パタヤ沈没日記30
ウドンターニーでカラオケ嬢に見切りをつけて一人でパタヤへ戻ってからの話。
カラオケ嬢とのその後の展開について。
まず、数日後に電話がかかってきた。
いわゆる鬼電で、ひっきりなしに着信音が鳴り続ける。
それでも、わたしは電話を取らなかった。
正直なところ、面倒くさいと思ってしまった。
翌日以降は、電話もLINEも音沙汰なし。
さらに1週間後。
わたしがバービアで飲んでいると、目の前をバイタクに乗って通り過ぎて行くカラオケ嬢を見かけた。
彼女がわたしに気づいていたのかどうかはわからない。
眠たそうに大あくびしていた。
あいかわらずのキーキアットな表情。
彼女はパタヤに戻ってきていた!
まあ、そりゃあそうだ。
イサーンの田舎にいても収入源はない。
早かれ遅かれパタヤへ戻ってくるのはわかりきっていた。
アパートの部屋もそのままにしてある。イサーンへ帰郷する前にわたしが部屋代を払ってあげていた。
それからさらに1週間以上経過したが、お互いに連絡はまったく取っていない。
このままでは、自然消滅していくのは必至。
お互いの居場所はわかっているし、SNSではいまだにつながっている。
会おうと思えば、いつでも会える。
一人暮らしになってからは、わたしもそれなりに節約に励んできたし、予算的にはきつくなくなった。
こちらから連絡すれば、すぐにでも再会できそうだ。
が、一度冷めてしまった情熱を再燃させるのは、なかなか厳しい。
それに、現在は複数のコヨーテ嬢との関係を維持しており、このバタフライ生活も捨てがたい。
とはいえ、カラオケ嬢への未練がまったくなくなったわけでもない。
あのだらだらした同棲生活をまた送りたいとも思う。
タイの夜遊びでは、この課題にいつもぶち当たる。
特定の女性とべったり過ごすのか
それとも
とっかけひっかけのバタフライ生活を満喫するのか
もはや永遠の課題である。
一方に傾きすぎるともう片方が恋しくなり、まるで振り子のように行ったり来たりしてしまう。
半同棲生活をしつつも、たまに浮気するくらいがベストなんだろうけどねえ。
女は怖いというが、男もまたどうしようもない生物である。
そもそもパタヤで夜遊びをしているくせに真実の愛とか情愛とかを求めるのが間違っているのか。
まあ、そういう運命の出会いがどこかに転がっているかもしれないと、ほんの1ミクロンほどの期待を抱きつつ、もうしばらくは夜の街を徘徊しようかと思う。
決してカラオケ嬢のことは忘れてませんよ~
ちなみに彼女がわたしの部屋に置きっぱなしの巨大ぬいぐるみは、クローゼットに隠してあります。
他のレディに見られるわけにはいかないけど、捨てるつもりもないんで。
男って、未練がましいもんですよ。