中国東方航空の武漢経由便を使って関空からバンコクまで行ってみた。理由は簡単で、受託手荷物ありだとぶっちぎりで最安値だったからだ。LCCよりも1万円安い。
日本人の中国ノービザ入国が認められており、中国経由便が使いやすくなった。でもまだまだ不安は残る。わからないことが多い。
武漢乗り継ぎの事前情報がゼロのぶっつけ本番だったけれど、結果的にはまったく問題なし。乗り継ぎ時間が長いことをのぞけば楽勝だった。
武漢経由でタイへ行く人は少ないかもしれないが、この年末に中国経由便でバンコクへ行く人は参考までに。
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中国東方航空の関空発武漢経由バンコク行き
12月下旬に関空からバンコクへ行くフライトを探していると、エアアジアもPEACHも高くなっている。運賃だけで25,000円くらいで、今回は預け荷物をつけたかったので合計3万円くらいになりそう。
中国経由便がすごく安い。その中でも中国東方航空の武漢経由便が安かった。
片道18,000円だ。フルサービスキャリアなので預け荷物は無料で機内食もつく。こんな経路があったのか。
中国東方航空の関空=武漢路線は、2024年10月に運航再開したばかりらしい。どうりで以前の検索結果には武漢経由便が表示されていなかったわけだ。
中国ノービザ入国が再開されたとはいえ、まだリスキーな中国経由便はそれほどおすすめしないけれど、なにせ片道で1万円も違うのは大きい。
それに武漢という地名にもちょっと心を惹かれた。
本当のところは不明だが、件のウイルスの発生源とされている土地だ。
いろいろあったパンデミックの数年間にケリをつける意味でも、一度武漢の地に降り立ってみたかった。
というわけで、トリップドットコムでチケット購入することに。
中国便はやはりトリップドットコムで安いみたい。
片道総額18,200円。
あまり知られていないが、関空とトリップドットコムの共同プロモーションがあって、関空発限定で航空券運賃が4%オフとなる。
クーポンコード:KSPAJPF4
このコードをコピーしておき、決済画面においてコードを貼り付ければ、割引クーポンが適用される。
今回は290円割引となった。
よって、合計金額は17,910円。
12月下旬にバンコク行きフルサービスキャリアが18,000円以下は安い。
機内持ち込み手荷物は8kgが1個まで。
受託手荷物は23kgが2個まで。合計46kgというわけだ。
手数料がかかるものの、キャンセルも変更もできる。
悪くない条件だ。
購入画面を進めていくと、座席指定もできた。
関空から武漢、武漢からスワンナプームまでの両方のフライトで座席指定可。無料だ。
これまた悪くない。
13時50分関空発で武漢を経由し、スワンナプーム空港到着は翌日午前3時5分。武漢での乗り継ぎ時間は約7時間だ。
総所要時間は15時間15分。
きついのは武漢での長時間乗り継ぎくらいかな。
武漢の空港は、天河国際空港というらしい。今回ははじめて知った。
トリップドットコムの案内では、スルーバゲージは不可とのこと。
でも関空でチェックインしてみないとこれはわからない。スルーバゲージ不可となっていても、実際には可能となるケースも多い。
スルーバゲージ可能であれば、荷物が軽くなるため、天河国際空港で中国に入国して、例の新鮮市場にでも立ち寄ってみようかと考えていた。
昔は、中国国際航空の北京乗り継ぎバンコク行きを何度か利用したことがある。基本的なルールはわかっているつもり。
中国東方航空を利用するのは今回がはじめて。
上海や北京乗り継ぎの情報はたくさんあったが、武漢乗り継ぎに関する事前情報がまったくないため、行き当たりばったりで対処するつもりだった。
トリップドットコムでは会員ステータスが上がると、空港ラウンジが無料利用できる特典がある。
今回購入した航空券では、関空のラウンジのみ利用可能らしい。これはクレジットカードラウンジなので意味がない。
武漢・天河国際空港のラウンジは表示されなかった。長時間の乗り継ぎ時間にこそラウンジが役に立つのだが、まあしょうがない。
航空券はそれほど待たずに発券された。
旅程表はいつでも提示できるようにスマホにPDF形式でダウンロードしておく。
