅行の際には、日本円からキープに両替するのではなく、一度タイ国内で円をバーツに替えてから、ラオス入国後にバーツからキープに両替するほうがいい。
いいレートで両替してもらえる。
ドルからキープへの両替でもいいかもしれない。円高だった頃にドルを購入していた人が今ラオスを訪れると、3倍から4倍のお得感がありそうだ。
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