7月1日開始予定のプーケットサンドボックス計画は、プラユット首相によって原則承認されている。
また10月1日以降の観光都市9県における開放計画も原則合意されている。
が、それまで待てないという観光地もある。
なるべく早く開放して、観光客を迎え入れたい。
サムイ島とチェンマイが新たな計画によって7月と8月の開放を目指している。
合言葉はシールドルートモデルだ。
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サムイ島7月1日開放計画
サムイ島はプーケットと同様に7月1日開放に向けて準備が整っているとサムイ島観光促進協会が表明。
CCSAが3月に開国計画を承認して以来、サムイ島では観光客受け入れの準備を進めてきた。
サムイ島はワクチン接種を完全に終えた観光客を歓迎する。
ただし、海外からの観光客は島内での単独行動を禁止する。最初の7日間は事前に承認された特定の観光施設へのツアー旅行のみ参加できる。これを「Samui Sealed Route」モデルと呼ぶ。
特に最初の7日間はビーチでの滞在を想定しているようだ。
検査を受けて陰性であれば、7日目以降は、サムイ島内の移動は自由となり、また、パンガン島とタオ島へのアイランドホップツアーも可能となる。
サムイ島観光促進協会は、観光スポーツ省とCCSAにサムイ島再開許可を求めるとしている。
現在はサムイ島へのフライトが規制されている状態だが、CCSAに対して、サムイ島へのフライトを以前のように増やしたり、海外からの直行便を許可するように求める。そうすれば観光促進につながるだろうと。
また、サムイ島へのワクチンの割り当てを増えすようにも要請する。
現時点でサムイの住人の50%(57,000人)がワクチン接種を受けている。集団免疫達成のためにはさらに36,000人分が接種する必要がある。
さらには、パンガン島とタオ島の観光促進のためにも政府の支援を求めている。
時間はない。政府とCCSAの助けが必要だとサムイ島観光促進協会は悲痛な声を上げている。
参照:https://www.bangkokpost.com/thailand/general/2128875/samui-joins-reopening-queue
参照:https://www.nationthailand.com/in-focus/40001798
サムイ島・パンガン島・タオ島へはワクチン接種証明書か陰性証明書が必要
スラタニー県知事が新たな命令を出している。
サムイ島、パンガン島、タオ島へ入る際には完全にワクチン接種を終えた証明書あるいは到着前72時間以内のPRC検査による陰性証明の提示を求めるというものだ。
対象となるのは、ダークレッドゾーンとレッドーゾーンからの旅行者となる。
ダークレッドゾーン(最高度厳格管理エリア):4県
バンコク、ノンタブリ、パトゥムタニ、サムットプラカン
レッドゾーン(最高度管理エリア):17県
カンチャナブリ、チョンブリ、チャチュンサオ、ターク、ナコンパトム、ナコンシータマラート、ナラティワート、プラチュワップキーリーカン、アユタヤ、ペチャブリ、ヤラー、ラノーン、ラヨーン、ラチャブリ、サムットサコン、ソンクラー、スラタニー
もしも陰性証明書ないしワクチン接種証明書が提示できない場合は、滞在期間すべてもしくは2週間の隔離が求められる。
また、到着時に保健当局によってスクリーニングを行い、リスクが高いと判断されれば、その場で迅速検査を受ける必要がある。
たとえ国内旅行者であっても、サムイ島、パンガン島、タオ島に入るには陰性証明あるいはワクチン接種証明書の提示が必要となっている。
これはプーケットでも似たような措置が取られている。
空路でプーケットへ向かう場合は、陰性証明書ないしワクチン接種証明書がなければ搭乗を拒否されることになっている。
とにかく感染を抑え込み、少しでも早く開放したいという意志のあらわれといえようか。
チェンマイ8月1日開放計画
チェンマイでは、プーケットサンドボックスモデルに学んで、8月1日にワクチン接種済み外国人観光客に開放したいと計画している。
もはやチェンマイには運命がさらに悪化するのを許容する余裕はない。
2019年のチェンマイの観光収入は1000億バーツだった。昨年は430億バーツに減少。
チェンマイの観光業者のうち60%以上が閉鎖された。
県内のホテル80,000部屋のうち利用可能なのは3%にすぎない。