あと、武漢で決済アプリを使う場面が出てくることを想定し、Alipayアプリをインストールして、アカウント登録とクレジットカード登録を済ませておく。
これで準備は整った。
関空発武漢行き中国東方航空MU2576便
関空発武漢行きのフライトが13時50分の予定。
前回関空利用時には関空リムジンバスが大混雑していたため、今回は南海電鉄にする。
10時10分発の空港急行関西空港行きの乗車。
周囲には大きなスーツケースを持った中国人と韓国人旅行者がたくさんいた。
この路線は外国人観光客にもよく知られているみたい。
それでも余裕で座れる程度の混み具合だ。やはりバスより電車が安心。最悪の場合でも立って乗ればいいしね。
11時ちょうどに関空に到着。
まずはスケジュールのチェックから。
13時50分発のMU2576便はディレイの表示はない。チェックイン開始は11時20分となっている。2時間半前開始だ。
チェックインカウンターはG。
チェックイン開始前だが、様子を見に行っておこう。
Gは、吉祥航空や深圳航空や中国東方航空など中国系航空会社が固まっている。
どこもすごい列ができている。大盛況だ。
中国東方航空には上海行きなどのフライトもあって、フライトごとに列ができていた。
どの列が武漢行きかわからずにけっこう迷う。
武漢行きはカウンターの一番奥にあった。これはわかりづらい。
すでに長い列が形成されていた。100人以上は並んでいそうだ。おそろしい。
裏側の吉祥航空もものすごい人だかりができている。
中国路線は必ず有人チェックインカウンターで手続きする必要があるようで、セルフチェックインやセルフバッグドロップに対応していない。
中国路線は大変だ。
11時20分になり、チェックイン開始。
ちょっとずつ前に進んでいく。
ようやくチェックインカウンターが見えてきた。
カウンターは4つオープンしていて、それなりに手際よく進んでいる。
12時ちょうどに順番がまわってきた。
チェックイン手続き詳細
地上スタッフは日本人が担当。
パスポートを提示するだけでチェックインはオッケーだ。
Eチケットの提示は不要。
1枚切りのチケットなので最終目的地はバンコクだと地上スタッフもわかっている。
が、スルーバゲージは不可とのこと。
搭乗券も関空から武漢までのフライトの1枚のみしか発行できない。
武漢の空港で一度中国に入国して、バゲージクレームで預け荷物をピックアップし、出発フロアのチェックインカウンターで再度チェックイン手続きをする必要があると言われた。
話によると、中国東方航空でも北京首都空港や上海浦東空港での乗り継ぎであれば、スルーバゲージと搭乗券同時発行も可能とのこと。
中国での乗り継ぎは、空港やフライトによってスルーバゲージができたりできなかったりするそうだ。
武漢乗り継ぎの中国東方航空は不可ということで。
座席指定してあったが、ここで変更もできるそうだ。
そのまま窓側の席にしておく。
タイから帰国する航空券ないしビザの有無についても聞かれた。が、隣にいた上級職員らしき人が、日本人はそんな確認しなくても大丈夫とスタッフに告げて、結局は何も確認されなかった。
まあ、武漢経由でバンコクに行く日本人は本当に少ないんだろうね。
あともう一つ確認。
中国東方航空は、スカイチーム加盟だ。
でもワンワールド系列のJALとも独自にマイレージ提携していて、中国東方航空のフライトでもJALにマイレージを加算することができる。
JALマイレージクラブのアプリを提示すると、その場で2区間とも登録してもらえた。
が、あとで判明したが、予約クラスによっては積算率ゼロとなり、今回はクラスZのため、マイレージ対象外となったようだ。まあ18,000円のチケットなのでしょうがあるまい。
チェックイン手続きは3分足らずで終了。
知りたい情報は得られたので良し。
列に並びはじめてから1時間ほどかかった。
あとにはまだまだ長い列が残っている。
搭乗開始時間までに終わるのかね。
なお、SKY PRIORITYレーンが設置されている。
上級ステータスホルダーならびにビジネスクラス専用レーンだ。こっちは待ち時間ゼロ。
いやはや疲れた。
チェックインカウンターに1時間も並んだのなんて本当にひさしぶりだ。
なお、関空のセルフチェックインとセルフバッグドロップについてはこちらから。
関連記事:関空国際線チェックインでのセルフバッグドロップ開始と保安検査場の混雑
保安検査場と出国
