週末のパタヤ・ソイ7を訪れた。
知り合いのボスが経営するバービアである。
聞こえてくるのは悲嘆の声ばかりであった。
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パタヤソイ7
パタヤのソイ7とえいば、隣のソイ8と合わせて、パタヤを代表するバービア通りである。
以前に比べると減ってはきているが、それでもすごい数のバービアが軒を連ねている。
時刻は深夜1時過ぎ。
まずは、ソイ7とソイ8をぐるりと一周して様子をうかがう。
びっくりしたことには、とにかく客がいない。
ソイ7でもほとんど人が歩いていない状況だ。
唖然とした。
もちろん、バービア内にも客が座っていない。
これほどまでに閑散としたソイ7は初めて見たかも。
それも週末である。
いくら深夜の時間帯でもこれはひどい。
本当に驚いた。
たしかにここ1,2年でソイ7とソイ8から客が減ってきている。
中国人やインド人が増えたビーチロードをファランは嫌い、ソイ7のバービアからソイブッカオ方面のバービアに流れている。そもそもパタヤからファランが減っている。
そこに追い打ちをかけるかのように新型コロナウイルスである。
これまでは、バービアに客が入って来ずとも、中国人グループが通りを歩いていて、それなりに人通りはあった。
インド・アラブ系もけっこう歩いていた。
でも、中国人はほぼ消滅した。インド・アラブ系は特に減っていないはずだが、不思議とソイ7では見かけなくなった。
週末の状況としては、壊滅的なソイ7だ。
苦境のバービア経営
唖然としながら、昔から知り合いのバービアボスに会う。
ごくごく普通のソイ7のバービアである。
コの字型カウンター席がメインにテーブル少々、それにビリヤード台。
満員ともなれば30人は収容できそう。
が、当然のように客はゼロ。
両隣のバービアも客がゼロ。
ボスと会っていきなり聞かされたのが身売り話であった。
このままではやっていけない。
売上が激減している。
昨日は3000バーツしか売上がなかった。隣のバービアなんて1500バーツ。
ボスはスタッフに命じて本日これまでの売上伝票を持ってこさせ、シンハーが何本、ハイネケンが何本と売上を数えながら頭を抱えていた。
家賃、光熱費、人件費もろもろの経費を考えると、どう考えても黒字にならない。
毎月赤字を垂れ流していくばかり。
しかもこんな状態なのに、地主は家賃の値上げを強行するつもりだ。
もうやっていけない。資金がもたない。
早く売り払って撤退したいと。
ここ1年ほどは売上が落ちてきていた。
それ以前は、普通に儲かっていて、経費を引いても月の利益がそれなりにあった。
開店時の投資は回収できている。
あとは儲けを増やしていくだけのはずだった。
が、ここ1年で売上が減少。このバービアにかぎらず、ソイ7全体に言えることだ。
さらに新型コロナウイルスで客足が激減。
もう限界。
ソイ7はパタヤ屈指のソンラクーン水かけ激戦区で、客がどんどんやって来る。
できれば、ソンラクーン明けまでは営業を続けたいところだが、それも厳しい状況。
日本のみならず、タイでもイベントの中止延期が相次いでいる。
このまま推移すれば、今年のソンラクーンもどうなるかわからない。
ソンラクーン自体は行われるだろうが、客が来ないとどうしようもない。
毎月の赤字が膨らんでいく。
これまで貯め込んでいた収益金がどんどん目減りしていく。
事態が終息すれば、ある程度客足が戻ってくるのはわかっているが、いったいいつになるのかわからない。
それまで資金面の体力がもたない。
それだったら、さっさと売り払って、しばらくは身を潜め、また好況になったらどこかで商売を再開したほうがいいと。
聞こえてくるのは悲壮な叫びと切実な愚痴ばかりであった。
まあ、タイ人のことなので、多少はオーバーな表現を使っていたり、時に笑いを交えて話していたが、本当にびっくりするほど客がいないソイ7を見ると、その叫びは真実にしか思えない。
ソイ7のこれから
ウォーキングストリートは人が少なくなったとはいえ、それなりの客足は維持している。
が、ソイ7バービア群はひどいもの。
今が正念場。
でも、このままでは撤退していくバービアが増えていきそうな気がする。
すぐに動ける資金がある経営者は、やはりファランの多いソイブッカオやツリータウン方面への移転を考えているようだ。
また、ソイ7自体、大幅にリニューアルを考えているようで、バービアをやめてホテルを増やしつつある。
テキーラリーフなど老舗のファラン向けレストランもすでに移転している。
ソイ7からバービアの灯が消えるような事態だけは避けてほしいと切に願う。
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