日本やアメリカをはじめ世界各国が中国からの旅行者に対する入国規制を強化している。
そんな中、タイの対応がどうなるのか注目される。
以前であればCCSAにおいて一元的に決められていたが、昨年9月30日をもって非常事態宣言は終了し、10月1日にタイは完全開国した。それにともないCCSAも解散となっている。
本日、保健省、運輸省、観光スポーツ省、外務省など関係省庁が合同会議を開いて、新しい入国措置について話し合われた。
その結果を、保健大臣がコメントとして発表した。
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タイ入国規制強化
特定の国だけをターゲットとした差別的な措置はとらず、すべての国からの入国者に同一の規制を課すという。
・すべての国からの旅行者は最低2回接種済みのワクチン接種証明書を必須とする。
・入国にあたり陰性証明書が必要な国へ行く(要するに本国に帰国する)旅行者は医療保険加入必須とする。これにより、もしタイ国内の検査で陽性だった場合の治療費を賄うことができる。
また、帰国時に陰性証明書が必要となる旅行者は、タイ国内では疾病管理基準を満たし検査サービスを提供するホテルに滞在する必要があるともアヌティン大臣。
呼吸器系疾患のある人は、病気感染リスクをへらすために、完全に回復するまで旅行延期を検討すべきとも語っている。
タイでは昨年10月1日に、ワクチン接種証明書と陰性証明書と医療保険加入といった要件をすべて撤廃している。
保健大臣のコメントどおりに新しい措置を実施するなら、ワクチン接種証明書と医療保険加入の要件が復活することになる。
ただし、新しい措置の開始日は明らかとなっていない。
また具体的な運用方法も不明だ。
すぐには実施しない可能性もある。
一方、中国人観光客が到着するまでに実施すべきという声もあって、もしそうならばあと数日しかない。
タイ民間航空局によれば、1月8日の中国開国後の最初の定期運航便は、1月12日にスワンナプーム空港に到着予定。今年最初の3ヶ月で、1日あたり15便が中国からタイに飛ぶ。
参照:https://www.bangkokpost.com/thailand/general/2476069/proof-of-covid-jabs-for-all-visitors-revived
疑問点と注意点
ほかの報道を見ても、どうにもはっきりしない。
開始時期も不明だし、運用方法も不明。
中国から大量に旅行者が押し寄せることを心配する声は大きい。
そのため規制措置の検討はする。
でも、中国に忖度しつつ、すべての国からの旅行者に同じ規制を課す方針を取る。
かといって開始時期も詳細もまだ不明。
なんともすっきりしない。
とりあえず、以下の2点が実施予定。
・すべての国からの旅行者はワクチン接種証明書
・陰性証明書取得予定の人は医療保険加入義務
ワクチン接種は2回必要。3回目は問わない。
もしワクチン接種証明書が必須となっても、タイランドパスのような仕組みは復活しないだろう。空港でタイ行きフライトのチェックイン時に空港地上スタッフが乗客のワクチン接種証明書の有無を確認することになるはずだ。
あとはタイの空港到着時にタイ側でも確認するかもしれない。すべての到着者に対してではなく、ランダムでのチェックだ。昨年7月1日以降、入国規制完全撤廃までの期間は、そのように運用していた。
また、ワクチン接種証明書がない人は、陰性証明書の提示でもいいことになっていた。新しい規制措置ではどうなるかは不明。
医療保険加入は人によって異なるため、どうにもはっきりしない。
もし実施するとしても、どうやって判断と確認をするのか。
陰性証明書を求めない国に帰国する場合は医療保険加入は不要ということになる。
現在は、タイ入国にあたり、医療保険加入義務はなく、あくまで推奨としている形だ。
もし保険未加入で、感染して治療が必要になっても、タイ政府は治療費を負担しない。あくまで旅行者負担となる。この費用をカバーできるようにしておくのが医療保険加入だ。
検査で陽性となったら、無症状であっても、すぐには帰国できない。タイ側の出国制限はないけれど、陰性になるまでは帰国そのものが不可となる。もしくは回復証明書や大使館からの帰国用レターが必要となる。
