バンコクからホアヒン(フアヒン)へ行くことにした。
ホアヒンへ行くにはこれがはじめてだ。
昔ながらのタイ旅行好き、とりわけバックパッカーにとっては、タイのビーチといえばホアヒンとコ・パンガンが真っ先に思い浮かんだものだ。バックパッカーにとってはパタヤなど論外で、候補にすら上がらなかった。
今回はひさしぶりにカオサン通りに滞在して、ホアヒンへ行くことを思いついた。
バックパッカーといえばホアヒンだよねと。
というわけで、カオサン通りからホアヒンを目指す。ちなみに、Hua Hinのことをフアヒンと日本語表記することもあるが、ここではホアヒンという呼称を使う。タイ語の発音的にはフアヒンのほうが近い気もするが気にしない。
広告
バンコクからホアヒンへの行き方
バンコクからホアヒンへの行き方は、ざっくり4つ。
・電車
・ロットゥー
・バス
・タクシー
タイ国鉄で行くと、有名なホアヒン駅に着く。クルテープアピワット駅を午前7時30分に出発して、10時31分にホアヒン着の特別急行がある。運賃330バーツ。その次の列車は夕方となるため使いづらいが、3等車でよれば94バーツでホアヒンへ行ける。安さ重視なら列車で。
ロットゥーは、モーチット・ロットゥーターミナルから出ているようだが、狭い車で4時間ほどかかる。しんどい。バンコク南バスターミナルからもロットゥーが出ており、本数は多い。とにかく安く早く行くにはロットゥーがいい。
バスは、バンコク南バスターミナルから大型バスが出ている。評価の高いソンバットツアーによる運行なので安定感抜群だ。1日2本で、午前8時50分と午後2時50分発。本数が少ないのが難点だが、もっとも無難な選択。
タクシーが一番楽なのは言うまでもないけれど、価格高め。
カオサン通りから南バスターミナルはわりと近い。
ソンバットツアーのバスで行くのがベターだと判断。
今回はバスでホアヒンへ向かうことに。
ちなみに、スワンナプーム空港からはベルトラベルによるホアヒン直行バスが出ている。スワンナプームからはベルトラベル一択でいい。
早朝のカオサン通り
バンコク南バスターミナルを午前8時50分に出発するホアヒン行きバスに乗る予定。
逆算して起床時間を朝7時とした。
カオサン通りのど真ん中にあるホテルだが、奥まった部屋だったため、カオサン通りの熱狂的な騒音は部屋まで届かず、夜はちゃんと熟睡できた。
きちんと7時前には目が覚めた。なんて健康的だ。
気持ちのいいカオサンの朝。
カオ散歩だ。
猫は起きている。
人間の酔っ払いはまだうろうろしている。
宿泊しているD&Dインの前でタクシーがたむろしている。
散歩ついでに、タクシー運転手と南バスターミナルまでの運賃の交渉をしておく。
バンコク南バスターミナルのことは、ボーコーソーサイタイマイとでも言えば通じる。
最初の言い値は400バーツだった。おいおい、この近距離で400バーツはないだろう。鼻で笑って、交渉破棄。「ペーンクンパイ(高すぎる)」と言い残してその場を去る。
追いかけてくるドライバー。タイ語のみで交渉開始。あっという間に値が下がっていく。最後は200バーツになった。言い値の半額だ。
これでもまだ高いように思う。
でも、GrabとBoltで調べてみると、170バーツと表示される。距離からすると高い。おそらくは朝の渋滞のせいで高い価格帯を設定しているのだろう。しかも車が少なくて、ピックアップまで15分かかる。これは拒否される可能性もある。マッチングしない配車アプリは意味がない。
タクシーだとその場ですぐに出発できる。待ち時間ゼロだ。
タクシーのほうが無難と判断し、200バーツで手を打つ。
ちなみにカオサン通り近くのバス停から南バスターミナル方面へ向かうローカルバスも出ているが、Googleマップで調べたところ、所要時間は1時間とのこと。
バスは考えないようにした。もしホアヒン行きのバスに乗り遅れたら大変だ。
一度部屋に戻り、ホテルをチェックアウトしてから、ふたたびタクシーのドライバーの元へ。
「200だぞ」と念を押しておく。
バンコク南バスターミナルへ
午前7時30分ちょうどにカオサン通りを出発。
カオサン通り周辺は渋滞気味だ。
すぐ近くのピンクラオ橋付近ではさらに渋滞。なかなか進まない。
通勤通学の時間帯ともあって、バンコクの渋滞につかまると大変だ。
橋をわたりきると比較的流れ出した。
7時55分、南バスターミナルに到着。
所要時間は25分だった。
距離から考えると、かなり時間がかかった。
