関西国際空港第1ターミナル国際線の保安検査場に長蛇の列ができている。時間帯によっては、1時間待ちや2時間待ちなんて声も聞こえるほどだ。
この保安検査場を楽々と通過する方法がある。ファストレーン(優先レーン)を使えば、待ち時間は一気に短縮される。
でも関空のファストレーンはどうにもわかりづらい。
今回タイ航空のビジネスクラスに搭乗する際にファストレーンを使ってみたので、報告までに。
目次
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関空国際線保安検査場ファストレーン
昨年来、大混雑が伝えられている関空の保安検査場だ。
実際に長蛇の列に遭遇したことがある。
保安検査場入り口へ至る列が幾重にもつづれ織り状態となっていてゴールが見えないほどだった。
この長蛇の列を回避するには、ファストレーンを使うしかない。
関空第1ターミナル国際線出発口のファストレーンの利用資格については、これといった明確な情報源が見当たらない。
関空のホームページにもはっきりと書かれていない。
なんともあやふな状態だ。
タイ航空ビジネスクラス
今回、同じタイ航空のフライトで友人と一緒にバンコクへ行く。
こちらはエコノミークラス、友人はビジネスクラスだ。
ビジネスクラスのチェックインに付き添った。
チェックインカウンターは、ROYAL SILK(ロイヤルシルク)と書かれたレーンだ。スターアライアンスのゴールドステータスを所有している人も使える。
チェックインを済ませると、ファストレーンチケットが手渡された。
これがないと、ファストレーンを使うことができない。
Fast Lane Ticketの現物
航空会社と日付のスタンプが押されている。
人数分のチケットが必要で、入り口で回収される。
タイ航空の地上係員に確認したところ、タイ航空ではビジネスクラス以上の搭乗者にはファストレーンチケットを配布しているとのことだ。
または、ANAの上級ステータス資格者であれば、エコノミークラス搭乗でもファストレーンが使えるという。
ANAのファストレーン利用資格
ANAのホームページで確認してみる。
優先保安検査場 : ファストレーン
ビジネスクラスおよびANA「ダイヤモンドサービス」メンバーのお客様は、優先保安検査場をご利用になれます。ご利用の際は、ファストレーン利用チケット、および搭乗券をご提示ください。ファストレーン利用チケットは、搭乗手続き時にお渡しいたします。オンラインチェックインおよび自動チェックインにて搭乗手続きをお済ませのお客様は、関西空港ANAチェックインカウンターにてお受け取りください。
ビジネスクラスご利用のお客様はご本人のみ、ANA「ダイヤモンドサービス」メンバーのお客様は、ご同行(ご一緒に検査場通過)のお客様1名様もご利用になれます。
⇒https://www.ana.co.jp/ja/jp/guide/prepare/airport-guide/international/kix/?tabitem=asw-tab__item-box-2
ANAのステータスでは、ブロンズサービスとプラチナサービスとダイヤモンドサービスの3段階ある。
関空ファストレーンが使えるのは、最上級のダイヤモンドサービスメンバーでないといけない。
プラチナサービスでスターアライアンスゴールドのステータスが得られるわけだが、ただのスターアライアンスゴールドでは、ファストレーンは使えないということになる。
ANAのダイヤモンドでないとだめ。これはかなり厳しい条件だ。
ANAダイヤモンドであれば、タイ航空のエコノミークラス搭乗時でもファストレーンが使えることになるけれど、ほとんどの人には無理な話。
タイ航空は、ANAと同じくスターアライアンス加盟航空会社だ。
タイ航空のマイレージでスターアライアンスゴールド資格があっても、エコノミー搭乗時にはファストレーンが使えない。
ファストレーンを使うためには、最低でもビジネスクラス搭乗は必須といえる。
明確な説明書きは見当たらないものの、スターアライアンス加盟航空会社であれば、ビジネスクラス搭乗時にはファストレーンチケットが渡されるものをみられる。
JALのファストレーン利用資格
JALはどうか?
