広告

当サイトは広告を利用しています。リンク先を通じて当サイトに収益がもたらされることがあります。

ラオス情報

ビエンチャンが世界一何もない首都って今も本当なのか

投稿日:

誰が呼んだか名付けたか、ラオスの首都であるビエンチャンは「世界一何もない首都」ということになっている。
いやビエンチャンにはいろいろあるぞとか、逆に何もないからこそ贅沢なんだとかいう声も聞こえてくる。
とりわけ、最近になってビエンチャンを訪れる人の感想で、「世界一何もない首都なんて本当か?」という感想を聞くようになってきた。
巨大なショッピングモールもあるじゃないかと。
そう、あのビエンチャンに巨大ショッピングモールが誕生しているのだ。
昔のビエンチャンを知る者にとっては驚愕の出来事である。

広告



20世紀のラオス・ビエンチャン

わたしが初めてラオスを訪れたのは2000年のことだ。ぎりぎり20世紀に間に合った。
当時は日本人がラオスに入るにはビザの取得が必須だった。チェンマイにあるバナナゲストハウスに頼んでラオスビザを代理取得してもらった。
チェンマイからゴールデントライアングルを抜け、チェンコンから川を渡ってラオスに入国した。
その後はメコン川をボートで下り、ルアンパバーンへ。さらにバンビエンへバスで移動し、最後にビエンチャンに到着。当時からのラオス旅行の鉄板ルートをたどった。
ルアンパバーンからバンビエン、バンビエンからビエンチャンへはバスで山岳地帯を老朽化したバスでのろのろと進むしかなく、山賊に注意しろと本気で言われていたものだ。
ルアンパバーンは当時も今もそこまで大きく雰囲気は変わっていないと思う。
バンビエンは、欧米人バックパッカーというかヒッピーのたまり場だった。今のように韓国人はほとんどいなかった。

そして、ビエンチャンである。

バンビエンからのバスは山越えの途中でエンジンがストップしたり、徐行運転したりと、とにかく時間がかかり、ビエンチャンに到着した時はすでに日が暮れかけて始めていた。

ラオスの首都に初めてやって来たわけだが、その時の感想はシンプルなもの。
「暗くて何もない」

まずはゲストハウス探しから。
一国の首都の観光エリアにもかかわらず、路面は舗装されていない。
砂利や土の道ばかりだ。
車なんてほとんど走っていない。
当時からバックパッカーはそれなりに多く集まっており、ゲストハウスはたくさんあった。
ちょっと大きめの木造民家みたいなもので、ホテルと呼べるものではないが、ちゃんと泊まることができる。むろん、土足厳禁だ。土足のまま入ると、屋内が砂まみれになってしまう。
同行していてスイス人とブラジル人とでゲストハウスにチェックインして、一息つく。
日が暮れた。
すると、外は暗黒に包まれた。
夜8時にもなると、完全に真っ暗である。

これにはびっくりした。
未舗装の道、街頭のほとんどない暗い夜道、営業していない店。
これが本当に一国の首都なのかと。
日本の地方都市のそのまた外れにある田舎駅前レベルである。

2023年4月末でも、そのような路地は一部残っている。

ただ、これはパンデミックによる経済的ダメージのせいかもしれない。
2020年当時は街中がこんな感じの暗くて舗装されてない道ばかりだった。

結局、ろくに外出もできず、ゲストハウスの中にいたインド人商人やらアフリカ人やらも交えて会話して時間を過ごした。
初めてのビエンチャンの思い出はそんなもの。翌日には国境を渡り、タイのノンカイに入ってしまった。
真っ暗な夜、人のいない街、何もない首都。
ビエンチャンの第一印象は以上だ。
別に世界すべての国の首都を訪問したわけではないけれど、「ビエンチャンが世界一何もない首都」に認定しても問題ないレベルだ。
実際にビエンチャンを訪問したことある人なら実感できるはずだ。
それが今から23年前のこと。

世界一何もない首都という称号はリアルなものだ。
オーバーでもなんでもない。

次にビエンチャンを再訪したのが2012年だ。
初回から12年後。
道路が舗装されていてびっくりした。
車がそれなりに走っていて、さらにびっくり。
相変わらず夜は暗めだが、川沿いは夜8時でも明るい。
すごいぜビエンチャンと一瞬思いかけたが、やっぱり何もないことには変わらない。
タラートサオショッピングモールに入ってみたが、なんだか薄暗いし活気もないし、エレベーターは稼働していない。
21世紀が始まり10年以上経過してもこのレベル。
ダメだこりゃ。

