2月1日にタイはTest&Go制度のもとで再度開国した。
徐々に外国人観光客が戻りつつある。
ただ、最大の市場である中国はいまだに鎖国政策を続けている。世界第2の人口を持つインドも同様だ。
タイ政府は、まずインドとのエアトラベルバブルを開始することになった。その後は、中国とマレーシアともトラベルバブル協定について話し合いを持つことになっている。
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タイとインドのエアトラベルバブル協定
2月11日のCCSA本会議にて、さらなる観光促進のため、タイとインドとの間でエアトラベルバブル(ATB)協定を結ぶことを承認した。
インドは定期国際商用旅客フライトを2月末まで禁止としている。
トラベルバブル協定によりタイとインドの商業フライトによる往来が可能となる。
日本とインドは2020年11月よりエアバブルを開始しており、JALとANAとエアインディアが特別便を運航している。
これと同じように、タイとインドを結ぶ商用フライトが運航できるようになるわけだ。
2019年のインドからのタイ観光旅行者は約190万人だった。観光収入は約800億バーツ。
タイにとってインドは3番目の観光市場だった。
タイとインドのエアトラベルバブルの開始時期と詳細な条件はまだはっきりしない。
CCSAの説明では、航空会社は航空券発行前に乗客が感染していないことを確認する必要があるなどとしている。
エアトラベルバブルであって、いわゆる完全に隔離免除で往来を可能とするトラベルバブルとは異なる。
商業フライトと禁止されている中、二国間協定により特別便という形で相互の往来が実現するというものだ。
エアトラベルバブルが開始されても、タイ入国の際には、他の国からの旅行者同様に、Test&Goやサンドボックスや強制隔離有りといった入国ルールに従うことになる。
インドから大量の旅行者が完全隔離無しでやって来るわけではない。
インド帰国時の検疫事情については調べていないが、たぶん厳しいと思われる。トラベルバブルではないので、帰国時の検疫も通常通り実施されるはずだ。
ここ2年間というもの、タイへのインド人旅行者はほぼ皆無となっていた。
かつてパタヤでもあれだけ見かけていたインド人たちをまったく見なくなった。
インドからタイへの旅行が再開されれば、またインド人たちが戻ってくるだろう。
一気に大量のインド人がやって来るとは思えないが、少しはあの騒がしさが復活するかもしれない。
中国・マレーシアとのトラベルバブル
Test&Goは、隔離無しをうたっているものの、実際には制限が多い。
1日目と5日目のホテル予約・PCR検査が必須となっている。
パンデミック前のような気軽なタイ入国には程遠い状況だ。
また、Test&Goで入国したとしても、本国帰国時には隔離検疫が必要な国がまだまだ多い。
日本なら帰国時には3日間強制隔離+4日間自宅待機が必要だ。
せっかく隔離無しでタイに旅行できても、帰国時には強制隔離が待っている。
これでは観光客は旅行をためらい、タイへの旅行者大幅回復は難しい。
そこで、トラベルバブルが出てくる。
二国間協定により、相互の入国時には隔離検疫を撤廃するというものだ。
これが実現すれば、自由な往来ができて、観光客大幅回復が望めるのではないか。
先日、プラユット首相が、中国とマレーシアとのトラベルバブル交渉を開くと発表した。
まず、中国の観光大臣と二国間旅行の可能性について話し合う。
さらに、今月後半にはマレーシアとも会談予定だという。
2019年のタイへの観光客は約4,000万人で、その3分の1を中国とマレーシアが占める。
細かい条件はまだ不明だが、トラベルバブルでは旅行者は検疫は不要で、特別なビザと宿泊施設の手配で旅行を楽しむことができるとしている。
双方の旅行者数の割り当てについて合意し、新たな感染拡大を防ぐため、旅行者の移動に関する特定ゾーンを設定するとのことだ。
完全に開放するわけではなく、条件は課す。
ただ、お互いの国を往復する際には、強制隔離などの措置は不要というわけだ。
タイ側は、Test&Goで開放済み。
中国側は、まだまだ厳しい鎖国状態にあるといっていい。自国民の自由な海外渡航を制限している状況で、入国時には長くて厳しい隔離検疫が必要だ。
もし、中国側が海外渡航制限を解除し、トラベルバブル締結により隔離検疫も不要となれば、中国からの旅行者がタイに殺到するかもしれない。
とはいえ、旅行業界の見通しでは、大幅の観光業回復は今年後半以降になるだろうとのことだ。
早々に、タイがまた中国人観光客だらけになる日が再びやって来るわけではなさそう。
まとめ
まずは、タイはインドとエアトラベルバブルを締結。これでインド人観光客を呼び戻す。
次に中国とマレーシアだ。
マレーシアに関しては陸路国境を開き、トラベルバブルを締結すれば、タイ南部に多くのマレーシア観光客やビジネス旅行者が戻るだろう。
でも中国に関してはまだまだ時間がかかるはず。
中国やインドの団体旅行者がいないパタヤはもうしばらくは続きそうだ。
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