現在、タイ全国でバーの営業は禁止されている。
パタヤのあるチョンブリ県では4月10日以来、ずっと閉鎖されたままだ。
閉鎖されたバーの中には、店舗のシャッターを下ろして、店内でライブストリーミング配信を行っている店もある。
バー店内ではなく、オーナの自宅内やヴィラを借りてオンラインバーとしてライブ配信している店もある。
オンラインバーでは、女性たちがバーと同じよう衣装を着て、音楽に合わせてダンスを披露。ゲームをしたり、プールで遊ぶ様子を配信することもある。
レディドリンクやリンガベルの投げ銭システムがあり、外国にいる視聴者は遠隔でレディドリンクをおごったり、鐘を鳴らすことができる。
パタヤではオンラインバーが盛んである。
が、そんなオンラインバーがついに摘発されることになった。
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パタヤのオンラインゴーゴーバーに手入れ
6月23日、パタヤでストリーミング配信をしているグループが摘発された。
場所はタップラヤのソイ15の貸し部屋。
失職中のタイ人女性29人と外国人男性1人が逮捕され、撮影機材も証拠として押収された。
部屋では、オンラインゴーゴーバーとして、女性グループが集まりダンスをして外国人顧客にドリンクを売っていた(レディドリンク)。
外国人客はオンラインチャンネルを通じてリアルタイム視聴し、送金することができる。レディドリンク代は1杯150バーツ。
女性たちは元々はゴーゴーバーで働いていたが、感染拡大によりバーは閉鎖され、職を失った。そこで、家を借りて、ダンスショーをして、客にドリンクを売っていたという。
逮捕理由としては、感染拡大リスクの高い集会行為。これは、非常事態宣言令ならびにチョンブリ県伝染病対策委員会命令に違反するものだ。
ソイ6のオンラインバーでクラスター
オンラインバーは今年4月10日以降に始まったものではない。
パンデミックが起こり、昨年3月に最初にバーが閉鎖されたあと、散発的にオンラインバーが開設されるようになった。
バーの再開が許可されたあとも、バーの営業をしつつも、店内からのストリーミング配信は続行。
ソイ6あたりではその傾向が強くて、リアル店舗の営業よりも、むしろオンラインに力を入れていた。
リアル訪問客は少ないが、海外にいるパタヤ好きは圧倒的に多いからだ。実営業よりもネット営業のほうが儲かりやすいと考えるのも必然。
とある日本人人気の高いバービアなどは、バーのリアル営業は控えて、ほぼオンライン専門で営業していたほどだ。
バーの閉鎖が長引いており、ソイ6は完全なシャッター街となった。
が、閉ざされたシャッターの奥には煌々と明かりが付き、音楽が聞こえてくることがある。
ソイ6の通り上には、多くの屋台が出現。
営業時と変わらない衣装で屋台で買い物する女性たちを見かける。
つまりは、オンラインバー営業が決して少なくないということだ。
バー1階スペースや2階の空き部屋などからネット配信していた。
そんなソイ6のオンラインバーであったが、先日、クラスターが発生した。
すべてがソイ6の同一店舗であるかは発表されていないが、オンラインバークラスターの発生源がソイ6であることは、チョンブリ県保健局より正式発表されている。
これまでの累計感染者は10人。
ソイ6のオンラインバークラスター発生後は、どうやらソイ6からの配信はほぼストップした模様。
ソイ6上の屋台も激減したように見える。
これまでオンラインバーの営業ついては、摘発されることはなかった。
当局も当然把握はしていて、あまりよろしくはないものの黙認状態だったといえる。
が、ついにアウト。
ソイ6でのクラスター発生が契機なのは明らかだ。
そして、この1週間チョンブリ県では感染が拡大しており、連日過去最多の新規感染者が報告されている。
感染者だけでいうと、チョンブリ県は過去最大の危機的な状況にある。
そのうえ、30人規模で派手にオンラインバーを営業しているとなると、もはや摘発は逃れられない。周辺住人からの苦情もあったようだ。
ただ、今回の逮捕理由は、あくまでも集団で騒いでいる行為に対するものだ。
オンラインバー営業自体を罪としているわけではなさそうだ。
このあたりはグレーゾーンもいいところなんで、正解はない。
派手にやると摘発されかねない。
先日もパタヤのヴィラでタイ人グループが集まって賭け事をしていたところに摘発が入った。ギャンブルは違法だが、グループで集まって騒ぐ行為も現在は違反。
集まって騒ぐと逮捕される。
オンラインバーも賭け事も同じ。
パタヤだけでなく、バンコクでもスクリーニング配信は行われている。
タニヤの日本カラオケ店などでも配信を実施。
これが違法行為として摘発するかどうかを判断するのは現地法執行機関である。
まとめ
タイ全国のバー再開がいつになるかはまったく不明。
少なくともバンコクやパタヤのバーの再開はかなり厳しい状況だ。
バーの営業不可、オンラインバーの営業も実質不可。
政府からのバー事業者への救済策はなし。そこで働いている人たちはフリーランス扱いのため、個人への救済策もほぼゼロ。
もはやパタヤのバーは打つ手なしの状態だ。
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