タイでは物価が上昇している。
少し前は豚肉や鶏肉、野菜の価格が上がった。
ここ最近、一気に高騰してきたのがガソリン価格だ。
ロシアのウクライナ侵攻は、タイの物価にも影響を与え、そしてタイにいるロシア人にも大きな影響を与えている。
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パタヤのガソリン価格上昇
パタヤタイにあるシェル石油ガソリンスタンドの価格表。
91(いわゆるレギュラー)が36.95バーツ。1バーツ3.5円で計算すると、リッター129円。
95(いわゆるハイオク)が44.86バーツ、リッター157円。
タイではガソリンスタンドでの給油の種類が多くて、少々混乱する。
普通の乗用車やバイクでは、91か95を入れればいい。
今回の給油では、スクーターで95が5リッター弱だった。
支払いは220バーツ。
びっくりした。
パタヤでバイク生活していて、1回の給油で200バーツを超えたのは初めてだ。
どうやらシェルは他の会社とは違ったプレミアムな95を使っていて、他のスタンドよりも高いようだ。
それでも、日本でいう小型原付きバイクの給油で200バーツ越えには驚いた。770円だ。
ウクライナ侵攻の前からじわじわとガソリン価格は上がっていたが、まさかここまで高くなるとは。
今まではバイクの給油なんてどこでもいいと気にしていなかったが、これからはもっと安いところを探そうかと考えてしまう。
頻繁に車を利用している人なら死活問題だ。
タクシーやバイタクの価格も高くなりそう。
バービアのビール値上げ
そんな中、知り合いのバービアは3月からビール代の値上げに踏み切った。
昨年12月中旬になし崩し的にバービアは営業再開している。
これまではバービア再開プロモーション的に瓶ビール60バーツで提供していた。
が、3月に入り、70バーツに値上げした。
最近ビールの仕入れ値が値上がりしたそうで、それに伴い提供価格も値上げ。
もうプロモーションは無理だと嘆息していた。
といっても、コロナ前の通常価格に戻っただけで、まだまだ安いと言えるのだが。
数年前には酒税増税により、パタヤのバービアビール価格が上昇した。5バーツから10バーツほどだ。
今回の値上げは、物価上昇によるもの。ガソリン価格上昇も影響しているだろう。
もちろん、値上げせずに通常価格のまま販売するバービアも多い。これは店次第。
ちなみに、ここ最近ではコーヒーの価格も上昇したように思う。街中のコーヒースタンドで1杯5バーツの値上げは数軒見かけた。
料理に関しても10バーツ値上げは珍しくない。値上げせずの価格維持でも豚肉の量は減った。
ムーガタ屋も値上げしている。
それと、ゴールドも上昇中だ。
ロシアとウクライナはタイにも影響を及ぼす
3月1日の報道で、ウクライナ侵攻のタイへの影響についてプラユット首相の談話が紹介されていた。
ガソリン価格から暗号通貨市場まで幅広くタイ経済へ影響を間違いなく与えるだろう、危機が長引けばタイ経済は打撃を受けると。
まあ当たり前といえば当たり前のコメントだが、もうすでに影響は出ている。
そして、タイには多くのロシア人が観光に来ているが、彼らへの影響も大きい。
3月3日のCCSA会見にて、3月1日と2日にタイへの旅行者の数が発表された。
2日間の合計で、15,629人。
うち13,197人がTest&Goを利用している。サンドボックスが2,109人。
出発国のトップ10は、イギリス、ドイツ、シンガポール、ロシア、フランス、アメリカ、UAE、カザフスタン、オーストラリア、イスラエル。
これまで常に1位だったロシアが4位にまで下がった。
ロシアからの旅行者が激減していることになる。
なお、3月3日発表の海外からの入国者の感染確認は181人。
ミャンマーからの密入国が44人。ロシアからは33人で一般旅行者ではトップとなっている。
それだけ多くのロシア人旅行者がタイに来ていた。
ロシア人観光客の多くがサンドボックスを利用して、プーケットを訪問。
そのプーケットでは問題も起きている。
タイの大手医療サービスプロバイダーのBDMSは、バンコク病院などプーケットの3病院でのロシアとウクライナの保険会社からの医療保険支払いを停止と発表した。
医療サービスはキャッシュでの支払いのみ提供するとのことだ。
パタヤの私設両替店大手のTTカレンシーでは、ロシアルーブルの両替を停止している。
両替レートは0となっており、両替不可だ。
昨日改めて両替所を見てきたが、まだレートは0.000表示のままだった。
むろん、大手銀行や他の両替所では、両替可能なところはあるだろう。
それでもウクライナ侵攻前より格段に悪いレートになっているはずだ。ルーブルは30%下落している。
ロシアへの経済制裁は日に日に強くなっている。
ロシアの銀行を通じたマスターカードとビザのクレジットカード決済は使えなくなった。
アップルペイやグーグルペイも停止。
SWIFT除外により、ロシアからの国際送金はほぼ使えない。
WISEもロシア向けサービスを停止したという。
パタヤやプーケットにいるロシア人(もちろんウクライナ人も)は大変な事態になっている。
ルーブルは暴落し、両替不可あるいは低レートでの両替を余儀なくされる。
クレジットカードは使えず、国際送金も不可。
医療保険は受け付け不可。
ルーブル現金しか持っていない人は、病院に行くことも厳しくなる。
中国の銀聯を使って中国経由での決済や仮想通貨を使って、経済制裁を回避する方法もあるようだが、なんの用意もしてない旅行者は行き詰まってしまう。
しかも国に帰ろうにも、フライトが運航されるかは不透明。
EUがロシア機の領空飛行を禁じ、対抗措置としてロシアはEU加盟国など36カ国のロシア領空飛行を禁じた。
タイからロシアへのフライトは今のところ問題なさそうだが。
まとめ
タイは開国モードを高めてきて、パタヤでも観光客は増えてきている。
でも物価は上昇している。さらに上昇する可能性も高い。
ロシアからの新規旅行者は激減していくだろうし、EUからの旅行者も減るかもしれない。
アジアへの直接の影響はまだ薄いけれど、この先、どうなることか。
でも経済は回さないといけない。
特にタイの観光業者にとっては本当に死活問題だ。
海外からの旅行者が必要だ。
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