イスラエルとガザ地区での紛争について。
ここでは、イスラエルにおけるタイ人に関する事柄と、タイ国内でのイスラエル人旅行者ならびにイスラエルへのフライト事情に関してまとめておく。
イスラエル国内では実に3万人近くのタイ人が働いており、今回の紛争に巻き込まれた外国人としてはもっとも多い。
タイ人の死傷者と連行された数
タイ国内では連日多くのニュースが出ている。
本日10月10日時点のタイ政府からの発表では、ハマスに攻撃によるタイ人の死者は18人となった。当初は2人死亡だったが、その後、18人に増加となった。負傷者は8人。
そして、ハマスによって連行されたタイ人は11人とされている。
攻撃に巻き込まれた外国人は19カ国とされる。
アメリカ人は11人がなくなり、連行されたアメリカ人がいる可能性高い。
イギリス人は10人以上が死亡もしくは行方不明。
ネパール人は10人が死亡。
フランス人は1人が死亡し、14人が行方不明。
フィリピン人は7人が行方不明。
など。
現時点で判明している範囲では、外国人で被害が最も大きいのがタイ人ということになる。
イスラエルには約3万人のタイ人労働者がおり、そのうち5,000人が紛争地にいたということだ。
イスラエルの農場へ出稼ぎに行くタイ人はこれほど多い。
仕事のないタイ各地から業者に斡旋手数料を払い、年単位の契約でイスラエルへ出稼ぎに行っているとのこと。
ウドンタニーやブリラムなどイサーンから出稼ぎに行き、被害にあった家族の安否を心配する様子が連日報道されている。
タイ政府は、連行されたとみられるタイ人の解放のために、あらゆる外交手段を取ると表明した。
また、イスラエルからの退避を希望するタイ国民のため、輸送機の準備も進めている。
ドンムアン空港には群の輸送機を待機させている。
ただし、軍用機はイスラエルへの着陸が許可されておらず、商用フライトやチャーター便を用いることになるという。
約3,000人のタイ人が帰国を希望しており、最初のグループは木曜日に帰国予定とのこと。
タイ-イスラエル国際線
ロイターの報道によれば、大手航空会社はテルアビブ便のフライトを一斉に停止したとのこと。
アメリカのユナイテッド航空、デルタ航空、アメリカン航空は、テルアビブ行きの直行便の運航と停止した。
ヨーロッパでは、エールフランス、ルフトハンザ、フィンエアーも同様に運航停止。
アジアでは、海南航空、キャセイパシフィック、大韓航空も停止。
イスラエルのフラッグキャリアであるエルアル航空は、運航を継続中だ。
ベン・グリオン国際空港の第3ターミナルに集約しての運航となっている。
エルアル航空はタイとイスラエルを結ぶ直行便を運航している。週11便を運航。バンコクおよびプーケットとテルアビブを結ぶ。
タイからイスラエル行きのフライトはほぼ満席となっており、家族のことを心配するイスラエル人が多いため、十分な数ではない可能性がある。
なお、エルアル航空は、成田-テルアビブ路線を定期運航しており、現在も運航を継続中だ。
タイ国内のイスラエル人観光客
TAT(タイ国政府観光庁)によれば、現在、タイ国内には約1万人のイスラエル人旅行者がとどまっている。
今年1月から9月にタイを訪れたイスラエル人観光客は約19万人。
2019年は年間194,081人だったが、それに近い数に達している。
平均滞在日数は18日間。リモートワーカーも含まれている。
プーケットを訪れるイスラエル人観光客は、今年9月までで51,651人となり、2019年同時期の12,746人より大幅増加。
すでにプーケットのホテルでは、早期帰国を希望するイスラエル人旅行者からキャンセルの申し出があったという。
イスラエル行きの直行便は継続しているが、座席数が不足する可能性がある。また状況悪化のため帰国を延期する人もいる。
TATでは、タイ国内に足止めをされた観光客がいる場合は状況を注意深く監視するよう指示。一時的な滞在場所や食料の提供など、人道目的の支援をする。