2022年6月にラオスへ旅行した際にはラオス通貨であるキープは大暴落しており、タイバーツ基準で考えると、キープは実に半分の価値となった。
バーツで買い物すると、すべての商品が半額というありえない事態に。
さすがにそのまま放置はしないだろうと思っていた。
約10ヶ月ぶりにラオスを訪れた。
さて、ラオスの首都ビエンチャンの物価は上がっているのだろうか、いろいろチェックしてみた。
目次
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ラオスキープはいまだに暴落中
ラオスではタイバーツがそのまま支払いに使用できる。
タイからラオスへ旅行する際には手元にバーツさえあれば、現地通貨への両替すら必要なかったりする。
ホテルや大きな商店では、バーツだけでなく、アメリカドルも通用する。
ラオスキープへの信頼度は低い。これは、カンボジアでも似たような状況で、カンボジアリエルのほかアメリカドルでの支払いが一般的だ。
さて、従来、ラオスキープとタイバーツの両替レートは、1万キープ=40バーツが相場だった。
1バーツが250キープ。
たとえば、商品の値付けが2万キープならば支払いは80バーツといった具合だ。
一時期はラオスキープが上昇しており、1万キープ=50バーツで計算されることもあった。
が、徐々にラオスキープは下落しはじめて、2022年5月頃に一気に暴落した。
2022年6月には、1キープが0.0025バーツになった。
これはあくまで公定レートで、街中の実勢レートはもっと低くなっていた。
2022年6月のタラートサオショッピングモール内にある銀行の両替レート
1バーツ=487.55キープ
1円=106.54キープ
1万キープ=20バーツという計算になる。
ラオスキープはいきなり半値となってしまった。
グーグルの表示では、5年間で48.12%下落となっている。
あれから約10ヶ月。
2023年4月末、ふたたび、タラートサオショッピングモール内の両替所へ。
1バーツ=515.5キープ
1円=127.21キープ
ラオスキープは回復していない。下がったままだ。むしろさらに悪くなっている。
1万キープ=20バーツで引き続き計算することになる。
いや、正確には19.39バーツだけど、面倒なので20バーツだ。
ちなみに、円からキープへの両替で計算すると、1万キープ=78.60円
1バーツ=3.9円くらいなので、結果はほぼ同じだ。
以前は、一度円からバーツに両替してから、さらにバーツからキープに両替したほうがお得になることが多かったが、今はほぼ同じ。
直接円からキープに両替してもいいだろう。
ただし、あまったキープを円に再両替するのは面倒だし、レートは悪い。
なるべくキープは残さないようにするか、余ったキープはバーツに再両替したほうがいいと思う。
というわけで、キープ暴落からほぼ1年が経過したが、なおも暴落は継続中。
20バーツで1万キープが買える。
ラオスの物価は上昇しているのか?
では、ラオス市内の物価はどうなっているのか。
インフレが起きているのではないか。
昨年6月のビエンチャンでは、特に物価が上がっているようには感じなかった。
為替レートが半分になったので、1万キープで販売しているものが半額で購入できた。以前は40バーツだったものが20バーツだ。
国内産業がこれといってないラオスでは、日用品の多くをタイからの輸入に頼っている。
コンビニで陳列されているものの多くが、タイの製品をそのまま輸入してきたものだ。
暴落から1年近く経ち、さすがに値上がりしているだろうとは思っていた。
コンビニのお菓子とビール
昨年6月のポテチチップスの価格。
タイで10バーツのものがラオスでは4,000キープで売られていた。バーツになおすと8バーツとなる。タイで買うより安くなるという逆転現象が起きていた。
タイで20バーツの大きさの袋だと8,500キープ。17バーツ。
ちなみに、現在はタイで20バーツのポテトチップスは22バーツに値上げとなっている。
同じ商品の写真は撮り忘れたが、先日のビエンチャンのコンビニで売られているポテトチップス。
タイでは5バーツだが、ラオスでは3500キープで売られている。
バーツになおすと、7バーツだ。タイで購入するより高くなる。
タイで22バーツの袋は13,500キープ。27バーツ。これまたタイより高い。
たしかに、タイから輸入してきたお菓子やドリンク類は、キープでの価格が上昇している。
逆転現象はなくなった。
でも、思ったほどの上昇率ではなさそうだ。
ペットボトルの水は3,000キープ。6バーツ。
こちらはタイより安い。
ラオスで現地生産しているものはどうか?
