今から10年ほど前まで、ウドンタニーには修行者と呼ばれるような日本人が生息していた。
ひたすらに安く遊べるアドゥンヤデート通りやソイサオファイデーンに日参して修行し、沈没生活を送る人たちだ。
安く泊まれるホテルやアパートも必要で、たびたび話題に上っていたアパートの名称がウドンパーフェクトマンションだった。
その後の摘発によってウドン修行者もいなくなり、ウドンパーフェクトマンションの名前もいつしか消えていった。
が、最近、アゴダでウドンのホテルをチェックしていると、ウドンパーフェクトマンションの名前が出てくるようになった。
今では普通にアゴダで予約可能となった。1泊400バーツ台で出ている。
トップマンションが値上げ傾向となる中、新しいウドンの定宿となれるのか。はたまた、ウドン沈没のアパートとしては使えるのか。
実際に泊まって調査してみた。
はたして、ウドンパーフェクトマンションは、その名称に違わず、ウドン沈没に完璧なのか。
短期滞在と中長期沈没生活の両方の観点から見ていく。
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目次
Udon Perfect Mansion(ウドンパーフェクトマンション)
場所は、セントラルプラザ(センタン)裏手にある中華寺院のそのまた裏手にある
通りでいうと、アドゥンヤデート通りになる。
外国人向けのホテルやバーが多く集まるソイ・サンパンタミットを抜けて左折して少し進むと、アドゥンヤデート通りの交差点がある。
ここ左折してさらに進む。
すると、このような大きなゲートとアーケードがある。
タイ語表記しかないが、ここがウドンパーフェクトマンションだ。
広い駐車場があって、右手に建物。
おお、ここが伝説のウドンパーフェクトマンションか。
初めて訪れたが、想像以上にしっかりした作りだ。
しかも塗装はきちんとしており、古さはさほど感じない。
おそらくは、全面的にリノベーションしているはず。
入って右手に受け付け。
アゴダで前日予約しており、当時は正午過ぎにチェックインを申し出る。
外国人相手にはいちおう英語で対応してくれるようだ。
キーカードのデポジットが100バーツ。領収書ももらえる。チェックアウト時に100バーツは返却される。
エレベーターは無し。階段のみ。
部屋は2階なので問題なし。
廊下は清潔に保たれている。清掃とメンテナンスは行き届いているようだ。
スタンダードルーム
予約したのはスタンダードルーム。ダブルベッド仕様だ。
他には、ツインスタンダード(禁煙)というグレードもある。
沈没向けアパートというイメージだったが、部屋はまずまず広い。
部屋の大きさは20平米とのこと。
リノベーションされており、壁はきれいに塗られている。
タイル張りの床は少々くたびれ始めているが、まだまだ大丈夫。
部屋の電気はキーカードを挿すと使えるようになる。
アパート自体は常にオープンとなっており、いつでも出入り可能。
ダブルベッド。
ベッド脇にはサイドテーブルとコンセントあり。
枕元の壁にある照明は故障していた。長期滞在する場合は、このあたりの調度品はちゃんと確認したうえ、契約するようにしよう。
あとは壊れている箇所はなかった。
テレビ、冷蔵庫、作業机、クローゼットと並ぶ。
テレビは比較的新しい液晶タイプだ。しかもサイズ大きめ。
トップホステルの安い部屋はいまだにブラウン管なので、この違いは大きい。
PCをHDMIケーブルで接続したり、FireTVスティックを接続すれば、大画面で動画サイトを鑑賞することができる。
個人的には、中長期滞在には大きな画面の液晶テレビは欠かせない。
机の上には、無料の水2本、コップ、ティッシュ、それに灰皿。
特に指定はしなかったけれど、室内喫煙可能だ。どうやら、スタンダードルームは喫煙できるらしい。ツインは禁煙。
小さな冷蔵庫の中はからっぽ。
机は作業するのに充分な広さがあるけれど、椅子は化粧用の背もたれ無しのタイプ。
長時間座るのはきつい。
PC作業など考えている人は背もたれ付きのプラスチック椅子を買ってきたほうがいいかも。250バーツくらいだ。
クローゼットの中はからっぽ。
ハンガーが1本だけ置いてある。
セーフティボックスは無い。フロントで貴重品を預かってくれるかは不明だが、たぶん自分で管理したほうがいい。
長期滞在する際にはアパートのオーナーに交渉して、セーフティボックスを設置してもらうのもありだ。応じてもらえるかはわからないが。
バルコニー