もしバスを利用してたら、1時間コースだったかもしれない。
スクンビットやシーロムあたりからバスを利用したら1時間どころでは済まないだろう。
午前8時50分発のホアヒン行きバスに乗りたいならば、早め早めに南バスターミナルを目指したほうがよさそう。
不便なところにあるんだわ、ここ。
地図
どうしても安く上げたいならばバスを利用すること。ただし時間がどれだけかかるか予測できない。
昔、南バスターミナルからファランポーン駅までローカルバスで移動したことがあるけれど、それはそれは長い道のりだった。
スクンビットやシーロムから行く場合は、高架鉄道のレッドラインのタリンチャン駅まで行くといいかもしれない。地下鉄バンスー駅でレッドラインに乗り換えてタリンチャン駅まで行ける。
開業して間もないレッドラインのタリンチャン駅が、南バスターミナルの最寄り駅となるはず。
(地図情報:Googleマップ)
タリンチャン駅から南バスターミナルまでは2.6km、徒歩37分。
タリンチャン駅からバスターミナルへのローカルバスやソンテウなどがあるかは不明。バイクタクシーくらいは待機していると思うけれど、なにせできて間もない駅だけに周囲には何もなさそうだ。
個人的には素直にタクシー利用がいいとは思うけれど。
ホアヒン行きバスチケット購入
バンコク南バスターミナル(サイタイマイ)は主にタイ南部方面行きのバスやロットゥーが使っている。
地上階部分はロットゥー乗り場だ。直接チケットを購入する。
ホアヒン行きロットゥーは本数が多いようだ。
ちなみに、カオサンの旅行代理店でカオサン発ホアヒン行きのバスチケットを購入すると、カオサンから南バスターミナルまでバンで運ばれて、そこで一般のホアヒン行きロットゥーに乗り換えさせられるという話だ。
ハイシーズンで利用者が多いとカオサンからホアヒンへの直行バスもあるかもしれないが。
南バスターミナルから、パタヤ行きのロットゥーも出ている。
乗客の数次第だろうけど、ミニバンではなくマイクロバスでの運行となるようだ。
運賃160バーツ。
パンデミック前までは、パタヤと南バスターミナルを結ぶ大型バスが運行されていたが、ずっと運休のままだ。
よって南バスターミナルからパタヤへはロットゥーを使うしかない。
長距離大型バスのチケット売り場は、建物内の3階にある。表記上は2階だけど、日本人の感覚では3階となる。
だだっ広いスペースにチケットブースが並ぶ。
ソンバットツアーの大型バスチケット売り場は、ブース番号49と50。
ブースの上部には、Sombattourと小さく書かれている。
ブースの並びの裏側にあるため、ちょっとわかりづらい。
そのへんにいる人に「ソンバットツアー」とか「ホアヒン」と言えば、ブースを案内してくれるはず。
窓口にはソンバットツアーのタイ南部行きの時刻表が貼ってある。英語付き。
Huahinは、VIPが1日2本。8時50分と14時50分だ。
運賃は291バーツ。
他に、ラノーン行き、スラタニー行き、プーケット行き、サムイ島行き、トゥンソン・チィアンヤイ行きがある。
トゥンソンとチィアンヤイはナコンシータマラート県の地名だ。
さくっと、ホアヒン行きのバスチケットを購入。パスポートの提示が必要だった。おそらくは、タイの運転免許証とかそういった身分証明書でもオッケのはず。
その場で座席指定もできる。
今のところ1席しか埋まっていない。
VIPは、1-2のシート配列だ。
1席シートを余裕で確保できた。
なお、ソンバットツアーのホームページで事前購入もできる。
実は前日に空席状況を確認はしていたが、この時点でも1枚しか売れていないようだった。
よってわざわざ事前購入しておく必要はないと判断。
当日寝坊してバスを乗り過ごす心配もあったし、直接購入で問題ないだろうと。
チケットは確保した。あとはプラットフォームへ向かうだけ。
時刻は8時2分。まだまだ出発まで時間はある。
地上階に降りて、食事を取っておこう。
少ないながらも食堂や屋台が出ている。カフェ・アマゾンもある。
目立つのはカオマンガイ屋。
カオマンガイの並盛が60バーツ。ちょっと高い。
しかも量が少ない。びっくりするほど少ない。
でも味はすごく良かった。
肉もタレもスープもおいしい。
旅立つ前にいいものが食べられた。
出発
もう一度ターミナルビル内に戻り、出発プラットフォームへ。
大型バスはプラットフォームが決められている。
ソンバットツアーのホアヒン行きバスはすでに待機していた。
