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千夜一夜ライブラリー

バンコクとポイペトが舞台のアクション&社会派映画、バトルヒート(SKIN TRADE)

投稿日:

アマゾンプライムビデオの映画一覧をつらつらと眺めていたら、バトルヒートというタイトルの映画を見つけた。
ドルフ・ラングレンとトニー・ジャーのダブル主演。
トニー・ジャーといえば、マッハ!などの主演をつとめたタイ人俳優。
バトルヒートは、どうやらタイが舞台となるもよう。
さっそく鑑賞開始。

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映画 バトルヒート

原題はSKIN TRADE(スキントレード)。
意味は人身売買のこと。

冒頭は、タイかカンボジアの農村部から若い女性が家出同然に街へ出て、仲介業者を通して、外国人に売られていく様子が描かれる。
騙されて売られていくわけである。

ドルフ・ラングレンが演じるのはアメリカの刑事。
人身売買の情報をつかんで、その現場へ踏み込む。
親玉を逮捕するが、国外へ逃亡され、見せしめとして家族を殺されてしまう。

一方の主役であるトニー・ジャーはバンコクの刑事という役柄。
こちらも人身売買の現場へ踏み込み、華麗なムエタイ技で犯人をとらえ、人身売買された少女を助ける。

家族を殺され、復讐に燃えるラングレンは、親玉が潜んでいるというタイへ飛ぶ。
ここから舞台はタイ、それとカンボジアが中心となる。

いきなり、スワンナプーム空港で銃撃戦。

設定上では、カンボジアのポイペトが人身売買の本拠地となっている。
でも、バンコクで住んでいるヒロインがポイペトのゴーゴーで働いていることになっている。
バンコクの刑事であるトニー・ジャーがあっさりとポイペトへ車で移動していたりもする。
数時間で移動できる距離ではあるけれど、なにか変。

ポイペトの繁華街として登場するのがこの場面。

バトルヒート劇中

Baby Dolls という店名のゴーゴーだ。

他の店舗の看板をよく見てみると、あきらかにタイだ。それもバンコク、スクンビットソイ7/1である。

実際のスクンビットソイ7/1にはBaby Dollsなる店はないため、まあ看板だけ撮影用に作ったのだろう。

ちなみに、Baby Dolls内の描写もあって、なかなか刺激的かつ扇情的。

最初は対立していたラングレンとトニー・ジャーだが、人身売買組織壊滅のため、ともに戦う。
ポイペトで見つけたのは、これから出荷されていくであろう、多数の若い少女たちであった。彼女たちの絶望的な表情がたまらなく哀しい。

ドルフ・ラングレンとトニー・ジャーのダブル主演ということで、わかりやすいアクションムービーにはなっている。
銃撃戦よりも肉弾戦メイン。とりわけラングレン対ジャーのアクションシーンが見どころ。
その一方、重いテーマを扱っている。

劇中に指摘があるが、騙されて連れ去られていく少女たちばかりではない。実の親に売られた少女たちも少なくないのだ。

最後にテロップが流れる。
毎年2000~3000万人が人身売買されていると。

この数字は出典も定かではなく、ちょっと眉唾ものだとは思うけれど、すごく考えさせられる。
「買うやつがいるから売るだけだ」という人身売買業者の発言も重くのしかかる。

すかっとしたアクションと、どんよりと重たいテーマが並び立つ映画であった。

アマゾンプライム会員なら、プライムビデオで無料鑑賞可能。

バトルヒート アマゾン (2)

バトルヒート(字幕版)

タイや東南アジアについて興味がある人は見ておいて損はないかと。
単純に映画としても楽しめるんで。

現代の人売買については、この本がよくまとまっている。

わたしも実際に購入して読んだ。
世界中の人身売買の実態をレポートしているが、アメリカ国内でも人身売買が行われているというレポートは衝撃的。

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