朝から何も食べておらず、まずは食事へ。
ターミナルビル向かい側にあるエアロプラザのなか卯へ行く。
ここは空港価格ではなく、ローカル価格での提供だ。メニューも同じはず。
なか卯前には大量のスーツケースが置かれていた。ここにも中国人観光客が多数押し寄せているみたいだ。店内は広いので席には困らない程度だが。
すき焼き丼みたいなものをオーダー。KIX-ITMカードでコーヒーが無料でもらえる。
すき焼き丼は、すき焼きというより牛肉のしぐれ煮みたいな味付けだったが、けっこううまい。
日本最後の食事としては悪くない。
さっさと食べ終わり、またターミナルビルへ戻る。
あまり時間がないため、保安検査場を抜けてしまおう。
保安検査場はかなり混雑していて、抜けるのに20分かかった。
ここも大半は中国人と韓国人の観光客だったように思う。日本人は少数派だ。
出国審査場は、自動化ゲートを使えばいいので、待ち時間ゼロで通過。
エスカレーターを降りて、ウォークスルーの免税店エリアへ。
ふと時計を見ると、1時15分。
おい、もう搭乗開始時間じゃないかよ。
免税店でタバコでも買おうかと思っていたが、そんな余裕なし。急いでシャトルに乗って搭乗口へ向かう。
ちなみに、タバコは武漢の空港免税店で購入するほうが安かったため、結果オーライ。
喫煙所で最後の一服をする余裕もなし。
搭乗口につくと誰も並んでいない。ファイナルコールの真っ最中だ。
まだ大丈夫だろうと、なんとかトイレに寄ってから、ゲートへ。
ぎりぎりで間に合った。
ひさびさに焦った。
たぶん他の中国行きフライトも同様だろう。チェックインに時間がかかり、さらに保安検査場も混雑する。特に中国便を利用する人は、本当に早め早めに行動したほうがいい。
搭乗
焦っていたので、機体の写真撮影はできず。
無人のボーディングブリッジを渡って、機内へ進む。
思ったよりも機体は小さめ。
単通路で座席は3-3配列だ。
前方にはビジネスクラスが少しだけあって、あとはエコノミーだ。
エコノミーはもうすでにほとんどの席が埋まっていた。
降機時に撮影したもの。
予想はしていたが、指定していた窓側座席には中国人乗客が座っていた。
中国路線だと毎回のように席を取られるような気がする。
もちろん搭乗券を見せて、席を空けるようにジェスチャーで促す。基本、英語は通じない。
すると相手の中国人も搭乗券を見せてくる。明らかに別の席だ。後ろの通路側の席だった。正しい席を指差すと、特に文句も言わずに移動してくれた。
ああ無駄に疲れるな。頼むから、最初に正しい席に座ってくれ。離陸後に空いている席に移動すればいいだけなのに。今回はほぼ満席で移動できそうになかったけれど。
機材は、B737-800。
シートピッチはそこそこ余裕あり。
このあたりはフルサービスキャリアの余裕を感じられる。
シートモニターは無し。頭上に共用モニターが設置されている。
USBポートやコンセントは見当たらず。
シートピッチ以外はLCCと大差ない。
窓の外には、中国東方航空と書かれた翼が見える。
その向こうには中国国際航空の機体だ。
慌てて搭乗したけれど、離陸はまだ先だった。ばらばらと10人ほどが遅れて搭乗してきた。
13時57分、プッシュバックして、滑走路へ向かう。
14時16分、離陸。
機内サービス
離陸後30分ほどして、機内サービスの提供がはじまった。
ドリンクはあとまわしで、一律に機内食が配られる。ビーフorチキンといった選択肢はなく一種類のみ。
メインは、なぜかイタリアントマトスパゲッティだった。
フルーツ盛り合わせと、デザートにたい焼き。
中国らしさゼロの内容だった。
武漢の空港で気付いたが、どうやらイタリアントマトスパゲッティは中国で人気のメニューらしい。コンビニにもレストランにも置いてあった。
味はまあ見たまんま。ちょっと濃い味付けで、決してまずくはないけれど、積極的にリピートはしたくないレベル。なか卯で丼食べておいて正解だった。
その後、ドリンクの提供があった。
CAからは中国語で話しかけられる。
英語で、Coke with iceといっても、なかなか通じなかった。
機内サービスは以上。
モニターでは、路線図が表示される程度のもの。
基本中国語のみの表示だ。
さすがにアナウンスは英語でも放送された。日本語は一切無し。
周囲の乗客はほとんどが中国人。