他の乗客はまったく見当たらず。
プラットホームにはあまり人がいない。南バスターミナル、ちょっと寂れているような印象。もしくは夜行バスが多いのかな。
8時40分、ドライバーが出てきて、乗車開始と告げられる。
車内は無人だ。
VIPのシートは豪華だ。
綺麗で座り心地もよし。シートピッチは広くて、足は思い切り伸ばせるほど。リクライニングも自在。
各席にはUSBポートも付いている。
ペットボトルの水が一本だけ配られた。
車掌はいない。
昔ラノーンから南バスターミナル行きのソンバットツアーバスを利用した際は、ちゃんと車掌もいた覚えがある。
結局、他の客は一人しかやって来なかった。
あれから誰もチケットを購入しなかったらしい。
乗客二人のまま、バスは定刻より10分遅れの9時ジャストに出発。
ドライバーは一人なので、この大きなバスに3人しか乗っていない。
採算はまったく取れていないだろうなあ。大丈夫か、この路線。
まあ、がらがらのVIPバスはとにかく快適で、乗客としては文句ないけれど。
地図
バンコク市内を抜けて、バスはひたすら南下していく。
特に代わり映えしない風景なので、あまり写真を撮る気にもなれず。
淡々と走るバスは眠気を誘う。
うつらうつらしながら、ホアヒンへひた走る。
途上、ほぼノンストップだった。
チェックポイントらしきところで2回ほど止まったかなというくらい。
途中で乗客を拾うこともなければ、トイレ休憩も食事休憩もなかった。
バスにはトイレ完備のため問題なし。食事は出発前に取っておいて正解だった。
バスはかなり南まで下ってきた。
進行方向左手が海のはずだが、全然見えない。
むしろ山。
開けてきたところは、どうやらチャアムらしい。
ペッチャブリー県のリゾート地だ。
高級そうなコンドミニアムがぽつんと見える。
ホアヒンはチャアムの隣町というべき立地。
もうすぐだ。
ホアヒン到着
ホアヒン市街地に入ってきた。
バスの終点は、ソンバットツアーホアヒンとなる。ホアヒン中心部に近いけれど、少し距離がある。
でも途中降車も可能だ。
もう一人の乗客が運転手になにか告げて、バスを止めていた。
時計塔のそばが降車ポイントとなっており、ここで下車していった。
時計塔地図
スターバックスのすぐ隣が時計塔だ。
時計塔前のゼブラゾーンに駐車して人の乗り降りができる。
この降車場所からは、ホアヒンビーチと鉄道駅へ通じるメイン通りに近い。
ホアヒン中心部にホテルを取っていたり、すぐにホアヒンビーチへ行くのであれば、この時計塔で下車すること。
事前に運転手に告げておけばいい。時計塔のことをタイ語で「ホーナリカー」という。
今回は、はじめての土地、はじめて乗るバス路線ということで、土地勘がまるでなく、降車場所がよくわからなかった。
もうひとりの乗客と一緒に時計塔で降りるべきだったが、タイミングを逸してしまった。
ドライバーに告げると、マーケットヴィレッジ前で降ろしてくれるという。
12時25分、マーケットヴィレッジ前で下車。
バンコク南バスターミナルからの所要時間は3時間25分だった。
特に渋滞もしなかったが、これくらいかかった。
バスは安全運転で、飛ばすこともなく、快適なバス旅となった。
遠ざかっていくバス。ここまでありがとう。
マーケットヴィレッジはフアヒンを代表するショッピングモール。
ここからから歩いて中心部まで戻る。
予約してあるホテルは鉄道駅のほど近くにある。さきほど通り過ぎた時計塔からも近い。
まっすぐ歩道を歩くだけ。
歩道を進んでいると、前方から馬が歩いてくるではないか。
おお、さすがホアヒンだ。
イサーンの田舎だと、象が歩いていることがあるけれど、ホアヒンでは馬。
歩道の上に残されるのは馬糞である。
インドのバラナシの牛糞を思い出した。
15分ほどで時計塔近くのホアヒン正門らしき交差点にたどり着く。
というわけで、ホアヒン到着だ。
はじめての街はいつでも楽しみ。
まとめ
かかった費用。
カオサン通りから南バスターミナルへのタクシー:200バーツ
南バスターミナルからホアヒンまでのバス:291バーツ
合計491バーツ
一バーツでも節約したい人は、鉄道で。
ソンバットツアーのバスはとにかく快適だった。
バンコクからホアヒンへはソンバットツアーのバスで決まりだ。
バンコク南バスターミナルの場所があまりにも不便なのが残念。あと、ソンバットツアーの客があまりにも少ないのも気になる。廃線にならなければいいけれど。
広告