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2015年8月~パタヤ沈没日記

浮気心に目覚めた男は、ソイ6へとバイクを走らせる 沈没史第53話

投稿日:

 

以下の記事は、2015年10月頃についての回想録です。

 

泥酔カラオケ嬢が泣きじゃくる。タイの夜の女性の心の闇は深いのか。からの続きです。

 

53日目

泥酔から覚めた彼女は、やっぱり怠け者だった!

昨晩は泥酔したあげく号泣してしまったカラオケ嬢ですが、いつものように昼すぎまで寝続け、ちっとも起きる気配もなく、僕はただじっと彼女が目覚めるのを待つしかなかったわけですが、さすがに腹が減ってくるので、ブッカオの市場へ食料の調達に出かけたのでした。

 

「はぁ。いったいおれは何のために彼女と一緒に過ごしているんだろう・・・。」

 

とはいえ、彼女のルックスは僕には不釣り合いなほど可愛くてスタイルもいいわけですから、こんな僕のようなダメ男なんかと一緒にいてくれるだけでも感謝しなければいけないのは充分に理解しているつもりなのですが。

市場で買い物を終えて部屋に戻ると、彼女はすでに起きていました。
彼女は、昨晩のことなどなかったように、わたしが買ってきた食料を食べていましたが、それでも物足りないのか、カップラーメンを大いにすすっており、その食欲の旺盛さに、ぼくは感心するとともに呆れてしまうのでした。

食後はすっかり満足したのか、彼女はまたベッドにもぐりこんでしまいました。これにはさすがに呆れを通り越して、軽い怒りを覚えざるを得ませんでしたね。

 

「食って寝る、食って寝る、食って寝る。なんてぐうたらなんだ・・・。」

「これじゃあまるでおれが召使いのようじゃないか・・・。」

日本からタイにやって来て、ぐうたらな生活をしている僕が言えた義理はないのですが、彼女の寝ている姿を見ていると、そう思ってしまうのでした。

最愛の女性を裏切り、男はバイクにまたがる!

夕方になり、ようやく彼女は起き出してきましたが、僕を顔を見るなり、「腹が減った」と言い出しました。
はやく食事に連れて行けと要求するその姿は、まるで女王様のようで、やはり僕は召使いなんだと思わされてしまい、何だか心にもやもやとしたものが湧き出してきたのです。

とはいえ、女王様の命令は絶対なわけでして、従順なしもべである僕は、彼女を後ろに乗せて、その胃袋を満たすために食堂へとバイクを運転するしか道はなかったのですが。

 

食堂でも彼女はビールを飲みながら、飯を大量に食べていましたね。昨晩あれほど泥酔したのに平気でアルコールを飲む姿に愕然としつつ、そのビールと食事代は誰が払うのかわかっているのかと、問い詰めたい気分に襲われましたが、たまに僕の肩に寄りかかってくる彼女の横顔を眺めると、文句を言うことなどできませんでした。

今夜は出勤せずに僕の部屋でテレビを見るという彼女のために、コンビニでさらにお菓子やビールを買い込んで、部屋に戻ったのですが、やはり僕の心には、どこかわだかまりが残っており、心中穏やかではないというのが正直な感想なのでした。

 

「どうせ彼女は飯を食べては部屋で寝ているだけの怠惰なやつなんだ・・・。」

「たまには、おれも違う女とやったって文句を言われる筋合いはない・・・。」

「パタヤには、他にも無数に女がいるんだ・・・。」

「そうだ。ソイ6に行って、遊んだってかまわないんだ・・・。」

彼女がぼりぼりとおやつを食べながらテレビを見ている姿を見ていると、僕の心にはそんな浮気心がむくむくと持ち上がってきて、どうにも止まらなくなってきましたが、これは僕のせいではなくて、彼女の生活ぶりのせいなんだと自分を納得させて、ついに、僕は部屋を出ることにしたのです。

もちろん、彼女には、

「ちょっと日本人の友だちに会いに行ってくるよ。すぐに戻るからさ」

と、嘘を告げてしまいましたがね。

 

彼女はわたしを一瞥しただけで、またテレビのほうへ向き直ってしまいました。

「浮気してやる・・・」

僕はそう心に決めて、バイクに乗り込んだのでした。

男は深夜のソイ6を練り歩く!

