混迷のタイ入国規制問題はほぼ決着した。
すべての国からの旅行者はワクチン接種証明書不要、日本からの旅行者は医療保険加入不要だ。
曖昧な部分は残るものの、これで決定といっていい。
日本からのタイ入国では、ワクチン接種証明書も医療保険加入も不要だ。パスポート一つでこれまでどおりに入国できる。
タイ民間航空局と在タイ日本大使館とタイ保健省の公式発表を見ておこう。
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タイ民間航空からの通達と日本大使館発表
今回の一連の騒動の発端となったのがCAAT(タイ民間航空局)から各航空会社へ送られた通達だった。
そのCAAT通達は何度か変更され、本日1月10日通達分が最新となる。
・ワクチン接種証明書は不要
・帰国にあたりPCR検査が必要な国からの旅行者は医療保険加入が必要
・航空会社は医療保険未加入を理由にして搭乗拒否してはいけない。
こういったことが記載されている。
で、このCAAT通達を在タイ日本大使館がお知らせとして発表している。仕事が早い。
タイ入国時規制の再度の変更について(1月10日続報)
タイ入国時規制の変更について、1月7日にお知らせしたところですが、本日(1月10日)、タイ航空当局から各航空会社に対し改めて変更通知が出されましたので、関連情報と共に概要をお知らせします。
[タイ空港当局からの1月10日付通知内容]1.新型コロナワクチン接種証明書の提示は不要。
2.新型コロナの治療費を含む保険加入義務
(1)入国時にPCR検査を求められる国(注:中国、インドなど)からタイに渡航する乗客には、少なくとも1万米ドルの新型コロナ治療を含む保険加入を求める。保険加入期間は、タイ滞在期間+7日間必要。乳幼児を含め年齢を問わず保険加入が必要。学生等については、タイの受け入れ先からのレター等(新型コロナ治療をカバーする保険に関するもの)の提示でも可とする。
(2)タイの検疫担当官は、こうした国からの渡航者に対してランダムに保険のチェックを行う。保険を持っていない場合、タイ入国手続き前に保険を購入する必要がある。
(3)タイ旅券保持者、航空機乗継ぎでタイに入国しない者、タイの労働許可を保持する外国国籍者、飛行機の搭乗員、外交・公用旅券または国連レセパセ所持者は、保険が免除される。
(4)保険の不所持は、搭乗拒否理由にはならない。(注)タイ観光庁ホームページ上で、例えば、中国、インドを例示しています。
3.その他
[タイの保険に関する大使館からの注意事項] 外国人がタイで新型コロナに感染し、病院で治療、入院する場合、治療費・入院費が高額となる可能性があります。このため、上記を問わず、必要に応じて新型コロナ治療を含む保険の加入をご自身でご検討ください
(1)航空会社は、食事や緊急時を除き飛行機搭乗中は乗客に常時マスク着用を要求するといったガイダンスに適切に従わなければならない。
(2)飛行機搭乗中に新型コロナの症状のある乗客は、タイ到着時に検査を行うことが推奨される。⇒https://www.anzen.mofa.go.jp/od/ryojiMailDetail.html?keyCd=139447
内容はCAATの通達を紹介したものだ。
・ワクチン接種証明書不要
・医療保険未加入を理由に搭乗拒否されない。タイ到着時の空港でランダムチェックされることがあるが、その場で保険加入は可能。
日本大使館としては、日本からのタイ入国で医療保険加入が絶対必須か不要かを明言していない。TATの発表を引用する形で中国やインドが対象になるだろうと例示している。いずれにせよ、医療保険加入を検討するよう推奨。
梨田大使は、本日夕方ツイッターにて「本日航空当局からエアラインに対して再度通知がありました。 日本からタイに来られる方はワクチン接種、保険の義務的加入は必要ありません。」と記している。
日本からのタイ入国にあたり、医療保険の強制的加入義務はない。
でも、もしタイ国内で感染したり発症したりすると、多額の医療費がかかることがあるから、なるべくなら保険に入っておいてねというわけだ。
タイ保健省による医療保険加入要件
CAATの通達と同じくして、タイ保健省からも正式発表があった。
タイ入国のための医療保険加入要件だ。
タイ入国する外国人のための医療保険の説明と要件
・帰国前にPCR検査を「必須で」要求する国からの旅行者は最低1万ドルをカバーする医療保険加入が必要。加入期間はタイ滞在+7日間。
・タイの社会保障カードなども医療保険として認められる。
・タイ国籍者、国連パスポート、外交官パスポート、乗り換え客、エアクルーは免除
・帰国前のPCR検査要件を解除した国があれば、この医療保険加入要件は自動的に不要となる
以上。
大事なことは日本からのタイ入国で医療保険が必要かどうかだ。
保健省の説明では、帰国時の強制的にPCR検査陰性証明書が必須となる国と限定している。つまり、中国やインドのようにタイからの帰国時には、無条件で全員一律で強制的な検査が必要となる国からのタイ入国者には医療保険加入が必要となる。
日本帰国には、ワクチン接種証明書があれば陰性証明書は不要。一律で強制的に全員PCR検査が必要なわけではないから、日本は医療保険加入要件に該当しない。という解釈が成り立つ。
日本大使もその解釈の上に、日本からのタイ入国では保険の義務的加入は必要ないと判断しているはずだ。
もし日本が該当しても、航空会社は医療保険未加入を理由に搭乗拒否はできない。よって、誰でも搭乗可能だ。
スワンナプーム空港到着時にランダムでの医療保険加入チェックにあたってしまった場合は、その場で加入すればいい。でも、そんなことは万に一つも起こらないと思う。
ただし、すべての空港のすべての航空会社のすべての地上係員が、同じ解釈と同じ運用をするかはわからない。わかりようがない。
中には情報のアップデートが追いついていなかったり、日本大使館とは別の判断基準を用いて、書類提出を求めたり、保険未加入で搭乗拒否すると言い出す可能性はゼロではない。
これが難しいところ。
でも本来はワクチン接種証明書不要で医療保険加入義務もない。
絶対とは決していえないが、日本からのタイ入国にはワクチン接種証明書も医療保険加入も不要だ。
これまでどおりにパスポート一つで入国できる。
これが1月10日時点の日本からのタイ入国規則の現状だ。
明日にはまた変更になるかもしれないし、違った運用方法がとられるかもしれない。
でもまあ大丈夫。今のままで普通にタイ入国ができる。
とりあえずこれで決着をみたということで。
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