ラオスの特産品ともいうべきBeer Lao(ビアラオ)。
昨年6月のBeer Laoの小缶が8000キープ、大が12,000キープ
現在は、小缶が1万キープだ。
2000キープの値上げとなっている。
16バーツだったものが4バーツ値上げされて20バーツになった形。
25%の値上げ幅だが、それでも安い。
ビアラオのダークとゴールドが12,000キープ(24バーツ)。
ビール好きにはたまらない環境だ。
ちなみに、タイの味の素の缶コーヒーであるBirdyは、1万キープ。20バーツ。
タイでは値上げされて17バーツとなっている。
というか、ビールと缶コーヒーが同じ価格ってどうなのよ。
屋台のサンドイッチ
ローカルの食堂や屋台はどうだろうか。
タラートサオバスターミナル前のカオジー(サンドイッチ)が1万キープだ。
昨年はたしかバーツ払いで30バーツだった。おそらくは8,000キープだったような記憶があるので、2000キープ値上げ。
このサンドイッチが20バーツなんだから、まだまだ安い。キープ払いのほうがお得だ。
というわけで、一部しか調査していないが、まあおおよそ20%から25%の物価上昇だと理解した。
思ったよりはインフレが起きてないような気がする。
物価が25%上昇していても、レートは半値のまま。
キープ暴落の恩恵はまだまだ受けられる。
国際バスのキープ建て払いは2倍
ビエンチャンとタイ(ウドンタニー・ノンカイ)を結ぶ国際バスは2022年6月中旬に運行再開している。
2023年4月末時点のチケット価格表
ビエンチャンからノンカイ:55バーツ、31,000キープ
ビエンチャンからウドンタニー:80バーツ、44,000キープ
パンデミック前は、ウドンタニー行きが22,000キープだった。
ラオスキープの下落率に合わせて、きっちり2倍の値上げ。
バーツ払いは80バーツで変わりなし。
夜の支払いはキープ建てで倍増
以下、わかる人だけわかる内容。
夜の人件費にかかわる支払いだ。
ラオンダオ1ホテルの中庭が営業再開している。
従来の価格が、1200バーツと2000バーツだった。これをキープ払いにすると、30万キープと50万キープ。
時間帯によっては変化するが、これが基本だった。
キープが暴落しており、もし同一価格を維持しているならば、30万キープが600バーツで済む計算だ。一気に半額。
が、再開後のラオンダオ1のキープ払いは大幅値上げとなっていた。
タイバーツ払いは基本的に変わりなし。1200バーツと2000バーツだ。それが、キープ払いにすると50万~60万、80万~100万に。
ラオンダオ1ホテルへの宿泊の有無や時間帯によって多少価格が変動するのは以前と同じ。
1200バーツをレート通りにキープにすると約60万。2000バーツが約100万キープだ。
要するに、バーツに合わせてキープ建てを大幅にアップさせたというわけだ。
まあバーツで考えると値上げなしだが。
それでも一度キープ払いに両替してから支払ったほうが少し安くなるとは思う。
トゥクトゥクドライバーに聞いたところ、ソクサイフォンも営業再開したが、同様にキープ払いは値上げとのこと。それもラオンダオよりも高いという。
ただし、ローカル系の店では従来のキープ払い水準をキープ。
空港近くの店では20万から30万キープ程度。つまり400バーツから600バーツだ。
少しは値上げしているようだが、まだまだ安い。
ラオンダオ1とソクサイフォンは外国人、特に中国人の利用が多い。
空港近くなどはローカルがメイン。
このあたりで差が出ているようだ。
ちなみにトゥクトゥクのドライバーは以前よりもさらにぼったくり度を増したように思う。リバーサイドで客待ちしているトゥクトゥクはなおさらだ。空港近くまで行って往復すると、言い値が30万キープだった。600バーツである。
Mixokホテル前のトゥクトゥクだと、ラオンダオ、ソクサイフォン、空港近くを巡回して400バーツと言われた。交渉すればさらに安くなるはず。
場所がわかっているなら、配車アプリのLocaを使うことを推奨。
まとめ
ラオスキープは暴落したまま。相変わらず対タイバーツでは半値のままだ。
インフレはそこまで起きておらず、コンビニや屋台の価格が20%から25%上昇している程度。これはタイでも同様な物価上昇が起きているため、状況は変わらないとも言える。
ラオスキープの価値は半分になったが、値上げ幅は25%程度。つまり、外国人旅行者にとってはまだまだキープ暴落の恩恵を受け続けることができる。
ただし、一部外国人向け店舗では、バーツ払いでは変わらないものの、キープ払いだと大幅値上げという状態となった。
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