外国人観光客が来なくなって7ヶ月となるパタヤでは、様々な物価が下がっている。
ここではパタヤの物価下落と価格破壊について述べていこう。
家賃の値下げ
まずわかりやすいところではホテルの宿泊料金。
通常時の半額もざらだ。新規の外国からの観光客がまったく望めず空室だらけなのだから安くなるのも必然。
週末はローカルタイ人がパタヤに遊びに来ることがあるが、元々外国人向けに営業しているホテルはどうしようもない。
ソイダイアナにある日本人にも有名なアレカロッジは700バーツで朝食付きのプロモーションを行っている。通常時なら、1泊1500バーツはするだろう。
ローカルアパートは、大家や地主が店子の経済状態を案じて値下げを行っていることが多い。たとえば月4500バーツの家賃を3500バーツにするといった具合だ。
コンドミニアムも同様で、2割引程度はごく普通。
オーナー自ら割引を申し出て、頼むから契約延長してくれと泣きついてくることもある。
今から新しい借り手を探すのはきわめて難しい。
新規でコンドミニアムを借りる場合も当然のように平常時よりもかなり安くなっている。
通常時で1ヶ月契約15000バーツくらいの部屋を年契約すれば7000バーツほどに下がる。
かつては中国人旅行者があふれていたThe Baseまでも大幅値下げ中。
とにかく利用者がいないので、値下がりがとまらない。
もはや半額セール状態である。
むろんコンドミニアムの売却価格も下がっている。
テナントの賃料も値下げとなることが多い。
バービアでは営業しないなら家賃は取らないという地主や大家もいる。
むろん、中には一切の値引きには応じないという強気なオーナーもいるが、おおむね割引されているようだ。
まず、衣食住の住が値下げになった。
食の値下げ
次に食が安くなっていった。
衣は後回しの印象。
タイでは年中同じ衣服で過ごすことも可能だし、まずは住むところと食べるものが優先。
そもそもパンデミック初期のころは、店内飲食そのものが禁止されており、テイクアウトのみで営業していた。
また、仕事を失った人のための炊き出しも盛んだった。
その状態では、大幅割引云々といった事態には発展せず、とりあえず人々に生きる糧を与えるのが先決であった。
バーは営業できず、そのかわりにクイティアオや惣菜を売る店も出てきた。
規制が緩和され、店内飲食も可能となるにつれ、様相が変わってきた。
外国人観光客が当分やって来ないとわかったこともあり、タイ人向けにシフトしていく店が増加。
さらには、価格下落現象が始まる。
20バーツや30バーツで一食を提供する店が登場。
中には、おかず10バーツを売りにする店もある。
ここ最近、一番目立つのが激安ムーガタ店だ。
99バーツと大きく宣伝したムーガタ屋が激増している。
89バーツをうたうムーガタ屋まで登場した。
普通のレストランやステーキ屋までムーガタ屋に転身している。
すべてが食べ放題というわけではないが、とにかく安い。
ひたすら安い。
安くて腹いっぱい食べられる。これがムーガタの魅力であり、今のパタヤで客を呼ぶにはこの方法が一番ということなのだろう。
さすがにこれだけ乱立すると、客が分散して、しだいに淘汰されていくだろうけど。
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飲み代の値下げ
7月1日にナイトスポットが再開した。
外国人向けのバーも営業を再開。とりわけ長期滞在外国人多いソイブッカオ界隈は多くのバーが営業している。
再開当初は以前のままの料金体系で提供していた。
が、短期旅行者のいない状況では、客は集まらない。
そこで、各店でプロモーションを展開していくことになる。
ハッピーアワーで瓶ビール60バーツだ、50バーツだ。
いや44バーツだと。
安さを売りにして客の奪い合いである。
ついには、ビール40バーツを売りにする店も出てきた。
通常の食堂やムーガタにも言えるが、こうなってくると、もはや出口の見えない値引き合戦だ。
それでも客を呼ばないことには商売にならない。
なお、ウォーキングストリートの飲み代は特に安くはなっていない。
通常通りのハッピーアワーをやめている店もある。
ただしバーファインを値下げしているバーは出ている。
レンタルバイク月1500バーツ
最後に取り上げるのがレンタルバイク。
パタヤには無数にレンタルバイク屋がある。
たぶん世界一のレンタルバイク密集地だと思う。
スクーターなら1日150バーツから200バーツ程度が相場だろうか。
一週間借りるなら値下げできる。ソイブッカオ界隈の安い店なら1日100バーツも可能。
シーズンによるが、1ヶ月なら2500バーツから3000バーツ。
短期でバイクを借りるのは、ほとんどが外国人観光客だ。
タイ人はレンタルせずに自分で買う。また、在住外国人もバイクを購入することが多い。
レンタルバイク利用者の大半は外国人短期旅行者ということになる。
短期旅行者が7ヶ月来なくなったパタヤでは、新規のレンタルバイク利用者はほぼ皆無に等しくなってしまった。
パタヤ近郊から遊びに来る在住外国人が少し利用するくらいなもの。
もはやレンタルバイク屋は開店休業状態である。
そこで大幅値下げである。
ついには、マンスリーで1500バーツのレンタルバイク屋まで現れた。
一日あたり50バーツである。
165円でバイクが借りられるのだ。
さすがにこの価格にはびっくりした。
ここまでしないと客が来ない。いや、ここまでしても客は来ないのだ。
それはホテルやアパートやコンドミニアムやバーやレストランも同じ。
特に外国人観光客目当ての店は顕著。
営業すらできずにいる。
営業できているだけマシというものだ。
これが今のパタヤである。
まとめ
この終わりなき値引き合戦と価格破壊と物価崩壊はいつまで続くのだろうか。
体力がなくなった店は閉めざるをえない。
タイ人と在住外国人相手の激安店だけでパタヤの街を維持していくのは無理がある。
在住外国人としては、現在のパタヤの物価下落は歓迎すべて事態ではある。
家賃は安くなるは、食事代は安くなるは、飲み代は安くなるは、で嬉しいかぎりだ。
再開していない店があるものの、営業しているバーはたくさんある。別に不自由はしない。すべて再開したところで、どうせ回りきれるものではない。
今の店舗数でも多すぎるくらいだ。
でも、今の店舗数がこれからも維持できるとも思えない。
このままでは、もっと多くの店が撤退していくだろう。
今年を乗り切れる店がどれだけあるか。
パタヤは雨季が終わって過ごしやすい。
鬱陶しい外国人団体客もゼロ。
物価は下がる一方。
本当に今のパタヤは最高といえる。
でもこんなのはパタヤじゃない。
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