沈没日記47
(つづき)
バンコクの夜。
午後11時頃に、ようやく夜の街へ繰り出そうと、ホテル1階に降りると大雨が降っていた。
窓のないナナスタジオの部屋からは外の様子がまったくわからない。
フロントに申し出ると、傘を貸してもらえた。
このお姉さん、なかなかの色気がある。
傘をさして、ナナプラザへ向かう。
雨のスクンビット路上は本当に鬱陶しい。
夜になれば、無数の露店が歩道上に出現する。
露店には雨除けテントがはってあるが、歩道の上をすべて覆っているわけではない。
傘を閉じたり開いたり、実に面倒臭い。
パタヤのように気軽にソンテウに乗れればいいのだが。
なんとかナナプラザへ到着。
ここまで来てしまえば、雨はほとんど関係なし。
ナナプラザ
昨年の12月以来の夜のナナプラ。
前回は店名を変えたレインボー四に入ったような覚えがある。
さて、今回はどうするか。
とりあえず、2階へ登ろう。
エスカレーターを登った先では、必ず呼び込みの攻撃を受ける。
「アイ リメンバー ユー」が常套句。
いや、ゼッタイ会ったことないだろうに。
と、レインボー4があった場所にたどりつくと、別のゴーゴーバーに変わっていた。
TWISTER BAR(ツイスターバー)だったかな。
(翌朝撮影)
ちょうどママさんがいて、しきりに勧誘を受ける。ニューオープンして一ヶ月ちょっととか。
中をのぞいてみると、昨年末に訪れた時のレインボー4よりも、はるかに活気がある。ダンスステージ2つにうじゃうじゃとダンサーたち。
とりあえずのぞいただけで撤退。
レインボー4はどこにいったのか。
すぐ隣にあった。
また移転か。ややこしいやつだ。
店名は、完全にRAINBOW4となっている。でも、謎の「レインボー四」という日本語看板はそのまま。
よくわからんが、とにかくここが新生レインボー4なのだろう。
これまた、のぞくだけ。
正直なところ、ツイスターバーのほうが、活気があるしダンサー数も多い。
スルーしよう。
2階のレディボーイゴーゴーの呼び込みも危険だ。特にDC10あたり。
やつらの力は半端ない。それも二人がかりでやって来る。
力で対抗すると負けるので、脱力して無になろう。存在感を消して、すぅーと通り抜ければ大丈夫だ、たぶん。
2階はここまで。
3階まで登るのは面倒だし、1階に降りる。
レインボー4は残念だったが、ナナプラザといえば、やはりレインボーグループを置いて他にない。
まあ、わたしはこれまでレインボーでは一度もペイバーしたことないけど。
あるのは、1階のロリポップ(現サッカーズ)で2回と、今はなくなった店舗型のバービアみたいな店で1回だけ。
ロリポップは5年くらい前の話だが、当時ですでにロング4000バーツだった。ショートが2000。
バービアみたいな店はロング3000だったような。
SUCKERS
現在のナナプラザでは、ショート2500か3000、ロング5000という話を聞く。
これではペイバーする気にはなれないが、ここまで来たんだから、せめてきちんと店に入ってドリンクを飲もう。
RAINBOW1(レインボー1)
入ったのはレインボー1。
ビールもコーラも155バーツ。うーん、バンコクプライスだ。
レディドリンクが150バーツと書いてある。LDのほうが安いのね。パタヤとは大違い。
時刻は午後11時半頃。
天気も悪いし、客入りは惨憺たるもの。
広い店内には、わたし以外の客は3人しかいなかった。
レインボー1ってこんなもんだったかなあ。
ダンサーはどうか。
これまた厳しい。
一軍どころは刈り取られたのだろうか。
とりあえず、気になったのは2番と40番。
2番の胸はシリコン入りだろうけど、顔面はあまりいじってなさそう。スタイル抜群とはいえないが、日本人好みの顔立ちで、なかなかのもの。
40番は、とにかくスレンダー。顔はともかく、あのスタイルはすごいね。
あとは、特に感想なし。
別にパタヤのゴーゴーバーと大して変わらない。
ウェイトレスのおばちゃんと軽く絡みつつ、ステージを鑑賞。
2番がしきりにアピールしてくるが、もちろん笑顔でやんわりと受け流す。
各種料金の調査をしようかと思ったが、面倒になり、チェックビン。
どうも、わたしにはレインボーは向いていない。
というか、やはりドリンク代がネックだな。
飲み歩くには少々きつい値段設定だ。
ただ、ゴーゴー嬢たちからのドリンク奢って攻撃がほとんどないんで、じっと見ているぶんには気楽なものだ。まあ、あんまり楽しくないけど。ここは、即決即断でペイバーして、2階のやり部屋にしけこむのが正しい遊び方なのかもしれない。
ナナプラザをあとにするが、ナナホテル前のたちんぼも雨のせいか、数が少ない。