延々と中国語が飛び交っている。特におばさまたちはずっと喋りっぱなしだ。想定内だったし、そこまで大声でもないので許容範囲。
スマホで音楽聞きながら睡眠を取ることができた。
気づけば、眼下には街が広がっている。
武漢が近いのか。
中国時間の16時56分、武漢天河国際空港に着陸。
フライト所要時間は、4時間40分だった。
これくらいなら全然余裕。
座り心地は良かったし、特に問題なし。
中国ビザ免除入国
はじめての武漢・天河国際空港だ。
乗り継ぎだけど、一度入国しないといけない。
11月末に日本人の中国入国ビザ免除措置が再開されたばかり。
乗り継ぎでも観光目的滞在でもノービザで入国できるようになった。
ボーディングブリッジで降機後、案内板に従ってアライバルへ向かう。
天河国際空港はでかい。
しかも、ターミナルビルがいくつもあって、ここはターミナル3。
地方空港とは思えない巨大さだ。
そのわりに人は少なくて閑散としている。いかにも中国の巨大箱物といった雰囲気である。
途中に、外国人指紋登録機が設置してあった。
誰も利用していない。
ここで登録する必要はなさそうなのでスルーしておく。
ようやくアライバルへ。
エスカレーターを降りた先がイミグレーションだ。
入国カードの記入が必要。
パスポートコントロールの手前に台が設置してあり、カードとペンが用意されている。
最初に取ったのは、一時入国用カード。
いや、これじゃない。
通常のアライバルカードでいいはずだ。
記入例も掲示してあるのでわかりやすい。
さくさくと記入。
入境理由にはTransitの項目あり。
電話番号欄は空白にしておいたが、パスポートコントロールで日本の番号でいいから記入するように言われた。
ホテル欄は空白のままでオッケーだった。
裏面にも記入欄あり。
1番には、中国出発の時間と便名を記入しておく。
2番は「否」にチェックして空白のまま。
3番は、過去2年に訪問した国名を記入する。日本とタイと書いておく。
以上、あっさりと記入終了。
パスポートコントロールは、中国人向けと外国人向けに分かれていた。
外国人向けブースは3つくらいあったが、せいぜい2,3人待ち。
すぐに順番になった。
中国入国はひさしぶりだ。10年ぶりかも。
ちょっと緊張するが、まあトランジット目的だし、問題なかろう。
パスポートと搭乗券とアライバルカードを提出する。搭乗券はすぐに返却された。
さすがに英語は通じる。でも特に質問は特になし。アライバルカードに電話番号を書けと言われた程度だ。
指紋はここで登録する。顔写真の撮影もあった。
あっさりと入国スタンプを押してもらい、通過。
パスポートコントロールを抜けると、バゲージクレームに出る。
壁にはWELCOME TO WUHANの看板でお出迎え。
時刻は17時32分。
すでに荷物レーンはまわっていた。
関空で預けた荷物が無事に出てきた。
次に税関へ。
X線の機械が置いてあったが、手荷物だけを通すように言われた。
あとはノーチェックだ。
申告するものがないならば、ほぼ素通りできる。
中国の空港の保安検査場は厳しくて、ライター類を必ず没収されるが、入国時には保安検査場がないため、ライターの持ち込みもできた。
はい、これにて、無事に中国入国完了。
ノービザで楽々入国できましたな。
到着ロビーで、なにかのオブジェがお出迎えしてくれる。
武漢名物なのかね。
その横のモニターには、社会主義核心とか書いてある。
民主とか文明とか自由とか平等とか公正とか法治とか、少々疑わしい美辞が並ぶが、まあ気にしない。
ともかく、WELCOME TO WUHANなのである。
まずは一服しよう。
ターミナルビル内は全面禁煙となっているもよう。
到着フロアから外に直接は出れないみたい。
出発フロアへ移動。ここからは外へ出られる。
おお、これが武漢か。
でも、武漢到着の余韻に浸るよりも、今はとにかくニコチンがほしい。
入口付近に喫煙スペースがあった。
ライターもあるので誰に借りる必要なし。
中国入国後の最初の行為はニコチン摂取となった。
それにしても寒いな、武漢は。
関空と変わらないくらいの寒さ。いやもうちょっと寒いかも。
さて、バンコク行きフライトまであと6時間くらいある。
どうやって時間を潰そうか。
(後編のバンコク行きトランジットフライト編に続く)
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