沈没日記49
最近仲良くなってきたバービア嬢がいる。
23歳でちょいぽちゃだが、愛嬌もあって笑顔がかわいい。
流れはこんな感じ。
2週間ほど前にバービアで初見。
友人たちもいたので普通に飲むだけ。
何度かペイバーしようとしたが、キャッシャー仕事があるからダメとか、目の前で他の客に奪われるとか、タイミングが悪くて断念。
特にアラブ人の上客がいて、連続ペイバーされていた。パタヤタイで二人が歩いているところを目撃したこともある。
まあ仕事だし、しょうがない。
LINEではつながっていて、今の客が帰国したら連絡するとのこと。
ふふ、本命はわたしだな。アラブ人は単なる金づる。そのうち、わたしのところにやってくれば、それでいい。
で、連絡が来た。
客が帰国したのでフリーになったよ、と。
でも、バービアをやめてバンコクヘ行くという。
(以下、LINEのやりとりの時刻は日本時間。タイ時間は2時間早めてください。)
荷物をまとめおわり次第、バンコクヘ行くということだろう。
よくわからんが、やけに突然だなあ。
パタヤへ戻ってくるかはわからないとのこと。
こりゃあ、もう会うのは無理かな。
と思いきや、その数時間後にメッセージが届く。
バンコク行きをやめて、もうすでにパタヤの別のバービアで働いていると言うではないか。
まったく意味不明な行動だが、突然の行動変更はよくあること。
バービアの場所と名前を聞いて、出向いてみた。
が、すでに帰宅済み。
意味不明。
どうせペイバーするつもりだった。このまま部屋へ呼び出せばいいや。バーファイン浮くし。
部屋へ誘うと、「わかったあとで行くね」と返事が来た。
なお、彼女の請求額は1500バーツ。
これは以前バービアで約束した通り。ロング1500でオッケーをもらっている。
だが、それ以降連絡なし。
電話しても出ない。
深夜にメールが入ってきた。
寝落ちしちゃった、ごめん
まあよくあることだ。気にしない。
今日は仕事なのかと尋ねると、バービアは来週からとの返事。
まったくもって意味不明だが、気にしない。
夜、部屋においでと誘うと、これまた「わかった」との返事。
また部屋で待つ。
が、またしても寝落ち。
しかも返事遅いし。
もう萎えそうになってきた。
てへぺろステッカーも見飽きてきたよ。
これが最後と、また連絡。
いろいろやりとりしていると、深夜2時くらいにようやく合流できることになった。
ソイブッカオの病院前で待ち合わせと指定された。チップは1500。
ブッカオの病院というと、あそこだな。
PATTAYA CITY HOSPITALで正解。
ようやく待ち合わせに成功した。
長かった。無駄に長かった。
もろに部屋着で到着の彼女。
Tシャツに綿のショートパンツ。ほぼ寝間着だな。
色気は無いが、それだけに生々しい。
思ったよりも太めだなあ。
まあ、素朴でいいかな。
バイクの後ろに乗せて、わたしの部屋まで連れて帰る。
彼女は、その間もずっとスマフォをいじっている。
部屋に入るなり、ベッドに腰掛けても、ずっとスマフォいじり。
話しかけてもスマフォをいじりながら生返事。
今日は泊まっていくのと問いかけるも「帰って寝る」という。
笑顔はまったくない。以前の笑顔はどこに消えた。
ロング1500の約束だよねというも、ショート1500の要求。
うーん、うまく話が通じてなかったようだ。
まあ別にショート1500でもいい。バーファイン無しだし、ドリンク代もかかっていない。普通にペイバーしてショートで連れ出す場合と総額では変わらない。
が、この様子では、楽しいブンブンになるとは到底思えない。
たぶんサービスもダメダメだろう。
過去の様々な苦い経験から、これはダメだと判断。
彼女にやる気はまったく感じられない。
わたしのやる気もすっかりなくなった。
重苦しい時間と空気が流れる。
すると、彼女は一言、「ガップバーン」
ガッ(プ)バーン=go home
よかった。こちらから「ガッバーン シ」とは言いづらかった。
(文末にシをつけると、強調表現となる。)
そうと決まればあとは早い。
またバイクの後ろに乗せて、パタヤ市民病院前まで逆戻り。
部屋から宿の外へ出るときも、バイクに乗っている時も、ずっとスマフォいじりばかり。
わたしといる時間はほんの10分ほどだっただろけど、そのうち9分30秒はスマフォの画面を見ていた。
ガップバーンがお互いのためにも正解だったと思う。
彼女は、意外とさばさばした表情で自宅へと戻っていった。
なんか、ここまで深追いしたのが馬鹿みたい。
ずるずると悪いタイミングが続きすぎた。
出会った当初にさくっとペイバーしておくべきだった。
そうすると違った展開になっていたかも。
普通にペイバーする気満々だったんだけどねえ。
特にアラブ人客に先を越されたのが痛かった。
若いアラブ人で、そこそこ男前でカネ持っていそうな雰囲気。トルコ系かなあ。
こっそりのぞいたスマフォの待ち受け画面は、おそらくそのアラブ人の顔写真だった。
最近はバービアにも若いアラブ系が増えてきたんで油断できないよなあ。
トルコ系はやや色黒ながらも顔形がヨーロッパ人に近いんで、タイ女性からのウケも悪くない。
いや、他の客のせいにするのはよそう。
先手必勝、現金優先のタイ夜遊び界。
決断力と財力に欠けるわたしの敗北だ。
お互い傷ひとつ付いていないはずだし、まあ、いいか。
深追いは良くないね。
あっさりペイバーするのが正解のようです。