5月9日にいきなり完全開国したラオス。
それまでは鎖国状態にあったが、突然の方針転換で全面開国した。
これには経済問題が大きく絡んでいたようだ。
外貨準備高がなくなり、石油が買えず、ラオスキープは暴落。
いよいよ背に腹は代えられない状態となり開国に至ったという見方だ。
2年以上外国人観光客のいなかったラオスはどうなっているのか。
個人的にはラオスを訪れるのは3年ぶりだ。
さて、いかに。
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ラオス・ビエンチャン入国
2022年6月上旬、ラオス入国はとんでもなく簡単だった。
パスポートとワクチンパスポートを見せるだけ。
タイのウドンタニーからロットゥー、京都市バス、ソンテウを乗り継いでビエンチャンのタラートサオへ向かう。
国境からタラートサオへの道中では、車の数が減ったように見えた。
途中、いくつかガソリンスタンドがあったが、営業している店は半分くらいという印象。
あとで撮影したものだが、閉鎖されたガソリンスタンド。
営業中の店もあるが、バイクや車が長蛇の列。
ニュースでは見かけていたが、本当にそうなっている。
たまたまソンテウに乗り合わせたラオス人に話を聞く。
ガソリンはないわけではない。
でも購入するには1時間待ちは覚悟しないといけないということだ。
これはビエンチャンで顕著で、ビエンチャン郊外や地方に行けば状況はまだましらしい。
あとでサムローの運転手にも話を聞いたが、いわゆるハイオクガソリンは1リットル80バーツくらいするそうだ。タイでは45バーツほど。
タイの倍の価格となっている。
気になる両替レートについても、ソンテウで乗り合わせたラオス人に聞いてみた。
「1万キープがタイバーツでいくらになるの?」という質問。
ちょっと暗算していたようだが、答えはすぐに出た。
サオだ。
サオはラオス語・イサーン語で20のこと。タイ語ではイーシップだが、ラオス語ではサオとなる。
いや、ちょっと待て。
1万キープが20バーツだって。
信じられない。
3年前は40バーツないし50バーツだったはずだ。
思わず聞き返すと、そのラオス人も半分呆れ顔でうなづいていた。
前まではそうだったけど、今は落ちてしまったと。
タラートサオバスターミナル
ソンテウが到着したのがタラートサオと呼ばれるショッピングモール前だ。タラートサオバスターミナル前と言ってもいい。
タイ行き国際バスのチケット販売所は営業していないもよう。
運行再開は6月15日の予定だ。
驚いたのが、新しいバスターミナルができていたこと。
まだまだ建設途中だが、いちおう稼働はしている。
友好橋行きのバスもここから出発する。
時刻表
他にも中距離バスもありそうだが、よくわからない。
いかにも建設を途中で挫折しました的な雰囲気が濃厚。
観光客が本格的に戻ってくるまで、建設予算の目処が立たないのかもしれない。
驚愕の両替レート
タラートサオモール内へ。こちらは古いほうのモールだ。
1階には携帯ショップ屋が多いが、その中に両替屋が2軒ある。
おそらくレートはかなりいいはず。
1軒目
1バーツ=487.55キープ
1円=106.54キープ
2軒目
1バーツ=480キープ
1円=108.00キープ
バーツは1軒目のほうがレートがいい。
1バーツを両替すると、487キープとなる。
100バーツで48,755キープ。
1000バーツだと487,550キープだ。
単位が大きすぎて困惑する。
タイバーツに馴染んでいる人は、逆にして計算すると直感的に理解しやすい。
1万キープと言われた場合、タイバーツでいくらになるのかを頭に入れておくのだ。
1バーツ=487キープのレートを単位を増やして入れ替える。
1万キープ=20.8バーツ
うわあ、ソンテウで聞いたラオス人の話は本当だった。
実勢レートでは、1万キープ=20バーツだ。
グーグル検索による公定レートでは1バーツ=400キープほど。
1万キープが25バーツの計算となる。
実勢レートとのギャップが激しい。
自国通貨の不安定な国ではよくある話だが。
5月中旬では、1バーツが400キープだったようだ。
6月上旬では、それが487にまで上昇。
さらに遡ってみる。
これは2017年のルアンパバーンでの両替レート。
1バーツ=243キープ
1円=70キープ
5年でキープは半値となっている。
5年というか、ここ数ヶ月で一気に暴落した形だ。
現在の日本円は108.00の表示。
1万円を両替すると、1,080,000キープになる。
100万キープってなんやねん。
ざっくり1万キープが100円だ。正確には92.59円。
以前は1万円を両替すると、70万キープだった。
バーツ比ほど、円・キープは下がっていない。
1,080,000キープは、タイバーツになおすと、2,264バーツ。
6月頭時点でタイで円をバーツに両替すると1万円が2,650バーツくらいだった。
1万円⇒2,650バーツ⇒1,292,000キープ
1万円⇒直接両替⇒1,080,000キープ
やはり、先にタイでバーツ両替してから、ラオスでバーツからキープに再両替するほうが得になる。
ラオスでは街中で普通にバーツ払いが可能だが、レートはあまりよくない。
いまだに1万キープ=40バーツ換算していることが多い。
両替所でバーツからキープに両替すると1万キープ=20バーツの計算となる。
ただし両替のし過ぎには注意。
ラオス国外ではラオスキープは紙くず同然で他の通貨への両替はまず無理。
ラオス出国前にバーツに戻しておく必要がある。
ラオスは以前の半値で遊べちゃう
それにしても、キープの暴落は聞いていた以上のひどさだ。
以前は、1バーツが250キープ、1万キープが40バーツ
現在は、1バーツが487キープ、1万キープが20.8バーツ
本当に半分になっている。
円安どころの騒ぎではない。
自国の通貨の価値が半分になるのだ。
ロシアルーブルの暴落よりひどいほどだ。
でも、これって、外国人にとっては絶好のチャンス。
とりわけ普段はバーツ生活している人にとってはたまらない好条件だ。
ガソリン価格は別にして、ラオス国内の物価はさほど変わっていないように見える。
1万キープの商品は、以前は40バーツだったものが、今では20バーツで買える。
ビアラオ缶ビールは8,000キープだ。
以前なら32バーツだが、今はたったの16バーツ。
安い!
ポテチのレイは、4,000キープ。以前は16バーツ、今は8バーツ。
袋に書かれているようにタイでは10バーツで販売されているものだが、ラオスでは8バーツで買えるという逆転現象が起きてしまった。そのうち値上されそうだが。
当然ながら、遊びにも反映される。
30万キープの言い値ならば、以前は1200バーツだったものが、今では600バーツで遊べる。
50万キープなら、2000バーツのところ1200バーツ。
ガチの半額セール状態だ。
まあ、ラオスの人たちもガソリン価格高騰やキープ暴落で困っているわけで、半値だ半値だと能天気に喜ぶのはどうかとも思うが、現実としてそうなっているわけで、観光客の立場としては、素直に安くラオス旅行が楽しめると受け取るのがいいかもしれない。
ぼったくられるわけでもなく、買い叩くわけでもなく、通常通りの価格で楽しめばいいかと。
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