たこ焼きが食べたいのである。
理由はない。
食べたいから食べたい。
が、ここはタイのパタヤである。
おいそれとは、たこ焼きが見つからない。
まあ、日本人経営の居酒屋とか、日本食レストラン(FUJIとか8番ラーメンとかすき家)に行けば、メニューに載っている。そんなことは百も承知。実は、パタヤでもたこ焼きは簡単に食べられる。でも、それは何か違う。やはり、あくまでローカル向けの屋台で食べたいではないか。
また、以前こんな記事も書いた。
⇒タイの冷凍たこ焼き。意外とダシがきいていて、しっかりとたこ焼きしている。
冷凍食品のたこ焼きだ。意外と悪くなかった。きっちりダシを取った生地で、わりとおいしくいただけた。
でも、これやない。きっちり鉄板で焼いた、焼きたてほくほくのたこ焼きが食べたいんや。
そんなわけで、繰り出したのがテパシットのナイトマーケットであった。
ここにたこ焼き屋台が出ていることは、地元タイ人の友人から情報を得ていた。
期待半分の気持ちでテパシットへ向かった。
そして、わたしは、予想を遥かに裏切られる形でリアルたこ焼きに遭遇したのであった。
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テパシットナイトマーケットのたこ焼き
テパシットナイトマーケットには、タイ料理、洋食、ケバブ、日本食、ベトナム料理など、さまざまな露店が所狭しと並んでいる。
詳しい行き方などは、この記事を参考に。
関連記事:パタヤ・テパシットのナイトマーケットは楽しいよ。ソンテウでの行き方も解説。
そんなナイトマーケットの一角に2軒のたこ焼き屋を発見した。
やはり、ここにはたこ焼き屋台が出ていた。
普通のたこ焼き屋
まず1軒目。
見慣れた鉄板で焼かれているたこ焼きたち。
生地が垂れまくっているのが気になるが、それなりにおいしそうに見える。
どっからどうみてもたこ焼きだが、具材表記を見てみると、ちょっとげんなりさせられる。
チーズとかハムとかカニカマなどなど。
タコの絵が書かれたものにした。これなら普通のたこ焼きだろう。
一皿40バーツ。6個入りだ。
ちなみに、どれでも好きな具材のものを選択可能。チーズ入り3個とイカ入り3個で合計6個といった具合。
ソースとマヨネーズをたっぷりかけてから、ノリをふって完成。
広場の端っこに座って、いざ実食。
うーむ、うーむ、三度うーむ。
生地がダメだよなあ。
まず生地の量が多すぎる。たこ焼きはボール状だけど、中はある程度空洞になっていないとほくほく感とトロトロ感が出ない。ここのたこ焼きは、ほぼ中身が詰まってしまっている。
しかも、この粉っぽい生地である。
外回りの焼き加減は、カリカリではなくて、ふにゃふにゃタイプ。
タイのローカルのたこ焼きは、揚げたこ焼きが多いけど、ここは普通に油を引いた鉄板で焼いている。
カリカリかふにゃふにゃかは、日本でも店舗によって違うし、好みの問題でもあるので、多くは語らない。
でも、外回りがふにゃふにゃで、中身まで粉で詰まっているんで、なんだか粉の固まりを食べている気分にさせられた。
でも、6個中1個だけ、きちんと空洞部分ができていて、それなりにほくほく感が味わえた。
この1個のみアタリ。あとはダメですな。
ソースは、甘口のたこ焼きソースで、それほど悪くない。マヨネーズが甘ったるいのもしょうがないか。
ちなみに、千切りキャベツが添えられていた。
このたこ焼きでは積極的リピートは無しです。
40バーツと比較的安いんで、ナイトマーケットを訪れたついでに食べるならアリかな。
巨大イカ入りたこ焼き
と、お次が真打ちの登場である。
もう一軒のたこ焼き屋だ。
店頭に並んだ見本がこれ。
どうみても、たこ焼きじゃないだろ、これ。
ギーガーがデザインしたエイリアンみたいじゃないか。
もしくは、大昔のファミコンゲーム「メトロイド」に出てくる敵キャラみたいだ。
よくいえば、ヤドカリみたいなたこ焼きである。
焼いているところ
ほとんどイカしか見えない。
店員に確認すると、TAKOYAKIだという。
料金は、3個で59バーツ。5個で89バーツ。なかなかのお値段。これだけ巨大なイカ入りなので、やむを得ないところか。
さっそく購入してみた。
普通のたこ焼きと同じく、ソースとマヨネーズをかけて、ノリをふりかける。
熱々ほくほくだ。
一気に食べるとやけどしそう。
熱さに加えて、イカが巨大すぎるがゆえに、たこ焼き丸ごと1個を口に放り込むのはきつい。無理。
まずはイカを食べて、それからたこ焼き部分を食べる流れとなろう。
イカは普通においしい。ぷりぷりの食感だ。ソースにも合う。
たこ焼き自体は、たっぷりの油で揚げた、揚げたこ焼きで、外はカリカリ。でも中はとろとろ。生地もしっかりしていて、粉っぽくなく、まさにカリトロタイプのたこ焼きだ。でも、巨大イカのせいで、たこ焼きはボール状ではなく、半円形。
うーむ、このクオリティで普通にたこ焼きを作ってくれたらいいのに。
しかも、1軒目の店よりも、ソースはより本格的な味。マヨネーズは似たようなものか。
巨大イカはともかく、1軒目よりはるかにたこ焼きらしいたこ焼きだ。
いや、やはり、この店は巨大イカ入りが売りなのだ。これはこれでいい。
おいしいんで文句は言うまい。これがここのたこ焼き。
まあ、たこ焼きと言うより、たこ焼き付きイカ焼きと呼ぶべきなのかもしれんけど。
日本でも売ればいいのに。ま、ヒットはしないかもしれないが、新種のたこ焼きとして、少しは話題になると思う。
これはアタリです。リピートありですな。
やや値段は張るが、次回は5個89バーツを購入して、思う存分、イカとたこ焼きを堪能したいと思う。
ギーガーあるいはメトロイド風たこ焼き、恐るべし。
まさか、こんな形でパタヤのたこ焼きに出会うとは思ってもいなかった。
巨大イカ入りたこ焼きが食べたい人は、テパシットのナイトマーケットへどうぞ。
最後に、蛇足知識。
タイでは、イカとタコを区別していない。どちらもプラームックだ。イカの一種として、プラームックなんたらという表現があるらしいが詳細は忘れた。
そもそも、イカの種類なんてタイ人の多くは把握していないし、気にもしていない。スルメイカだろうがホタルイカだろうが、タイ人に聞いても、プラームックとしか答えてくれない。イカはイカ。それ以上でも以下でもない。タコもイカも同じものだ。
だから、たこ焼きという名称のものにイカが入っていてもおかしくないのである。
さらに蛇足。
イカの足は、日本では、下足。
英語では、テンタクルズ。触手、つまり手だ。
で、タイ語では、ヌアット。マッサージのヌアットじゃないよ、髭(ひげ)のヌアットだよ。
どうして、足でもなく手でもなく、ヒゲなのか?
問い詰めてみると、イカの絵を見せられて、「ほらここにあるのが口でしょ、そのまわりに生えているからヒゲなのよ、どうわかった?」と逆に言い返された。
いやいや、ヒゲが自由自在に動いてモノを掴んだり歩いたりするものか。
タイ人の発想はよくわからんが、そういうもんだと思うしかない。
以上、下足ならぬ蛇足でした。
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