ソイ6

夜のパタヤをレンタルバイクで疾走すると、もやもやした気分が、まるで霧がさあっと消えていくかのように飛んでいくのは、かなり爽快でしたね。
向かう先は、ソイ6と呼ばれる、パタヤ随一の置屋バーが立ち並ぶエリアです。
ここには無数の女性たちが、男たちを享楽の境地へと導かんと虎視眈々と狙っていて、それはもう魔境と呼ぶにふさわしいスポットなのです。

 

「ああ、パタヤにはこんなにも女がいる・・・。」

「一人の女にしばられるなんて馬鹿げている!」

 

バイクに乗っている僕にも、次から次へと誘いの声がかかってきます。
通りの傍らにバイクを置いて、さらに端から端までソイ6のバーを順番にチェックしていくことにしたのですが、夜の11時過ぎでしたので、あたりにはアルコールや女性たちの化粧の匂いで混沌かつ猥雑な雰囲気となっており、僕の心は浮足立ってしまいましたね。

歩いていると、あちこちから声がかかり、手を引っ張れるわけですが、セカンドロードからソイ6に入って2軒目あたりの女性が熱心に勧誘してきました。年の頃は20歳くらいに見えましたが、話を聞いてみると24歳で、やはりタイ女性は若くみえるなと思いつつ、僕の目は彼女の顔よりもその大きな胸に注がれていました。
料金は、部屋代300バーツにチップが1000バーツと言われましたが、それでは予算的に厳しくなってしまいますので、値下げ交渉してみると、トータル1000バーツまで下がりました。
けれども、彼女の腹をよく見てみると、まるまると膨れており、その体型は僕の趣味ではなかったので、お引取りを願うことにしたのは致し方ないでしょうね。

さらに他の女性にも声をかけていきましたが、料金はトータル1000バーツでいいよという声が多かったですね。まあ、もちろん全員が全員ではありませんし、閉店間際という時間帯のせいもあるのは言うまでもないですがね。

 

そんな中、僕の目を釘付けにする女性が眼前に飛び込んできたのです。

ソイ6随一のルックスとスタイルに、男はしびれる!

大きな胸がまず飛び込んできました。つづいて、白い肌と端正な顔立ちにも釘付けとなってしまいました。
僕はひと目で気に入ってしまい、他の女性のことなど目に入らなくなってしまったのは、もはや必然でした。

 

「やりたい・・・」

「この胸におれの顔をうずめて、すべてを忘れたい・・・」

 

僕の部屋で僕の帰りを待つ最愛の女性のことなど微塵も顧慮せずに、僕はただ目の前にある大きな二つの山に心を奪われていたのです。

僕は一瞬言葉を失って呆然と立ち尽くしてしまいましたが、頭の片隅には、ひょっとしてレディボーイではないのかという疑念がよぎったのは無理からぬことでしょうね。
パタヤにはとにかくレディボーイが多くて、ここソイ6においても例外ではなく、綺麗な女性を見かけたらレディボーイを疑うのがパタヤ夜遊びの鉄則だからです。

すると、彼女のほうから声をかけてきました。
一緒に飲まないかとの誘いですが、その声はどこからどう聞いても女性のものにしか聞こえず、レディボーイではないのかという疑惑はあっさり晴れてしまいました。
僕はそれなりにタイで経験を積んできましたから、レディボーイはある程度見分ける自信があったのです。

僕が彼女の胸に夢中になっているのを見透かされて、彼女はわたしの手を取って彼女の豊満な胸へ誘ってきました。

彼女の魅力に抗しきれず、僕は思わず触ってしまいましたが、彼女の胸はシリコンの固さではなくて、実に女性の胸らしい柔らかさを持っていたのです。

そのまま手を握られて、僕は彼女とバーの中の暗がりへと連行されてしまいました。
もちろん、彼女の狙いはレディドリンクと上の部屋へのお誘いにあることは明々白々なのですが、とにかく僕はこの女性の魅力にまいってしまっており、冷静な判断力を失っている状態でした。

彼女は僕をソファーに座らせ、手を握ったまま、顔を近づけてきます。甘い吐息が僕の頬に吹きつけられました。

 

「美人だ・・・」

「やっぱりやりたい・・・」

 