帰国可能となるまでは、外国人旅行者であれば、ホテルで待機しておくことになる。滞在延長のための費用を賄う必要がある。
また、症状が出て場合の治療費を旅行者が負担する。
(タイ人やタイで働く外国人は社会保障制度が使える)
開始時期も詳細も不明だが、とりあえず、新しい入国措置が適用されるとどうなるのか。
日本からタイへの旅行にあてはめてみる。
・3回ワクチン接種済み:タイ入国化、日本帰国のための陰性証明書不要、タイでの医療保険加入不要
・2回ワクチン接種済み:タイ入国可、日本帰国のための陰性証明書必要、タイでの医療保険必要
・ワクチン接種1回もしくは未接種:タイ入国不可(陰性証明書で代用化?)。
という分類となるはずだ。あくまで仮定の話だが。
日本からはワクチン接種3回接種を終えていない人が影響を受けることになる。
ワクチン3回接種済みの人は、これまでどおりで、何も変わらない。
が、どうにも、このまま即座に実施するとも思えない。
今さら感が強い。
ワクチン接種証明書と医療保険加入はどこで誰がどのようにチェックするのか。空港でのチェックイン時とタイ到着時に書類チェックとなると、混雑がさらにひどくなる。
とりあえず、中国に忖度した形で入国規制強化案を打ち出してみましたといった風にも見える。
中国は開国日の1月8日以降も、入国者全員にPCR検査陰性証明書提示義務を継続するとしている。
タイ旅行した中国人観光客は、全員タイ滞在中にPCR検査を受けないといけない。
タイでは、帰国時陰性証明書必須な旅行者には医療保険加入を求めるということなので、実質的に中国からの入国を規制しているということにもなる。あとは、タイからの入国では全員陰性証明書必須と規制強化したインドも同じこと。
追記:タイ保健省発表
報道によって内容に少しばらつきがあったが、その後、タイ保健省より正式な内容が発表された。
保健省、運輸省、観光スポーツ省、外務省などの関係省庁が集まった会議後の保健大臣の声明をまとめたものだ。
⇒https://pr.moph.go.th/?url=pr/detail/2/04/184146/
・中国を含めてすべての国の旅行者に同じ措置を取る
・最低2回のワクチン接種が必要
・帰国前にPCR検査が必要な旅行者は治療費をカバーする医療保険加入が必要
・タイからの帰国に際してPCR検査が必要な旅行者はSHA+ホテルに滞在することを推奨
・旅行者のタイ滞在中は公共の場や公共交通機関でマスクを着用し、頻繁に手指消毒することを推奨。症状が出た場合はATKで自主検査し、症状が悪化した際には病院で治療を受けること。
・タイの事業者はワクチン4回接種を推奨
・第1四半期に状況を評価し、リスクに応じて規制措置を調整する
ざっくり以上のような内容。
やはり、すべての旅行者に対して、ワクチン接種2回接種を必要としている。
また、帰国時に陰性証明書が必要な旅行者には医療保険加入が必要ともしている。
他は推奨事項だ。
結局、これらの入国措置をいつ開始するのか、また詳細な運用方法については不明のまま。
とりあえず、各省合同会議でガイドラインを承認したという形のようだ。
第1四半期はこのまま何もせずに様子を見続ける可能性もある。
まとめ
日本では、1月8日より中国からの旅行者への規制をさらに強化する。
出発前の陰性証明書取得を義務付け、日本到着時の空港検査はPCR検査ないし抗原定量検査に変更する。2回のPCR検査義務があるわけだ。ただし、医療保険加入義務はなく、日本到着時の検査代は日本政府が負担。また検査陽性となった際の隔離施設の宿泊代も日本側の負担となる。
タイの新しい入国規則がどのような運用方法でいつから開始となるかはまだわからない。
様子見して先延ばしする可能性もある。
どのような形になるにせよ、タイ入国時には医療保険加入はしておくべき。日本ような過剰なまでの税金対応はしてくれない。加入義務があろうかなかろうが保険には加入のほどを。
できればワクチン接種は3回済ませておくこと。タイ入国にはまったく問題ないし、日本帰国時の陰性証明書も不要だ。
新しいタイ入国規則がどうなるのか、今少し冷静に見ておく必要あり。
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