1965年。時はまさにベトナム戦争の真っ只中。東南アジアは混沌の極にあった。
そんな激動の時代のバンコクに、マイアミホテルは建設された。
それから50年。バンコクは高層ビルが立ち並ぶ大都会へと変貌し、数多くの古い建造物が取り壊されたが、マイアミホテルはいまだにその勇姿を保持している。外見も中身もかなりくたびれているはいるが、まだまだ健在である。
がんばれマイアミホテル。
(追記:宿泊したのは2016年のこと、パンデミック中の2022年に全面改築している。)
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マイアミ ホテル (Miami Hotel)
場所は、バンコク・スクンビット通りのソイ13入り口だ。
大きな看板が目印。
ホテル入口はソイ13に入ってから右手となる。
ロビーは、歴史を感じさせるたたずまいだ。
おそらく50年前から現役であったろうジュークボックスが泣かせる。
レセプション
おっと、ニュース映像でしか見たことがないような電話交換機が鎮座しているではないか。さすがに現役だとは思えないが、これまた歴史の一コマに触れた気分にさせてくれる。
チェックインはスムーズだ。デポジット無し。そんな無粋なものは取らない。
フロントの女性は、タイ人男のベルボーイと英語で会話していた。これがマイアミスタイルか。
ベルボーイに連れられて、部屋まで。
エレベーターの年季の入り方がしぶい。
中庭を取り囲むようにして部屋が配置されている。
中庭から見上げれば、高層ビルがそびえ立っている。
まさに大都会の中に咲いた月見草のようなホテルである。
スタンダードダブルルーム部屋内部
うむ。古い。年季を感じせるとはまさにことのこと。
無理もない。築50年である。
だが、それなりにメンテナンスは施されている。
50年も耐えてきたのは立派と言うしかない。
ダブルベッド、冷蔵庫、エアコン、椅子、化粧台、スーツケース置き、クローゼットなど必要なものは揃っている。
クローゼットの中には、セーフティボックスあり。
エアコンは旧式ながら、きちんと機能している。少々うるさいのは、断末魔と言おうか21世紀への反骨心と言おうか。
天井が高いのが特徴。
これは、昔ながらの宿はだいたいこんなものだ。
古いゲストハウスなんかも天井が高い。
圧迫されたオシャレな部屋など鼻で高笑いである。
バルコニーは無い。
木枠の窓が風情たっぷりだ。
外では新築工事の真っ最中。ふん、鉄の塊の新しいものばかり建てやがって。窓など木で作れば充分なのだ。
浴室内
バスタブ付きだ。
シャワーは温度が高い。水圧も強い。問題は調整が難しいこと。湯が熱すぎるから温度を下げようとすると、今度は水になってしまう。
説明書きが日本語で張ってあるので、きちんと守って、バスタブに湯を張ろう。
アメニティは小さな固形石鹸のみだ。余計なものなど不要。さすがは50年生き残ってきた老舗ホテルのプラグマティズムとバタニズムを感じるではないか。
(追記:2022年の全面改装で安いグレードの部屋にはバスタブがなくなったもよう)
室内禁煙。
エレベーターホールで喫煙可能だ。
愛が大事。
スイミングプール
中庭にはスイミングプールあり。
プールの底に書かれたMIAMIの文字が誇らしげだ。
都会のど真ん中で泳ぐもよし、プールサイドでオアシスを感じるもよし。
ま、滞在中、一度たりとも泳いでいる人は見かけなかったが。
Wi-Fi
Wi-Fiが有料なのはちょっと痛い。
1日100バーツ。
ホテル宿泊を直接予約すれば無料となるそうだ。
室内に電波は届いていたが、実際には利用しておらず、速度は不明。
ジョイナーフィー
JF無料。IDカードチェックは無かった。
地図と周辺設備
BTSナナ駅まで5分足らず。BTSアソーク駅、地下鉄スクンビット駅まで10分くらい。
テーメーカフェはものの2,3分だろうか。もちろん、ナナプラザもソイカウボーイも徒歩圏内。
ロビンソンデパートやターミナル21も近い。
何をするにも便利至極な立地である。
料金と予約先
わたしが予約した際は1泊税込み3000円ほどだった。つまり1000バーツ。
現地でのウォークイン価格は以下のようになっていた。
スタンダードルーム:1100バーツ
スイート:1500バーツ
ファミリールーム:1500バーツ
ただし、これは10月下旬のもの。
11月以降のハイシーズンはおそらくもう少し値上げしているはずだ。
総評
立地条件は抜群。
築50年だ。部屋が古いのは当たり前。そんなのを気にするのなら、近くにある高層高級ホテルに泊まればいいだけのことだ。
たしかに部屋は古いが、安宿に慣れている人なら、決して不快になるレベルではない。
この立地で1000バーツで泊まれるならありでしょう。
古き良きバンコクの歴史を感じるたいのなら、一度くらい泊まってみるべし。
ま、わたしはよほど他のホテルが高値にならないかぎり、2度と泊まることはないだろうけど、泊まったことは微塵も後悔していない。
いつまでも壮健あれ、マイアミホテルよ。
(追記:2022年に全面改装。新しく生まれ変わり、マイアミホテルはまだまだ続く)
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