日本からタイへ国際送金(海外送金)する方法をまとめてみた。
個人が普通に行える国際送金には大きく2種類ある。
1 銀行から銀行へ
受け取る側に銀行口座が必要となる。一般的な送金方法。
2 個人あてに送金
受け取る側の銀行口座は必要がない。名前と住所など身元を特定できる情報があれば送金可能。ウェスタンユニオンが代表的。
ここでは主に日本の銀行を利用した国際送金について取り上げます。
実際のシミュレーション結果も載せてあります。
果てして、どの方法が一番手数料が安くなるのか、どれが一番お手軽な方法なのか、参考にしてみてください。
国際送金については調べれば調べるほど、為替手数料や送金手数料や受取手数料や中継銀行手数料など、ややこしいことが多すぎて、はっきりと断言できるものではありません。
あくまで参考程度にどうぞ。
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ゆうちょ銀行
ゆうちょ銀行からタイの銀行口座へ簡単に送金できる。
たとえば、バンコク銀行へ送金するなら、バンコク銀行側で詳しく解説してある。
バンコック銀行のSWIFTコード BKKBTHBK
お客様の口座名義
口座種類(例:普通預金)
口座番号(10桁)
以上の情報が必要。
バンコク銀行の口座を持っているタイ人やタイ在住者に送金したい人は、これが一番楽かも。
送金先の口座名義と口座番号がわかれば簡単に送金できる。
ゆうちょの国際送金を取り扱う窓口で行う必要がある。よほど小さな郵便局以外は取り扱っているようだ。
特に事前手続きはいらない。直接窓口へどうぞ。
ゆうちょダイレクトでは取り扱いがないようだ。
日本から送金する際には、ゆうちょ銀行で手数料が必要。
HPによれば、一律2500円とある。
為替レートはネット上で調べることができない。
直接窓口やコールセンターで確かめる必要があるようだ。
決済までの所要時間は4日から6日。
さらに現地で受け取りの際に手数料200バーツが引かれるようだ。
200バーツは、日本の大手都市銀行の国際送金受け取り手数料に比べれば大幅に安い。
なお、ゆうちょ銀行以外の日本の銀行からバンコク銀行へ送金した場合の受け取り手数料は、最大500バーツ。
(額面によって変わってくる。ゆうちょ銀行からは額面にかかわらず200バーツ。)
かりに1バーツ=3.5円としてみよう。
1万バーツを受取人に送金するには、35,000円。それに手数料2500円を食わせて37,500円となる。
もちろん、ゆうちょ銀行から、バンコク銀行以外の銀行へも送金可能。
ゆうちょ銀行側の手数料は変わらないが、タイの銀行側の受け取り手数料が変わってくるはず。
また、ゆうちょ銀行では、海外の住所あて送金もできる。
手数料2500円。
為替証書を国際郵便で送付して、受取人が現地の郵便局などの窓口へいって現金を受け取るというシステム。
タイまでの所要日数は5日から10日ほど。
利用価値は低いと思われる。
詳しくは、ゆうちょ銀行の国際送金のHP参照のこと。
三菱東京UFJ銀行
窓口で国際送金可能。
手数料は4000円からと、かなり高額。
ほとんど利用価値はないと思う。
ネットバンキングでも送金可能だが、あらかじめ申し込みが必要と少々面倒くさい。しかも手数料は3500円。
あまり使い道はなさそう。
三井住友銀行
こちらもUFJと同じく、窓口もしくはネットバンキングで国際送金可能。
海外送金手数料が4000円。それに関係銀行手数料が2500円別途かかり、合計6500円。
話にならない。
楽天銀行
楽天銀行なら750円と手数料が安い。
日本円をタイバーツに両替して送金するなら、リフティングチャージはかからない。
海外中継銀行手数料は必ずかかってしまうので、やむをえない。これは送金人負担か受取人負担かを選択できる。
楽天銀行のサイトにシミュレート機能がついているので、実際にシミュレーションしてみた。
タイにいる相手に、10,000バーツを受け取ってほしい場合のシミュレーションとなる。
つまり、タイ在住者から「1万バーツ送ってね」と頼まれたときに必要な日本円の額。
シミュレーションの結果がこちら。
1万バーツを送るのに必要な日本円が、36,750円となった。
うち手数料が1750円。
為替レートは、1B=3.5円の計算だった。
ただし、タイの銀行で受け取る際には、受取手数料がかかる。
前述のとおり、バンコク銀行なら200バーツから500バーツ。
もし1万バーツを確実に受け取ってもらいたいなら、受取手数料分を上乗せしてあげたほうがいいだろう。
楽天銀行国際送金の申し込みの手順
まずは、楽天銀行の口座開設から。
口座開設後、ネットで海外送金の申し込みをする(2~5営業日かかる)
申し込みが完了となったら、ネット上から簡単に国際送金可能だ。
なお、楽天銀行のデビットカード(JCBもしくはVISA)にすれば、国際キャッシュカードとしても使える。
銀行口座にあらかじめ入金しておいた額だけ、現地のATMから現地通貨を引き出すことが可能だ。
SBIレミット
国際送金の手数料が安い方法としては、SBIレミットがお得と言われている。
タイ宛の送金の場合、
1円から30,000 円で、手数料880 円
