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パタヤ近況

思い出深いバービアが閉店する悲しみ

投稿日:

パタヤのバーが閉鎖されたのが4月10日のこと。
あれから3ヶ月近く経つが、バー再開の動きはまったく出ていない。
パタヤがゴーストタウンと化しつつあることは、もはや周知の事実であろう。
むろん、エリアごとに差はある。
ソイブッカオやツリータウン周辺は人が多くて、決してゴーストタウンではない。
でもウォーキングストリートやノースパタヤは紛うことなきゴーストタウンだ。
ソイ7もゴーストタウンと化して久しい。
バーの営業が認められている期間であっても、ほとんどのバーが閉鎖されたままだった。

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壊滅するソイ7のバービア

夜のソイ7

ただの暗闇でしかない。

チョンブリ県では一部の規制の緩和され、マッサージ屋の営業が可能となっている。バンコクと違い、レストランの店内飲食も引き続き可能だ。
昼間に通りかかっても、ソイ7全体で営業しているのは、マッサージ屋が2軒と、小さなバー風レストランが1軒のみ。

バーはむろんすべて閉鎖され、中には廃墟となっている店も少なくない。
多くがFor Rentとなっているが、新たな借り主など現れるはずもなく、ただ虚しく貼り紙が風に揺れているだけだ。
もはや見慣れた風景である。

そんな中、一軒のバービアの看板が外されているのが目に入った。

ここは、Heaven's Doorというバービアがあった場所だ。
少し前までは看板は掲げられていた。
が、今は解体されてしまった。看板は外されて、地面に無残に横たわっている。

思い出深いバービアである。

今のようなパタヤ沈没生活を送り始めた初期のころ、いや、その前の短期旅行を繰り返していた頃から何度も通ったバービアだ。

初めてソイ7の狂乱ソンクラーンを体験したのも、このバービアだった。
10年近く前のことになる。

仲の良いバービア嬢がここで働いていた。
ずぶ濡れになりながら水かけに興じ、一緒に酒を飲んだ。
ソンクラーン期間中なのに、なぜか雨が降り、水かけと降雨でダブル水濡れ状態となった。
気温が下がり、体温も下がった。
寒い寒いと言いながら、体を温めあったのを覚えている。

数ヶ月たってから、バービアに顔を出すと、彼女はもういなくなっていた。
同じバーで働く人から聞いたところによると、ヨーロッパのファランのところに嫁いでいったそうだ。
ヨーロッパの冬は厳しいぞ。水濡れで寒いといっているレベルじゃない。元気でやっていければいいのだが。

その後は、パタヤで彼女の姿を見かけることはなかったので、たぶんうまくやっていけているのだろう。もしくはすべてをあきらめてイサーンの田舎に帰ってしまったか。

出会いがあれば、別れがある。
そんな思い出も含めて、思い入れの深いバービアなのである。

出会いと別れのパタヤ

たぶん、パタヤ好きならば、思い入れ深いバーの一つや二つはあるはずだ。
バーにかぎらず、食堂やレストランやマッサージ店など、馴染みとなり、親交を深めた店は誰しも持っているだろう。
日本からパタヤへ旅行するたびに、足を運び、顔を出し、店員から笑顔で迎えられ、「ああ、おれはパタヤにまた帰ってきたんだ」と喜びと安堵を噛みしめる。
そんな店だ。

でも、パタヤはかくのごとき惨状である。
ソイブッカオなどごく一部をのぞき、大半の店が閉店状態にある。
ウォーキングストリート、ビーチロード、セカンドロード、ノースパタヤは壊滅した。
これまで当然のようにあった店が、どんどんと潰れていく。

日本在住のパタヤ好きが最後にパタヤを訪れたのは、遅くとも2020年3月までだろう。
大半の人が、去年の1月か2月が最後だったに違いない。
3月後半にはタイは鎖国状態となり、観光旅行は不可能となった。

あれから1年以上が経過。
もはやパタヤは限界にある。
街中がFor SaleとFor Rentの嵐だ。

パタヤがいつ再開するかはまだわからない。
早ければ今年の9月からだが、まだ確定はしていない。現状ではかなり厳しいと言わざるをえない。
開放するとなっても、厳しい制限がつくため、以前のような賑わいをすぐに取り戻すことはないだろう。
完全開国まで、どれだけの店が持ちこたえることができるのか。

いずれはパタヤも開かれる。
1年半や2年ぶりにパタヤを訪れることになる人はたくさんいるだろう。
でも、思い入れのある店や馴染みの店が昔のままの姿で残っていることは稀であるに違いない。

夢にまで見たパタヤ再訪で目にする光景が、すっかり変わり果てた惨状ということにもなりかねない。

これまであった当然の景色がもう見られないかもしれない。
馴染みのバーも馴染みの食堂も馴染みのマッサージ屋も馴染みのホテルもなくなっているかもしれない。
これは悲しい。なんとも悲しい。

人とは出会いと別れがある。別れは悲しい。
バーにも出会いと別れがある。この別れも悲しい。

別れの元凶がパンデミックとなれば、もはや悲しみのやりばがない。

いずれパタヤを再訪する人は、パタヤに戻ってきた喜びとともに、悲しみに出くわすであろう。

でも、パタヤは必ず復活する。
出会いと別れ、そしてまた新しい出会いが待っている。
今はただ復活の時を願うしかない。

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