優先保安検査場(ファストレーン)のご案内
ご利用対象
JAL運航の国際線(他社運航のコードシェア便は対象外)にご搭乗になる以下のお客さま
・ご利用に際しお手伝いをご希望される方
・2歳未満のお子さま連れの方
・ビジネスクラスをご利用の方
・JMBダイヤモンド/JGCプレミア会員の方
・ワンワールド エメラルド会員の方
・GBC会員の方ご利用方法
空港会社発行の利用券/地図が必要となりますので、ご希望のお客さまはご出発時にJAL国際線チェックインカウンター係員までお申し出ください。
⇒https://www.jal.co.jp/jp/ja/inter/airport/kix/info/
ANAとほぼ同じ内容だ。
ビジネスクラス利用でファストレーンが使える。
もしくは、JALのステータスのうちで、最上級にあたるJMBダイヤモンドもしくはJGCプレミア会員でもファストレーン利用可能。JGCサファイアでは利用不可となっている。
JALはワンワールド加盟だが、ワンワールドのステータスで関空のファストレーンを使うにはエメラルドが必要となっている。エメラルドになるのは、JMBダイヤモンドもしくはJGCプレミアが必要なので、結局は同じこと。
ANA同様に厳しい条件だ。
ワンワールド加盟航空会社であれば、JAL以外の航空会社のビジネスクラス利用者もファストレーンチケットが渡されるはずだ。
なお、GBC会員とは、グローバル・ビジネス・クラブ会員のこと。
KIX-ITM GBC会員
法人向けのKIX-ITM グローバル・ビジネス・クラブ会員もファストレーンが利用可能だ。
⇒https://www.kansai-airport.or.jp/kix-gbc/service/
アプリで通行許可証を提示すればいい。
搭乗クラスは無関係で、たとえLCC搭乗時でも利用できるようだ。
法人向けサービスのため、一般旅行者には関係ないが。
関空ファストレーン利用資格まとめ
・ビジネスクラス搭乗者
・ANAダイヤモンドサービスメンバー
・JALダイヤモンド・プレミアメンバー
・KIX-ITM GBC会員
以上4つのタイプに分類できる。
すべての航空会社のビジネスクラスが対象となるかは不明だ。
スターアライアンスとワンワールドに加盟している航空会社は間違いなくファストレーンが使えるはず。
スカイチームなど他のアライアンスの航空会社のビジネスクラスでもファストレーンチケットを渡してもらえるかは確認できていない。
LCCの扱いもわからないが、LCCにはそもそもビジネスクラスという設定がないため、ファストレーン利用対象外のような気がする。
ANAとJALの最上級ステータス保有者は、加盟アライアンス航空会社のエコノミークラス搭乗時でもファストレーンが利用できる。
いやはや、関空ファストレーンの利用ハードルの高さよ。
実際の関空ファストレーン通過
現在、関西国際空港はリノベーション工事中だ。
第1ターミナルの国際線出発口は、1と3のみ。中央の2は閉鎖されたまま。
保安検査場は出発口1と3の二箇所で、それぞれにファストレーンが設置されている。
午前中は出発便が集中していて、保安検査場入り口には長蛇の列ができる。
出発口3のほうが空いていることが多いようだ。
一般レーンの脇に、ファストレーンが設置されている。
ファストレーンのすぐ隣は、職員・乗組員専用の入り口がある。
ファストレーンに入る際には、さきほどのファストレーンチケットを渡す必要あり。搭乗券の提示も必要だ。
友人はファストレーンチケットがあるため、問題なく利用できた。こちらはエコノミークラス搭乗なので同行不可。
友人は待ち時間ゼロでファストレーン入り口から保安検査場へと進んでいった。
実際に利用した友人いわく、中に入ると、航空会社のスタッフが多く順番待ちしており、一般乗客はさらに待つ必要があったとのこと。
それでも、保安検査場の一般レーンと比較すると雲泥の差だ。一般レーンは中に入るのに数十分待ちがザラなので。
まとめ
関空第1ターミナル国際線保安検査場ファストレーンは、たしかに便利だ。あっという間に保安検査場に入ることができる。でも、利用資格を得る条件はかなり厳しい。
今回調べてみたが、まだまだあやふやな点が残されている。とりあえず、ANAとJALは最上級ステータスがあればエコノミークラスでもファストレーンが使える。タイ航空はビジネスクラスで利用可能。
ちなみに、関空第2ターミナルにはファストレーンはない。LCC専用ターミナルだし、そもそも保安検査場入り口での待ち時間はほとんどない。
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