部屋の窓には、網戸もついている。網戸のない部屋も多いので、これは虫除けに重宝する。
しかもバルコニー付き。
特に広くもなく狭くもないサイズのバルコニーだ。
鉄格子が設置されていて、外からの侵入を防ぐ。
虫も泥棒も部屋に入らせない。
エアコン室外機設置台に洗濯物は簡単に干せる。
ロープを張ってもいい。
直射日光があたるうえに、エアコン室外機の熱風により、洗濯物はあっという間に乾く。
これまた地味に重要。
鉄格子越しに中華寺院の入口が見える。
すぐ向かい側は工場かなにか。人が住んでいる感じではない。
たまに車両が出入りするくらいで、昼も夜も騒音はなかった。
浴室
ごくごく普通の、タイのアパートにありがちなトイレとシャワーと洗面台が一体となったタイプだ。
広さはそれなりにある。安アパートや安ホテルの浴室よりも広い。
ここもリノベーションしてあるようで、壁のタイルはそこそこ清潔。
シャワーブースは汚れが目立つ。
ちょっとだけ段差がついているけれど、シャワーを浴びると、他の床も濡れる。
電気式のシャワーの水圧と温度はいたって普通。
換気扇と換気窓がついているのはグッド。
洗面台には、あれこれものを置ける。
アメニティは固形石鹸2個だけ。
必要なものは自分で揃えましょう。
Wi-Fi
Wi-Fiは利用無料だ。
パスワードは受付で教えてもらえる。
ただし長期契約の場合は有料となる可能性もある。
午後4時過ぎの通信速度計測では、14Mbps。
うーん、微妙。
動画視聴はなんとかなるけれど、重たいサイズのものをアップロードするのは苦労するかも。
部屋の全体的な感想では、想像以上にしっかりしているというもの。
日常生活では特に不便は感じないと思う。
ゆっくり座れる椅子がないのが不便なことくらい。
何年もここで暮らすのはちょっとどうかと思うが、数ヶ月程度なら普通に暮らせるかと。
地図と周辺施設
地図
最寄りのコンビニは、トップホステル裏手のセブンイレブンになる。
すぐ近所にローカル商店はいくつかあるので、ちょっとしたドリンクや雑貨などは購入できる。
ローカル食堂はいくつもある。
日本食屋も徒歩圏内にいくつもあり。
アドゥンヤデート通りを北上すれば、ジム、カフェ、レストランなど多い。
新築のZEUSジムは1日99バーツ。
ホテル裏手に中国寺院。
慶安寺というらしい。中は仏教学校にもなっているそうだ。
この慶安寺、はじめて入ったけれど、けっこうしっかりした寺だった。
慶安寺を抜けていくと、セントラルプラザ裏手の駐車場に出られる。
ホテルからセントラル裏口のマクドナルドまでは徒歩5分くらい。
裏道を使うと、まあまあ近い。
ソイ・サンパンタミットのほうから遠回りすると10分以上かかる。
バスターミナルや鉄道駅まで徒歩15分弱。ちょっと遠いけれど、余裕の徒歩圏内。
日常生活には特に不便しないはずだ。
できればもうちょっと近所にコンビニがあればいいのだが。
ナイトスポットの集中するソイ・サンパンタミット入り口までは徒歩5分くらい。
酔っ払っても千鳥足で帰れる距離だ。
宿泊料金とマンスリー契約
アゴダでは1泊440バーツだった。
現地ウォークイン価格を聞いてみた。
通常価格は420バーツとのこと。
もし1ヶ月滞在するなら1泊400バーツに値下げするという。これはホテル利用だ。電気代、水道代、部屋の掃除代などが料金に含まれる。
アパート契約も可能。おそらく最低3ヶ月からの契約だと思われる。
アパート契約だと家賃は1ヶ月4,000バーツ。別途電気代が1ユニット8バーツ、水道代固定200バーツ。
ルームクリーンも有料となるはずだが、料金は不明。Wi-Fiについても未確認。
電力会社への直接払いだと1ユニットが4バーツほどだが、アパートでは上乗せ料金を請求されてしまう。
1ユニット8バーツだと、エアコンをよく使うと、1ヶ月で1,500バーツくらいかかりそう。節制すれば800バーツでいけなくもない。
うまく節約すれば電気代と水道代が合わせて1,000バーツ、家賃が4,000バーツで、部屋にかかる必要が月に5,000バーツ。
円安の今でも月2万円で住めることになる。
食費は1日200バーツに抑えて、月に6,000バーツ。その他雑費で2,000バーツ。
衣食住合わせて13,000バーツ。5万2千円で沈没可能。別途夜遊び代は天井知らず。修業の道は険しい。
タイでのアパート契約は3ヶ月からが基本。
最低3ヶ月は滞在する必要がある。
