ここ最近、タイ好き旅行者の間で話題になっていたワクチンパスポート。
ワクチン接種済み証明書があれば、14日間隔離を免除して入国を認めるという考え方だ。
タイ政府観光庁とタイ観光大臣がワクチンパスポートで隔離無し入国を早ければ4月や7月に目指すと言ったり、プーケットが10月1日全面受け入れ再開のため独自ワクチン接種計画などを立ち上げたりとなにかと騒がしかった。
これまでの流れ。
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これでもうすぐ隔離無しでタイに行けると期待していた人もいるかもしれない。
そんな中、タイ保健省疾病管理局が声明を発表した。
ワクチンパスポートは単なるアイデアに過ぎず、これからも一貫して14日間隔離検疫を続けていくと。
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ワクチンパスポートは単なるアイデア
14日隔離を免除するためのワクチンパスポートは、ワクチン有効性の決定的証拠がまだないため、現時点では単なるアイデアであると保健省疾病管理局が声明を出した。
タイでは、14日間隔離検疫措置を一貫して継続しており、この方法が現在の状況に適している。
将来的に世界は海外旅行に際してのワクチンパスポートのアイデアを採用するだろう。
ワクチンの有効性に関する充分な情報があれば、タイがワクチンパスポートを採用する可能性はある。
このアイデアは再度検討のため、疾病管理局に送られるだろうと。
参照:https://www.nationthailand.com/news/30402389
細かい経緯は不明だが、一度はワクチンパスポート実施の要望が保健省疾病管理局に届けられたもののあえなく却下となった形のようだ。
現時点では時期尚早で検討に必要もない。
ワクチンの効果が確認できるようになれば、また検討するかもしれないというわけだ。
ワクチンパスポート案の却下は、タイ保健省としてインフォグラフィックで告知を出している。
よほどワクチンパスポートに対する要求が強かったのだと思われる。
WHO(世界保健機関)ではワクチンパスポートの枠組みを推奨していない。
ワクチンの効果を示す証拠が不足しており、入国の条件としてワクチン接種証明書の提示は要求されるべきではないとしている。
ワクチンパスポートは、国際的なルールとして用いられるもの。
たとえば、黄熱病は南米やアフリカに多い病気で、国内での感染拡大防止のため、アフリカや南米の一部の国に入国の際には、黄熱病ワクチン接種証明書、通称イエローカードの提示が必須となっている。イエローカードがなければ入国が認められない。
イエローカードはWHOが定めるルールに従って運用されている。
このイエローカードもワクチンパスポートの一種といえる。
基本的な考え方は同じだ。
ワクチン接種なくして入国は認めないというもの。
現在、世界で多くの国が新型コロナワクチン接種が進んでいるが、そうでない国もある。
ワクチンパスポートの採用は国際的なルールに基づくべきであると。
隔離無し入国の道は険し
予想されてはいたが、とりあえずワクチンパスポートの要望はあえなく却下された。
この疾病管理局の発表を受けて、観光大臣やプーケットがどう動くかはまだ不明。
パタヤでも独自ワクチン接種の動きはあるが、これもどうなっていくかはわからない。
観光業で働く人はリスクが高いとして優先的にワクチン接種が進められるかもしれない。
だからといってプーケットやパタヤ限定で外国人観光客の隔離無し入国が認められるかはまた別問題。
国全体として、ひいては世界的にワクチンパスポートのシステムが確立しないかぎり、隔離無し入国が認められるのは難しそうだ。
というわけで、当分の間は、14日間隔離検疫は続く。
このシステムは十全に機能しているとタイ保健省は判断しており、これまでどおり一貫して継続。
隔離期間を短縮するという話も最近は聞かなくなった。
隔離無し入国が認められるには、まだまだ時間が必要なようだ。
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