4月1日からタイ入国規制が緩和となった。
出発前の陰性証明書が不要となり、ワクチン接種非接種者の強制隔離は5日間に短縮された。
また一部の陸路国境も開放された。
緩和後の状況とこれからの見通しについてまとめておく。
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陸路国境オープン
4月1日時点でルール上利用可能となっている陸路国境は、ノンカイ、ウドンタニ、ソンクラー、サトゥーンの4県。
Test&Goを使って隣国からタイ入国が可能となっている。
とはいえ、実際に外国人旅行者が利用できるのは限られているようだ。
4月1日には、ソンクラーのサダオ国境がいよいよオープンした。
ルール上は3月1日に開放されていたが、外国人旅行者が利用できるようになったのが4月1日だ。
報道によれば、早朝の国境オープン後、マレーシアからの旅行者107人がタイに入国したという。
Test&Go利用のため、事前のタイランドパス申請と承認が必要だ。
それを知らず、パスポートだけで通過できると思っていた人たちは、国境で追い返されたそうだ。
タイからマレーシアへの入国には、出発前48時間の陰性証明書と最低2万ドルの医療保険加入とワクチン接種証明書が必要。
マレーシアはタイ人労働者の入国をまだ認めていないとのこと。
実際のサダオ国境ポイント
サダオからタイに入国すると、ダンノックという国境の街となっている。
ここはマレーシア人向けの一大歓楽街で、パンデミック前は週末になると夜のネオンサインを求めて多くのマレーシア人男性がやって来ていた。
長く続いた国境閉鎖でダンノックの歓楽街は壊滅状態にあったようだが、これからは徐々に復興していきそうだ。
サダオ国境から、タイ南部最大都市のハジャイまでは車で一時間程度だ。
ハジャイの経済と観光の復興にも期待が寄せられている。
とはいえ、2年も国境が閉鎖されており、タイ入国にはタイランドパス事前申請などハードルはまだ高く、すぐには回復しないかもしれないが。
なお、サダオの国境チェックポイントとマレーシアを結ぶ高速道路を建設予定だ。予算2億5,196万バーツが最近承認されたばかり。
新しいサダオ税関事務所とマレーシア側のブキットカユイタム国境検問所を結ぶ。
4月1日には、シンガポール・マレーシアの陸路国境がも年ぶりに完全再開された。
ワクチン接種済みであれば、検査も隔離も不要。
こちらは午前7時時点で11,000人以上がチェックポイントを通過したという。車やバイクだけでなく、シャトルバスや徒歩でも国境を越えることができる。
これにより、シンガポールからマレーシアを越えてタイまで陸路での縦断旅行が可能となった。
ただ、実際に陸路国境をいくつも越えていく旅行は、まだまだハードルは高いし、リスクもある。
でも、確実に東南アジアの国境は開いていく。
タイ入国者数と陽性率
4月1日からタイ入国には事前のPCR検査陰性証明書が不要となった。
タイ到着後にはPCR検査が必須のままだ。
では、タイ入国者の検査陽性率は上がるのだろうか?
タイ政府は、CCSAの資料として、海外から入国者と感染者数を毎日発表している。
2022年3月1日から31日まで
入国者273,133人(検査陽性者1,584人、陽性率0.58%)
・Test&Go246,819人(1,062人、0.43%)
・サンドボックス22,142人(380人、1.72%)
・隔離4,172人(142人、3.40%)
4月1日-2日
25,627人(検査陽性者65人、陽性率0.25%)
Test&Go23,926人(50人、0.21%)
サンドボックス1,439人(9人、0.63%)
隔離262人(6人、2.29%)
3月の1日あたりの入国者数は8,810人。Test&Goでは7,961人。
4月の1日あたりの入国者数は12,813人。Test&Goでは11,963人。
4月はまだ2日分の統計で母数が少ないとはいえ、入国者は増えて、陽性率は下がっている。
まだまだ断言はできないが、陰性証明書提示不要となっても、タイ到着後のPCR検査陽性率の上昇は見られない。
あと1週間ほどデータがたまれば、よりはっきりするだろう。
ちなみに、この2日間の統計では、日本からの入国者1人に陽性が確認されている。
日本からの入国者の数は不明につき確率は出せないが、0コンマ数%なのは間違い。
ほぼ気にしなくてもいいレベルだが、日本出発前の検査をしていないと、タイ到着後検査で陽性判定される可能性はある。
日本からの短期旅行者はタイで隔離治療されるリスクは避けたいところ。心配な人は、日本で検査だけでも受けておいたほうがいいかもしれない。
海外渡航用証明書は不要なので、安い検査センターが利用できる。
タイ入国規制のこれから
4月1日からのタイの入国制限が緩和された。
このことに関して、プラユット首相から声明が出されている。
陰性証明書の提示が不要となったことで、タイは外国人旅行者への開国はさらに大きな一歩を踏み出た。
これからは、もし何がが起きれば、共同で責任を負う必要がある。が、十分な準備はしてきた。賛否両論の声を危機、できるかぎりの制限を緩和してきた。
が、もし何かが起きれば、旧来の姿に戻らなければいけないだろう。これは国の運営の困難な部分である、と。
また、政府スポークスマンによれば、首相は関連機関に対して外国人観光客の流入に備えるように指示したという。
ピパット観光大臣は、到着時PCR検査を迅速抗原検査(ATK)に置き換えるといったさらなる規制緩和をCCSAに対して今月提案する予定だと発言している。
抗原検査で陰性が確認されれば、旅行者は即自由に行動できるようになる。
この決定を下すのは保健省の責任だが、5月1日に施行できるだろうとピパット大臣。
そのためには、ソンクラン期間中の目標値を達成する必要がある。1日の新規感染者が6万未満、死者は100人未満でなくてはいけない。
観光省では、打撃を受けたセクターが通常通りにビジネス再開するために、
タイランドパスを6月1日に廃止することも提案する予定だ。
参照:https://www.bangkokpost.com/thailand/general/2289010/reopening-gathers-steam
まとめ
まずは4月1日の入国制限緩和に問題はなさそうだ。
次の緩和は、5月以降の見込み。
ピパット大臣の言うように、5月1日に到着時検査がPCRからATKに変更されるかもしれない。
計画では、空港もしくは指定施設において専門家によってATK検査が実施される。事前のSHA Extra+ホテルの予約が不要となるのかははっきりしないが、空港で検査可能となれば、当然事前のホテル予約も不要となるだろう。
さらに、6月1日にはタイランドパスが廃止となる可能性もある。
タイランドパスが廃止となれば、ワクチン接種証明書は必要のままかもしれないが、事前の煩雑な手続きなしでタイに入国できるようになる。
そうなれば、パンデミック前とほぼ変わらないタイ入国が実現する。
むろん現時点では何も決まっていない。
あくまで計画上の提案段階にすぎない。
タイ側が入国制限をほぼ撤廃するとしても、日本の水際対策が厳しいままだと往来にはハードルが残る。
日本側も事前の陰性証明書と空港検査を廃止すれば、以前のようなタイ旅行が可能となるのだが。
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