家賃4,000バーツであれば、入居時にデポジットとして家賃1ヶ月分の4,000バーツと、家賃1ヶ月前払いの4,000バーツを足して、合計8,000バーツを支払うことになる。こういう設定が多い。
もし滞在2ヶ月で退去するとしても、残りの1ヶ月分の家賃も必要となるわけで、デポジットが返金されないことになる。
3ヶ月以上滞在したのちに退去する場合は、デポジットから電気代や水道代やクリーニング代を引いた額が返金される。
ウドンに3ヶ月沈没するなら、アパート契約したほうが断然お得だ。
2ヶ月でもホテル生活するより、デポジット放棄分を考えても、アパート契約のほうが安いだろう。
まずは、お試しで宿泊してみるのがベターだ。いきなり長期契約するのはちょっと無謀。部屋にしても周辺環境にしても数日はいろいろ試してみたいほうがいい。
短期滞在のホテル利用はまったく問題ないと感じた。
現在のサンパンタミット内では1泊400バーツ程度のホテルはほぼないと思う。
サンパンタミットからは少し離れるが、ウドンパーフェクトマンションではそれなりに清潔で広い部屋に安く泊まることができる。
⇒アゴダ
トップホステル対ウドンパーフェクトマンション
2023年7月のウドンタニー滞在では、トップホステルとウドンパーフェクトマンションに泊まった。
トップホステル(旧名トップマンション)はウドンタニー夜遊び派にとっては大定番ホテルだ。
すぐ隣がDay&Nightというバー群となっていて、最高の立地となっている。
ただ、宿泊料金は着実に上昇中。
10年前なら1泊350バーツから400バーツほどだったはず。
2023年7月時点でのウォークイン価格。
スタンダードルーム(3階・4階):530バーツ
デラックスルーム(2階):640バーツ
今回は2階にデラックスルームに泊まった。
部屋の広さはウドンパーフェクトマンションと同じか、ちょっと狭いくらい。そこまで変わらない。
設備も似たようなもの。
ダブルベッド、サイドテーブル、テレビ、冷蔵庫、タンス。
テレビは液晶だが、ウドンパーフェクトマンションより小さめ。
トップホステルのスタンダードだと昔ながらのブラウン管テレビだ。
浴室はウドンパーフェクトマンションよりも狭い。
バルコニー付きだが、これもウドンパーフェクトマンションより狭い。
トップマンションのWi-Fi通信速度はすごくムラがある。
回線が込み合っている時間帯は通信が安定せず、3.4Mbpsしか出ない。
みんなが寝静まったであろう深夜4時に計測すると、210Mbpsも出ているではないか。
ひどい落差。
まあ、最悪でも3Mbps出ていれば、かろうじて動画サイトの閲覧はできるだろうけど。
トップホステルのいい点は、無料の朝食が付くこと。
食パンとバター&ジャム、インスタントコーヒーだけの簡素なものだけど、意外と重宝する。
あと、立地面ではやはりトップホステルのほうがいい。
まわりはバーだらけで、コンビニもすぐ近くだ。
トップホステル対ウドンパーフェクトマンション
部屋だけで比較すると、ウドンパーフェクトマンションのほうがやや優勢だ。
価格的にもパーフェクトマンションのほうが安い。
でもまあ立地を考えると、短期滞在者であれば、トップホステルのほうがいいと思う。
ウォークインは高いけれど、アゴダなどホテル予約サイトでは、1泊500バーツ以下で取れることも多い。
なお、トップホステルのロングステイ料金は不明。
おそらくあまり安くならないと思う。スタンダードルームがせいぜい1泊450か500バーツくらいかと。3ヶ月以上のアパート契約が可能かも不明だ。
短期滞在者がソイ・サンパンタミットに宿を取るならば、アットホームアットウドンのほうがおすすめだ。
関連記事:ウドンタニーの夜遊び定番ホテル:トップホステル対アットホームアットウドン 2023年度版
まとめ
かつてのウドン修行沈没の伝説的アパートであったウドンパーフェクトマンション。
その名に恥じぬパーフェクトぶりであった、というとやっぱりオーバーかな。
でも、部屋は清潔で広くてそれなりに使いやすいし、家賃も安い。
ここで沈没するなら、椅子など自分で買い込む必要はちょっと出てくるけれど、それは他のアパートでも同じことだ。よほどいいホテルやコンドミニアムでもなければ、自分好みのものがすべて揃うことはない。
長期滞在で考えると立地は悪くないと思う。
ウドン沈没を目指す人は、ウドンパーフェクトマンションも目指してほしい。これであなたもウドンマスターだ。
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