タイの内閣は、5月6日に「Amazing Thailand Grand Tourism and Sports Year 2025」キャンペーンの協力枠組みを正式承認した。
この閣議承認を得たことで、官民一体となり、タイの国際競争力の強化と海外からの観光客の受け入れを推進していく。
国会観光政策委員会が11の戦略的重点分野を策定した。
タイ国政府観光庁(TAT)が概要を伝えている。
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アメイジング・タイランド・グランド・ツーリズム・アンド・スポーツ・イヤー2025
1.航空部門
サービス料や運航コストの削減などのインセンティブを導入
2.宿泊施設、飲食、ツアーオペレーター
旅行代理店やオンラインプラットフォームとの提携により認知度向上に取り組む
3.小売業
海外からの観光客は限定割引や特典や優待などを受けることができる。複数通過に対応したVAT還付システムを導入。
4.オンライン旅行代理店とツアー会社
OTAを通じて、プロモーションと旅行パッケージを展開する。
5.公共交通機関
あらゆる交通手段の接続性を向上させ、特に地方都市へのアクセスに重点を置く。バンコク1日乗車券の導入。
6.観光客の安全と支援
77すべての県に観光支援センターを設置し、1155コールセンターは24時間対応サービスに拡張する。外国語通訳も配置。
7.ビザ政策
ビザ免除措置の期間が延長され、新しい長期滞在ビザおよび商用ビザのプログラムを導入する。手数料の減額やオンライン申請の簡素化も含まれる。
8.イベントとフェスティバル
大きなイベンと全国で開催する。
9.観光名所
夜間でも文化施設が活気づくようにする。また、国立公園や観光名所では、営業時間の延長を検討する。
10.広報
観光コンテンツは、従来のメディアとデジタルメディアの両方を通じて宣伝する
11.その他の支援策
多言語対応のツアーガイドは、フランス語、イタリア語、スペイン語、ロシア語、アラビア語、中国語、日本語、韓国語など主要言語の研修を受ける。通信事業者は、観光SIMカードの提供を推奨する。
「アメイジング・タイランド・グランド・ツーリズム・アンド・スポーツ・イヤー2025」キャンペーンは、3900万人以上の外国人観光客を誘致し、3兆4000億バーツの観光収入をもたらすと予測。
詳細⇒https://www.tatnews.org/2025/05/cabinet-approves-cooperation-framework-for-amazing-thailand-grand-tourism-sports-year-2025/
発表はざっくり以上のようなもの。
具体的な施策には触れていない。フレームワークを内閣が承認して、あとは各関係省庁と民間とで手を取り合って実施してね、という感じ。
わかりやすい例では、TATとAISが協力して空港で無料のSIMカードを配布したり、ショッピングモールでの買い物割引券を配布したりといった施策が取られるだろう。
ホテルの割引もあるかもしれない。
公共交通機関では、地方都市へのアクセス向上をかかげている。最近では、ドンムアン空港からパタヤとホアヒンへの直行バス運用などもその方針に沿ったものだ。もっと路線を増やしていくつもりのようだ。
気になるのは、7番のビザ政策だ。
英語原文では、「Visa exemptions will be extended, and new long-stay or business visa programmes introduced.」となっている。
ビザ免除は延長され、新しいロングステイおよびビジネスビザのプログラムが導入される。
現時点では、ノービザでのタイに入国することができる対象国は90カ国以上に及ぶ。日本も当然含まれている。そして、ノービザでの滞在期間は60日となっている。
ビザ免除が延長されるというのが、具体的に何を指すかは不明。たぶん、現行のビザ免除制度をこのまま継続するという意味だとは思われるが。
ノービザ滞在期間を60日から30日に短縮するという話も出ているが、まだ正式決定していない。
ノービザ対象国はそのままに滞在期間だけを短縮する可能性もある。
このあたりは正式発表を待つしかない。
新しいロングステイビザというのは、すでに導入済みのDTV(タイラインドデスティネーションビザ)のことを指しているのかはわからない。
ビザ手数料の減額やオンライン申請の簡素化についても言及されているが、これはいずれ実施されるかもしれない。
短期旅行者にはビザは関係がない。ビザ免除措置は引き続き実施される。
無料SIMカードや、買い物クーポン、土産物配布、スパ利用券、バンコク乗車券などに期待しましょう。
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