ビエンチャンセンター

そして、2023年。
初訪問から23年後のビエンチャンである。

パンデミックを乗り越えて、現在のビエンチャンにはそれなりにモノと人が集まっている。
道はとっくの昔に全面舗装されているし、おしゃれな店も増えた。
新しいホテルもバンバン建っている。
中国・ラオス高速鉄道も開通した。

それに、巨大ショッピングモールもできている。

ビエンチャンのショッピングモールといえばタラートサオショッピングしかない時代が長く続いた。
そのタラートサオショッピングモールとサラートタオバスターミナルの並びの向こう側に何やら大きなビルを建設し始めたのはいつだったろうか。

ビエンチャンセンターという巨大ショッピングモールだ。
いちおう最初にオープンしたのは2015年3月という話だ。
でも日本人旅行者の間では大きな注目を浴びなかったと思う。
旅行者には無縁だった。
たしかに、バスターミナルにいくたびに、向こう側に見える大きな建物が気にはなっていた。
でもどうせ大したことないだろうど、スルーしてきた。
ビエンチャンには似つかわしくないとも勝手に思っていた。

2023年4月末、ウドンタニー行きの国際バスの待ち時間が長いこともあり、せっかくなので立ち寄ってみることにした。

ビエンチャンセンターの手前側にも大きなビルを建設中だ。

オフィスビルっぽい。

そして、ビエンチャンセンター。

さらにその向こう側には別のショッピングモールらしきものが建っている。

Parkson Laosというらしい。

巨大ビルが3つも並び光景はとてもビエンチャンとは思えない。
あの暗黒のビエンチャンにこんな綺麗なビルが3つもできるなんて。
中国資本のきな臭さをぷんぷん感じるが、それはそれ。
素直に感嘆する。

ビエンチャンセンターに入ってみよう。

おお、広くて綺麗だ。
タラートサオショッピングモールとの差は歴然としている。

エスカレーターが動いている。ちゃんと機能している。
これにもびっくり。
ビエンチャンでは、エスカレーターがあるだけですごいこと。さらにきちんと動いているとは。
昔のビエンチャンを知る者からすれば感動するレベルだ。

テナントはびっちり埋まっているほどではないが、想像以上に多い。
1階はもちろん、2階にも店が多い。

さらに小綺麗なフードコートもある。

ロゴマークはフードパンダにそっくりだ。

フードコート内の食べ物ブースはたくさんある。
日本料理も発見。

カツカレーが7万キープ。約140バーツ、560円。

ビエンチャンセンター最上階には、映画館まである。

MAJOR PLATINUM CINEPLEXとなっているので、たぶんタイのMAJOR系列なのだろう。
まさか、ラオスにこんなきちんとした映画館ができるなんて。

もう驚きの連続である、ビエンチャンセンターには。

ただ、全体的に客は少ない。

平日の正午過ぎだが、タイのショッピングモールならば、もっと多くの客で賑わっているはずだ。
ビエンチャンセンターはまだまだ寂しい。

いや、それでも、こんな立派なショッピングモールが本当にできてしまったことに驚嘆する。
これも時代の流れか。
ラオスの経済発展というより、中国資本の大規模流入というべきかもしれないにしても、これはすごい。
エスカレーターが動いているだけで感涙ものだったビエンチャンがここまで発展するとは。

世界一何もない首都

2000年のビエンチャンを知る者にとっては、ビエンチャンセンターの出現は本当に衝撃的であった。

それでもなおビエンチャンは「世界一何もない首都」のままかもしれない。
ビエンチャン駅も同じだが、巨大な箱物を優先的に建てただけで、内実を伴う発展とは言い切れない。
ビエンチャンの発展はまだまだ時間がかかりそうだ。
が、急速に発展する可能性もある。

ビエンチャンは発展してほしくないという意見もよくわかる。ビエンチャンには何もないことこそが魅力なのだと。
一足早く発展を遂げた国からの旅行者にとっては、何もなくのんびりしている雰囲気に惹かれるものだ。
外野による贅沢でわがままな願望でしかないが、ビエンチャンはこのままでいてほしい。
いや、できれば、ちゃんと発展もしてほしい。
のんびりした雰囲気は残しつつ、ぼちぼと発展して、世界三くらい何もない首都になってほしい。

広告

-ラオス情報

Copyright© パタヤ千夜一夜 , 2024 All Rights Reserved Powered by STINGER.