沈没日記7
結局、カラオケ嬢は帰ってこなかった。
クリスマスの夜も一人寝となった。
電話するから、と彼女は言っていたが、わたしのスマフォは微動だにしない。
朝を迎え、昼になっても夜になっても、何の音沙汰もない。
なんとも虚しいものである。
とはいえ、気にしてもしかたない。
カラオケ嬢の過去の行動パターンから考えると、2日か3日もたてば、ケロッとしてまた連絡してくるはずだ。
それを信じて、今は、一人の時間を堪能すべし。
うん、パタヤなんだから、一人で楽しまないと。
バイクの給油からソイユメへ
せっかく借りているレンタルバイクである。
これをもっと有効活用せねば。
まずは、パタヤカンとスクンビット交差点近くにあるガソリンスタンドへ。ここでガソリンの補給だ。
「ガオヌン ロイバー」
91のガソリンを100バーツ入れてくれ、という意味になる。スクーターなら、91か95のどちらかだろう。レンタルバイク業者から指定される事が多い。
小型スクーターなら満タンにしても100バーツいかないほど。
満タンにするなら、「full」と言えばいいだけだ。
ブッカオからなら、ここか、パタヤタイのGSが一番便利かな。
スクンビットから戻るには、ソイユメへの抜け道を通ればいい。
スクンビットを曲がる時は、「viva」というラブホテルの看板が目印。
ソイユメにたどり着くと、そのラブホテル「VIVA」がある。
ちなみに、ショート利用が285バーツ、泊まりが750バーツとなっている。
まだ新しいんで、部屋の中は綺麗とのこと。
VIVAの隣にはソイユメの市場がある。ここまで来るとブッカオよりさらに物価が安くなる。
市場の向かい側には、ホテル、Woraburi Pattaya。
2013年オープンと比較的新しいホテル。かなり広い敷居と大きな建物。
知り合いのタイ人は、ここに日本人が多く泊まっているよと言っていたが、団体客利用しているのだろうか、それとも中国人か。
徒歩とソンテウで移動する人には不向きな立地だが、バイク利用なら問題なし。
コンビニも市場もすぐ近く。
ソイユメからパタヤカンへ抜けると、パタヤ中心部へ移動できる。
わたしは、さらにサードロードの店舗をチェックすることに。
快走快走。
時間を気にせず、走り回れる。気持ちいいね。
サードロード散策
まず、イサーン料理屋発見。店頭に置いてあるチムチュム鍋が目を引いた。
メニューをチェックしてみると、豚肉のチムチュムが168バーツ。
店員に話を聞いてみると、コームーヤーンやナムトックもあるそうだ。
そのうち実食調査をせねば。
これも気になるローカル食堂。
昼間のマハーサムットは、もちろん開店前。
日本食ビュッフェの店「TSUNAMI」。寿司や天ぷらが食べ放題のようだ。値段次第では利用価値があるかも。
49バーツステーキ屋。これも気になるなあ。
ここも気になるローカル食堂。閉まってるけど。
近くにはカラオケ蘭もあるよ。
調査対象はまだまだたくさんある。一人で過ごしていると取材も容易なのだが、カラオケ嬢に拘束されていると、なかなかねえ。
一人で夜遊び
夜は、開店したマハーサムットで久々の海鮮クイティアオトムヤム。
さらにソイボンコットのジェントルマンズクラブ、Piratesへ移動。
最後は、バービアへ移動。
一人夜遊びを満喫しております。
ここは、知り合いのおばさんが働いているバービアだ。
久しぶりと挨拶していたら、新人バービア嬢を紹介された。
20歳の色白スレンダー系新人で、顔はまずまず。
ふふ、悪くないぞ。
が、彼女はしらけた表情をしている。
あれ、日本人はお嫌いか?
そのうち、おっさんファランにお呼ばれしてテキーラを飲まされていた。すると、時々わたしのほうを見て、にっこり笑いかけてくる。
ふふ、そうかそうか、同じおっさんでも、ファランより日本人がいいか。よしよし、今度奢ってあげよう。
いやあ、やっぱり自由に遊んでいると楽しいなあ。
別にペイバーしなくてもいいや。
羽根を伸ばしてあっちへふらりこっちへふらり、それだけでも充分楽しいよ。
シメは、なじみのバービアでまったりと飲む。
クリスマスの飾り付けの残骸が残っていた。
一人寂しく、LEOビールに飾ってみた。
熟女軍団と19歳新人バービア嬢をからかって遊ぶ。
仲の良い38歳バービア嬢は、ドイツ人の彼氏持ち。バーファイン不可嬢として働いている。
ドイツ人彼氏とは来年にも結婚してドイツへ渡る予定。
ちなみに、イサーン出身の彼女の結納金は「ハーセンバー(50万バーツ)」。
おいおい、そりゃあ高いだろ。
イサーンだったら、普通は10万か20万だろうに。
「わたしはピセーッ(特別)なのよ」と、バービア嬢は大笑いしている。
どこが特別なもんか。わたしから見たら、色黒のただの田舎のおばちゃんにしか見えない。
ちなみに、ドイツ人彼氏と出会った当初は、彼のことを「ATM」と呼んでいたそうだ。
今でもATMなのは変わりなしか。
まあ、ドイツ人の方も慣れたもんで、送金依頼が来ると「オー インターネット ノーグッド」とおどけて、通話を切ってしまうそうだ。
楽しそうな生活で何より。ドイツに行っても、幸せにやってくれ。
とまあ、そんなくだらない会話をしつつ夜は更けていく。
うん、これぞバービアだ。
うへへへ、楽しいなあ。
深夜2時半頃。
そろそろバービアも閉店。
が、まだ夜は終わらない。
深夜の紫煙とハンバーガー
熟女バービア嬢と常連ファランとバービアの男性マネージャーと連れ立って、秘密の場所へ。
暗がりの中、紫煙をくぐらせる。
アップルミントの馥郁たる香りが口腔に広がり、鼻から煙をぽけーっと吐き出す。
パタヤでは久々だな、この味は。
まったりしつつも幸せな時間が流れる。
深夜4時前。
腹が減ったという友人ファランが、ハンバーガーをお取り寄せ。
わたしにもおごってくれた。
巨大ビーフバーガー
ナイフとフォークが必要なほどの分厚さだ。
でも、うまい。深夜のハンバーガーもいいもんだなあ。
ありがとう、ファラン。
タイ人二人、ファラン、日本人の4人で深夜の宴会となった。
楽しいねえ。
早朝5時前、ようやく宴は終了。
遊んだ遊んだ、朝まで遊んだった。
カラオケ嬢からの連絡は無し。
いちおう、いつ連絡があってもいいように、携帯電話には常に注意していたが、一度も鳴ることはなかった。
が、気にしない。
泥のようにして、一人で熟睡。
ベッドが広いなあ。
ぐすん。