パタヤ沈没日記6
パタヤで焼酎とキムチを求めて
カラオケ嬢のおみやげ希望リストにあったのが、焼酎とキムチ。
どちらもパタヤで入手可能なのはわかっていた。
それに、液体や食料は機内持ち込み荷物に含めることが難しい。そもそもキムチは要冷蔵だ。現地調達必須。
そんなわけで、日本から持参せずに、パタヤで購入することにした。
カラオケ嬢は、焼酎とキムチで宴会がしたいのだそうな。
よりによってクリスマスの夜に焼酎とキムチなのかよ。
まあ、いいか。
しかたなしに、わたしが一人で買い出しに。
まず、パタヤアベニューのあるVILLA MARKETへ。
ここも輸入食材や酒を取り扱っている。
が、酒は梅酒ばかりだし、キムチはろくなものがない。
次にパタヤカンにあるビッグCエクストラへ。
バイクで移動中に雨が降ってきて、全身びしょ濡れとなってしまった。
焼酎は数種類置いてあったが、どれも高い。
一番安い「あなたにひとめぼれ」という銘柄を購入。半升でも900バーツ近くした。
雨が降ってなければ、フードランド、フレンドシップスーパー、マクロなどを巡りたかったが、全身濡れているし、カラオケ嬢が「レオレオ(急げ急げ)」とうるさいので、しかたなし。
ああ、もったいない。
キムチも、ビッグCで購入。45バーツで蓋付きの容器に入っている。
鮮魚コーナーに置いてあった。
ついでに、タイ人が大好きなサーモン寿司も購入。
ふう、いろいろ高くついてしまった。
支払いはクレジットカードで。せめてマイレージだけでもためておこう。
後日談となるが、フレンドシップスーパーでも日本の焼酎は置いてあった。やはり同じくらい高い。
フードランドでも同様。いいちこが1000バーツ越えだ。ただし、韓国焼酎はやたらと安い。ジンロの小瓶なら180バーツほどとお手頃価格。味もいろいろ置いてある。よくわからんメーカーの韓国焼酎はもっと安いが、身体には悪そうな気がする。
マクロは未調査。たぶん、もっと安いかな。
なお、焼酎はタイでも「ショーチュー」で通じる。少なくともスーパーの売場や夜のお仕事をしているタイ人には問題なく通じた。
韓国焼酎なら「ショーチューガウリ」となる。
宴会開始
アパートに戻って、地元民たちと宴会開始だ。
「ショーチューイープン」と告げて、ショットグラスにストレートで注ぐ。
一気に飲ませるのが、タイ人スタイル。
で、お約束のように「うげっ」とむせ返る。
ウォッカじゃあるまいし、焼酎は一気に飲むものじゃないよ。しかも、芋焼酎だし。
さすがにストレートで飲んでばかりはいられない。
ソーダで割るのかと思いきや、カラオケ嬢が持ってきたのはスプライト。
グラスに焼酎を少なめに注いでから、あとはスプライトで豪快に割る。
かなりアルコール度数は低くなる。
まあ、少々甘いチューハイだと思えば、それほど違和感はない。
つまみは、キムチとサーモン。
ビッグCのキムチは、意外とおいしかった。
そのままで食べると、ちょっと塩辛いけど。
酒のあてや、白ご飯と一緒に食べると、けっこういける。ラーメンに入れてもよさそうだ。
これで45バーツなら、安いんじゃないの。リピートで購入しよう。
サーモン寿司は可も不可もなく、こんなレベルでしょう。
カラオケ嬢は、しゃりを食べずにネタのサーモンだけを食べていた。こらあ、もったいないことするな。
キムチをつまみながら焼酎を飲むカラオケ嬢は、実に嬉しそうな表情を浮かべている。
まあ、そこそこの出費となったけど、これでよかったかな。
というか、わたしも普通においしかったし。
日本からいつも焼酎持参でパタヤに遊びに来る友人がいるが、その気持ちがよくわかった。
ビールやタイウィスキーばかりでは飽きてしまう。焼酎はいいよね、やっぱり。
その他のつまみは、魚の塩焼きとか、ソムタムとか、アパート住人たちがいろいろ購入していた。
ちっともクリスマスっぽくない食材ばかりだが、イサーン人と日本人の宴会だし、これで正解か。
それにしても、アパートの住人たちはおもしろい。
はっきりと職業はきいていないけど、ほぼ間違いなく夜の蝶たちだ。
一人の若い蝶は、韓国人の太客としきりにビデオ通話している。
会話はほとんど韓国語である。メッセージのやりとりもハングル文字でやっている。
すごいもんだねえ。
年末にその韓国人がパタヤへ来るそうだ。
でも、別の韓国人客も同じタイミングでパタヤへ。
「オー プアットフア(頭痛いよ~)」とスケジューリングに苦しんでいた。
別の女性は、もうすぐドイツ人の彼氏がやって来ると上機嫌。
これまたビデオ通話している。
なぜかわたしにカメラを向ける。
「グーテンアーベント」と挨拶。
いや、知らんがな。
あちこちで韓国人やらファランへの営業ビデオ通話が繰り広げられている。
パタヤのアパートなんて、どこもかしこも似たような状況だろう。
そんなわけで焼酎はすっかり空となってしまったが、楽しい宴会となった。
クリスマスブンブン
まだ宵の口だが、早めに切り上げて、部屋へ戻る。
カラオケ嬢と仲直り(?)のクリスマスブンブンをすませる。
その後は部屋でだらだらしていたが、深夜12時頃、カラオケ嬢は出かけるという。
なんでも友だちに会うらしい。
おいおい、昨日につづいて、連夜の外出か。
ちょっと怪しいぞ。
しかもお小遣いがほしいという。
1500バーツ。
いやいや、もう1万バーツ払ったからダメだ。
毎日、食事代と酒代は出してあげる。借金の肩代わりも実家への送金も生活費の面倒もみる。でも、遊びに行きたかったら、自分で仕事してかせげ。
そう言ってみたものの、カラオケ嬢は頑としてゆずらない。
なんだかなあ。ここで払うと負けのような気もするが、1000バーツだけ渡してしまった。
ああ、弱いなあ、わたし。
再度、「パイタムガーン(仕事へ行け)」とだけ強調しておく。
カラオケ嬢は「ルーレオ(わかっているわよ)」とちょっとキレ気味に返事して、部屋を出て行った。
むう、この先が少々心配になってきた。
と言いつつ、わたしも一人になったので、深夜のウォーキングストリートへ遊びに行ったんだけどねえ。