僕の手が彼女の下半身へと誘導されていき、僕の心はさらに欲望まみれとなり、もはや我慢できそうにありませんでした。

が、次の瞬間、僕は度肝を抜かれて、心が凍りつくことになったのです。

僕の手が彼女の下腹部に触れると、そこには、女性にあってはならないものが付いており、やや小さいながらも、たしかにもっこりとしており、僕は一瞬にして真実に気づいたのでした。

 

「あっ!・・・」

声にもならない声を上げて、彼女の手をふりほどき、そそくさと店を立ち去ったのは言うまでもありません。後ろから呼び止める声がしたような気がしますが、それどころではありませんでしたね。
おそらく胸はシリコンよりも高価な豊胸手術を受けたものと想像できますが、それにしても、危ないところだったと自分を戒めるとともに、部屋へ上る前にきちんと自分がレディボーイだと主張してくれた彼女(?)には感謝しないといけませんね。

 

「あれだけレディボーイにはひっかからないように注意していたのに・・・。」

「レディボーイを見抜けるだなんて、おれはなんて自惚れていたんだ・・・。」

「そもそも、おれは何をやっているんだ・・・。」

夜のパタヤビーチで、男はたそがれる!

半ば呆然としたまま、僕はソイ6をふらふらと歩き、そのままパタヤビーチまで出てしまいました。
手に残った感触がいつまでたっても消えずに、僕はパタヤビーチでたそがれてしまうことになったのです。

いったいいどれくらいたったでしょうか、すっかり時間の経過も忘れても、茫然自失としていましたが、ポケットに入れていた携帯電話の呼び出し音で僕は我に返りました。
言うまでもなく、最愛のカラオケ嬢からの電話でした。

カラオケ嬢:

「いつまで遊んでいるの。腹が減ったから早く帰ってきて」

その叱責する声は、僕には天使の声に思えて、ついつい笑みがこぼれてしまい、もうここにはいられないと悟ったのでした。

 

「おれには、彼女がいるじゃないか・・・」

「ああ、これは浮気しようとした罰だ。早く帰ろう・・・」

慌ててソイ6に戻り、置きっぱなしにしていたバイクのエンジンをかけた頃には、すでにバーの半分ほどは閉店しており、さっきのレディボーイの姿は暗がりに溶けてしまって、もはや僕の視界には入ってきませんでした。

最愛の女性とラーメンをすする幸せを、男は噛みしめる!

バイクを走らせて部屋に戻ると、彼女はすぐに出かけるぞと僕を急かしました。
ブッカオにあるクィティアオへ連れて行くように命令され、僕は滞在時間5秒で再び外へ出て、バイクを運転することになりましたが、不思議といい気分でした。

カシコーン横のクィティアオ屋

カラオケ嬢はいつものようにクイティアオに大量の砂糖や唐辛子をぶちこんで、スープを地獄色に変えてから、おいしそうに麺を食べ始めたのです。

 

「これでいいんだ・・・。」

僕は自分のラーメンの麺をすすりながら、対面に座る彼女のことを眺めつつ、幸せを噛みしめるのでした。

カラオケ嬢:
「何?」

わたしがじっと見つめているのを怪訝に思ったのか、彼女がぶっきらぼうな声で聞いてきますが、僕にはどうでもいいことでした。

「何でもないよ。クイティアオおいしいね」

 

食べ終わると、また僕のことを急かして、家路に急がせましたが、彼女がクイティアオ一杯で満足できるはずもなく、コンビニに寄ってさらにお菓子とビールを買わされた羽目になりました。まあ、でも、もう文句を言う気にもならず、彼女の思うがままにしてあげることにしましたね。

結局、その夜は浮気もかなわず、僕はいつものように暴飲暴食したカラオケ嬢をいつものように抱きしめて眠ったのです。

「これでいい、のかな・・・?」

と思いつつ。

 

次回へ続く

 

 

 

※言うまでもなく、この記事の文体は、シパタイさんのパクリなんですがね。

一部、創作と誇張が混じっているのでありますが、おおむね事実で間違いないわけでして、さらにいえば、このような不埒な内容を人様の文体をお借りして表現するのは甚だ失礼かとも思うのですが、わたしはかのブログの大ファンでして、更新が止まっている状況を鑑みて、これが何かの応援となれば幸いかと思い、このような投稿となったのでした。

・・・おもしろいけど、意外と疲れますね、この文体。もうやりませんので、どうかご勘弁のほどを。

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