2月23日、タイのレムチャバンにアメリカ第7艦隊旗艦ブルーリッジが到着した。
また、それに先立ち、サタヒップの軍港には800人の兵士を乗せたアメリカのグリーンベイ号も到着。
東南アジア最大規模の合同軍事訓練であるコブラゴールド2020に参加することになる。
コブラゴールドには、アメリカのほか、タイ、シンガポール、韓国、インドネシア、日本、マレーシアが参加。
日本からは自衛隊を中心に240名が参加。
アメリカ兵は合計で4000人とのこと。
ソース:The Pattaya News
ソース:The Pattaya News
コブラゴールド2020は2月25日から3月6日までタイ各地で行われる。
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パタヤとアメリカ兵
レムチャバンもサタヒップもいわばパタヤの隣町である。
通常なら、兵士たちは休養をかねて、パタヤの街へ繰り出すことになる。
元々、パタヤはベトナム戦争当時のアメリカ兵向けの保養地(R&R)として発展した経緯がある。
パタヤ近くにはサタヒップという軍港もあるし、ウタパオという軍事空港もある。
バンコクからも遠くないため、絶好の保養地だ。
が、今回は、新型コロナウイルスの影響もあって、いろいろと制限されるようだ。
公式イベントとしては、タイの子供たちとの文化的交流や演奏会など。
はっきりしないが、兵士たちの夜の繁華街への外出は厳しいのかもしれない。
毎年のようにアメリカ軍はパタヤ近郊に立ち寄る。
そのたびに、パタヤの街にはアメリカ兵たちが遊びに来るわけだが、ここ数年はあまりその姿を見かけなくなったような気がする。
以前は、各バービア群入り口に、「歓迎アメリカ海軍御一行様」的な横断幕が掲げられていたものだが、それも最近は見なくなった。
アメリカ軍側の規律が厳しくなってきているのかもしれない。
まったく遊ばないわけではないが、あまり派手な動きをしなくなったような雰囲気だ。
昔のパタヤを知る古参のバービアママさんに話を聞くと、アメリカ海軍がパタヤに来る時は、それはもう一大イベントだったようだ。
若くてマッチョで金も持っているアメリカ軍兵士たち。
そりゃあもてただろうなあ。
バービア嬢たちの黄色い嬌声が響き渡っていたに違いない。
今でもママさんはアメリカ海軍がパタヤに来るというニュースを聞くと心底嬉しそうな顔を浮かべる。
バービアと鬼軍曹
わたしも以前はバービアでアメリカ兵と同席することがあった。
もう明らかに兵士だろうという筋骨隆々の男たちがバービアで遊んでいたものだ。
4,5人ほどのグループで、ほとんどは若い兵士だが、一人だけお目付け役なのか上官風の男も随行。
ドリンキングストリートでたまたま横に座ったのが、そんなお目付け役っぽい男。
30代後半くらいだろうが、髪は短く、目つきは鋭い。体は大きく、筋肉質ではあるが、けっしてマッチョなだけの体型ではない。力とスピードを兼ね備えた体つきである。
実際の階級は知らないが、まさに鬼軍曹といった表現がぴったりくる。
フルメタル・ジャケットの鬼教官やアバターの敵役を彷彿とさせた。
痩躯のひょろひょろ日本人からすると、もうその威圧感が半端じゃない。
きっと幾多の戦場で死線をくぐり抜けてきたに違いない。頭の中では砂漠や海岸線での戦闘シーンが勝手に流れていた。
絶対に勝てない。戦闘になったら、たとえ素手での戦いでも2秒で負ける自信がある。
と、同時に、こんな兵士たちと戦ってきた旧日本軍兵士や北ベトナム軍兵士ってすごいなと感心させられた。
さて、その時わたしはバービア嬢と4目並べをして遊んでいたのだが、もう鬼軍曹が気になって気になってゲームに集中できなかった。
すると、鬼軍曹がこちらのゲームに目を向けてきた。
わたしが円盤状のコマをどこに投入しようか迷っていると、鬼軍曹が目で合図を送ってくる。
そこじゃない、こっちだ、と。
そのとおりにすると、にかっと笑みを浮かべる鬼軍曹。
怖いような優しいような、そんな軍曹であった。
その時遊んだバービア嬢のことは微塵も覚えていないが、鬼軍曹の笑顔だけは忘れられない。
まあ、アメリカ兵とはいえ、普通の男。
わたしが単にびびりすぎただけのこと。
特に若い兵士たちは、リフレッシュ休暇でパタヤの夜を満喫したいもの。
その原動力は他の夜遊び目的旅行者と大差ない。
要は同志だ。
お目付け役の上官はちょっと怖いけど、もしも、アメリカ兵とバービアで一緒になった時は同じパタヤの夜好きとして楽しく飲めばいいんじゃないかと。
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