30,001円-250,000 円で、手数料1,480 円
250,001円から100万円で、手数料1,980 円
手数料は楽天よりも高い。
楽天銀行のようなシミュレーションが利用できる。
条件は同じ。1万バーツを受け取って欲しいと仮定する。
合計36,573円必要。
うち手数料が1,480円
換算レートを計算しなおすと、1B=3.508となり、楽天銀行とほぼ同じ。
トータルでは、楽天銀行よりもわずかに安い。
手数料自体は楽天よりも高いが、海外中継銀行手数料がかからないせいだと思われる。
というのも、SBIミレットでの送金は、銀行口座宛てではなくて、個人宛てとなっている。
マネーグラムのシステムを利用している。
送金にかかる時間は、最短10分。
受け取りには、送金番号とIDカードを提示する必要がある。
ちなみに、タイではサイアム商業銀行やTMBなどがマネーグラムの窓口となっている。
パタヤ市内では合計20箇所くらいで受け取り可能。
SBIレミットの申し込みの手順
まずは、SBIレミットに会員登録。
その後、送金先のデータ(氏名、住所)を登録する。
インターネットからでも送金可能だが、一番楽なのはファミリーマートでコンビニ送金することだ。
(上記のシミュレーションもコンビニ送金となっている。ただしコンビニ送金に必要な入金手数料が別途550円かかる。)
手続きが完了したら、受取人へ送金番号を知らせてあげる。
あとは、受取人本人がマネーグラム取り扱い店へ出向いて、送金番号とIDカードを提示すれば、現金を受け取ることができる。
セブン銀行
セブン銀行でも国際送金を扱っている。
手数料は、
1万円までが、手数料990円
5万円までが、手数料1500円
セブン銀行のサイトでも、シミュレーション機能がついている。
ここでも、1万バーツを受け取るために必要な額をシミュレートしてみた。
必要な日本円は、36,960円。
うち手数料が1500円。
為替レートは、1B=3.54円
楽天銀行とSBIレミットに比べると、少しだけ高い。
おそらく為替レートが悪いせいだろう。
銀行口座ではなくて、個人宛ての送金となる。
こちらはウェスタンユニオンのシステムを利用。
送金は最短数分で完了となる。
受け取りはウェスタン・ユニオンのマークがある銀行や両替所で可能。
送金処理番号とIDカードを提示して受け取ることになる。
マネーグラムよりも扱っている店舗は多い。
パタヤの両替所でもウェスタンユニオンのステッカーが貼ってある店をよく見かける。
ただ、店舗によって受取手数料が異なるようだが。
海外のウェスタンユニオン取り扱い店舗検索はこちらから。
⇒ウェスタンユニオン
受取人に店舗の場所を教えてあげると親切かな。
パタヤで検索すると大量に出てくるので、マネーグラムよりは、はるかに便利そうだ。
セブン銀行の申し込み手順
セブン銀行の口座開設が必要。海外送金サービスの申し込み手続きも必要だ。
あとは、セブン銀行に入金のうえ、ネットバンキングを利用して、国際送金する。
送金の流れとしては楽天銀行とほぼ同じで、受け取りのスタイルはSBIミレットと同じ。
送金が完了したら、受取人に番号と知らせてあげよう。現地のウェスタンユニオンで簡単に現金を受け取ることができる。
まとめ
以上、代表的な銀行と外国送金サービスに特化した銀行の手数料を比較してみた。
最もお手軽なのは、ゆうちょ銀行だろう。窓口に行って、手続きするだけ。ただ手数料が2500円と割高。
どうしてもシステムがよくわからないという人は、ゆうちょ銀行の窓口へ行くのが一番手っ取り早いかもしれない。
1万バーツを送金するのに必要な日本円のシミュレーションの結果一覧は以下のようになった。
楽天銀行:36,750円
SBIレミット:36,573円
セブン銀行:36,960円
(ゆうちょ銀行は為替レートが不明なため算出不可。1B=3.5円で計算すると最低でも37,500円かかる。)
SBIレミットが一番安かった。ただし、ファミリーマートでの送金の際に別途入金手数料がかかる。さらに受け取りがマネーグラムとなるのが、受け取り側としては少しややこしいかも。うまく説明してあげる必要がありそうだ。
楽天銀行だと銀行口座への送金が簡単。手数料もゆうちょに比べると安い。タイの銀行口座あてに送金するなら、楽天銀行を使うのがよさそう。
送金先の銀行口座番号が必要なく、ウェスタンユニオンを利用するのがセブン銀行。タイではウェスタンユニオンの取り扱い店舗が多いんで一番便利だ。
ちなみに、欧米人がタイへ送金する場合は、ウェスタンユニオンを使うケースが多いようだ。
わたしは実際に何度か現場を目撃しております。
となると、送金慣れしているタイ人には、セブン銀行のウェスタンユニオン経由がわかりやすいかもしれない。
このシミュレーションは、あくまで送金側の銀行が提示しているもので、受け取りの際には別途手数料がかかることがある。
実際にどれが一番お得かは、各銀行が設定している為替レートにも左右されるわけで、断言するのは困難。
思わぬ手数料がかかるケースもある。
数万円ほどをタイへ送金するなら、自分が一番使いやすいところでいいんじゃないでしょうかね。
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