スクンビットを渡って、ソイ7のビアガーデンへ。
深夜0時だが、まだ絶賛営業中。
軽くのぞいてみるも、年齢層高めのおばさんたちがちょろちょろいるだけ。
ここもスルーだ。
テーメーカフェの日本語
ビアガーデンときたら、次はテーメーカフェでしょう。
雨はようやく上がってきた。
傘はいらないけれど、今度は露店のテントの上から水が落ちてくる。やっぱり歩きにくい。
入り口のレディボーイたちの勧誘をスルーして、階段を降りる。
今日も大賑わいのテーメーカフェ。
女性陣のほうが男性客よりも多い。
でも、韓国人が増えたなあ。
とはいえ、まだまだ日本人がメイン。
飛び交う日本語。
テーメー女子たちとの日本語での会話が、妙に楽しいぞ。
パタヤで夜の女性が話す日本語を聞く機会なんてまず考えられないんで、えらく新鮮だった。
100バーツのビール片手に場内を4,5周したかな。
片っ端から声をかけて、日本語で会話。たまに、相手の日本語レベルに応じてタイ語に切り替えるくらいで、基本は日本語だ。それがいい。それでいい。
タイに来てまで日本語かよとずっと思ってきたが、すれっからしのタイ夜遊び旅行者となった今では、日本語での会話が逆に楽しくてしょうがない。
自分でもちょっとびっくりするくらい楽しかった。
これが、タイ夜遊びの回帰現象なのか。
気になる子がいたが、とりあえず、店をあとにする。
スクンビット路上屋台と大雨
わたしが好きなのは、スクンビット路上屋台だ。
夜遅くなると、歩道の上にたくさんのテーブルが並べられて、食事を取ったり酒を呑んだりできる。
カオパットのような定番タイ料理から、チムチュムまで食べられる。
酒はビール瓶を頼めば、氷も持ってきてくれる。
深夜とはいえ蒸し暑いスクンビットの路上で氷入りのビールを飲みながら、たまたまテーブルに相席したタイ女性相手におしゃべり。
この時間が大好きなのだ。
ここにもフリーの女性たちがいて、テーメーカフェよろしくお持ち帰り可能だ。
単に酒を飲んでいるだけのように見える女性も、ほとんどお持ち帰りオッケーだったりする。
特にナナプラザなどが閉店する深夜2時以降は、店の女性たちが流れてくるので、さらに賑わいを見せることがある。
都会のど真ん中の真夜中だとは思えない状況だ。
過去、何度かお持ち帰りしたことがある。
だいたい20代前半から中ほどの女性が多かった。
数年前でショート1500。現在はおそらくショート2000だろう。2500と言われるかも。
もちろん話をするだけでもオッケー。
ビールやつまみを奢ってあげれば、喜んで話相手になってもらえる。
日本語通用度も高いが、テーメーカフェほどではないかな。
ファラン客もいるんで、英語のほうが通用度は上。
タイ語が話せればなおよし。
が、タイ語や英語が苦手な人でも、心配無用。
近くには仲介役のおばさんがいて、簡単な日本語で通訳してくれるからだ。
しかも、女を持って帰りなさいと煽ってくる。
ただし、仲介役を通してお持ち帰りすると、女性は仲介役にマージンを取られることもあるようだ。
まあ、わたしは呑むだけでも楽しい。
とにかく、この雰囲気が大好きなのだ。パタヤとはまた違った趣がある。
テーメーをあとにして、小腹も空いてきたことだし、ここらでビールと食事を取りたかった。
どこにしようかと、歩道をうろうろしていると、突然の大雨が降ってきた。
とてつもないスコールだ。
滝のような雨が降っている。
土産物を売る露店はちょうど店じまいの最中。
店の片付けをしている人たちは、あっという間にずぶ濡れになっていた。
屋台で食べている人たちもあわてて屋根の下に退避する。
ああ、これでは食事どころではない。
傘は持ったままだが、しばらく軒先で雨宿り。
なかなか止まないので、雨にも負けず、傘をさして歩道をうろうろする。
路上屋台のタイ女性たちはずっと建物の暗がりでずっと雨宿りしている。
声もかけてこない。
声をかけてくるのは黒人女性ばかりだ。
ケニヤ出身の黒人たちんぼは、ショート1500バーツの提示。
へえ、意外と安いままなんだね。
でも興味はないんで、スルー。
雨は一向に止まない。
傘をさしていても、ジーパンの裾やシャツの袖はずぶ濡れだ。
これはやってられない。
ホテルのあるソイ11/1入り口で、また雨宿り。
それでもまったく止みそうにない。
もう無理。
諦めた。
部屋に戻って、服を乾かして寝る。
ああ、腹減ったなあ。
結局、路上屋台で夜食もビールも飲めなかったし、ソイカウボーイにも行けなかった。
あわよくば、テーメー閉店後に表に溢れてきた女性をお持ち帰りしようかと考えていたが、そのもくろみは土砂降りの水煙の中に消えていった。
バンコク初日終了。
夜遊び開始はお早めに。