8月1日開放計画では、まず県内4地区(メーリム、メーテーン、ドーイタオ、ムアンチェンマイ)で開始する。
外国人観光客はSHA認定のホテルの滞在する必要がある。
チェンマイ開放計画では、Sealed Route モデルを採用する。
外国人観光客は封印されたルートのみ移動可能で、事前承認された観光アトラクションのみ訪問可能となる。単独行動は不可で、ツアー会社の引率が必要。
ワクチン接種済み外国人観光客は最初の7日間は4地区内で過ごす必要がある。その後の検査で陰性ならば、封印されたルート上にかぎり4地区以外への移動が許可される。
8月1日の再開がうまくいけば、10月15日に県すべてを開放する。
計画実現のためには、まず地元でのワクチン接種を進める必要があるが、現時点では遅れている。
7月末までの4地区の住人の少なくとも70%(286,000人)のワクチン接種が完了している場合のみ計画は許可される。
なおチェンマイの総人口は約170万人。
TATは、チェンマイの再開計画をCCSAに提案する予定となっている。
参照:https://www.bangkokpost.com/thailand/general/2128419/chiang-mai-seeks-aug-1-reopening
補足:
チェンマイ開放予定の4地区については、ムアンは県庁所在地なので要するにチェンマイ中心部だ。ターペー門やドイステープも含まれる。
シールドルートモデル
サムイとチェンマイ、どちらも提唱しているのがシールドルートモデル。
これは今に始まったことではなく、タイ開国計画の初期段階からサムイ島では提唱されていた。
シールドルートモデルでは、隔離無し入国が認められても、最初の7日間は決まったルート上での移動しかできない。それもツアー会社による引率付きだ。
ホテルから団体バスで観光施設へ移動し、ビーチで日焼けしたり、土産物屋で買い物したり、象に乗ったりするしかない。
サムイ島にもチェンマイにも、バーやディスコといったナイトライフ施設は多い。
でも、シールドルートモデルでは単独行動は禁止されており、当然のように夜間の単独自由行動でバーへ遊びに行くことは厳禁となるだろう。
7月8月にバーが再開しているかは不明だが、たとえ営業再開しても、遊びに行くことはできない。
逆にどうやって当局が観光客の行動を制限するのかも疑問だが、ルール上は不可となるだろう。
日中の観光を終えたら、ホテル内やリゾートホテルのプールやビーチで過ごせと言われそうだ。
まだ正式決定はしていないが、プーケットサンドボックスモデルと同じく、入国から14日間は県外への移動は不可となるだろう。
14日間サムイなりチェンマイなりに閉じ込められることになる。むろん14日を待たずして途中で帰国することはできるが、県外へは行けない。
はたして、この条件で海外からわざわざ旅行する人がどれだけいるのか。
もしも10月1日に予定されているパタヤ開国 Pattaya Move On 計画においてもシールドルートが採用されれば、行動の自由はほぼなくなると考えていい。
ツアー会社に先導されホテルを出発して、団体旅行客よろしく大型バスで水上マーケットやトロピカルガーデンやエレファントビレッジで健全観光をして、土産物屋で買い物して、大型レストランで集団で食事して、そのままホテルに戻っておしまいとなってもおかしくない。
世界屈指の歓楽街へ出かける個人行動は厳禁。
せいぜいが、中国人団体客のように旗を持ったガイドに先導されてウォーキングストリートを集団で練り歩くだけ。
そんな悪夢のような光景が浮かぶが、まあまだ何も正式には決定していない。
まずはサムイとチェンマイでシールドルートモデルが実現するか、その様子見が必要だ。
まとめ
サムイ島やチェンマイでの10月1日を待たずしての早期開放はCESAによって一度は却下されたはずであった。
それでもサムイ島とチェンマイは諦めていない。
チェンマイは国内旅行者がまだ見込めるが、サムイ島はフライトも飛んでおらず絶望的な状況にあるのだろう。
なんとしてでも再開したいと考えている。
サンドボックス&シールドルートモデルがうまく実現するかは非常に不透明ではある。
政府やCCSAに許可を求めても却下される可能性も高い。
7月1日開始予定のプーケットサンドボックスについては、今週末から来週には正式承認が下りそうな情勢となっている。
サムイとチェンマイの計画はそのあとで判断されそうだ。
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