先週月曜日にプラユット首相が11月1日のタイ開国へ向けて動き出すように命令を出した。一種の開国宣言だ。
これを受けて、CCSAや保健省など関係機関が開国の準備を進めている。
荒廃したタイの観光業とタイ経済を復興させるのが開国目的で、年末年始のハイシーズンに外国人観光客を呼びこむ狙いだ。
まだ正式決定はしていないが、低リスク国からの旅行者は隔離検疫無しでタイに入国できるようになる。
このタイ開国については、タイ国内でも意見はわかれる。
観光業界は歓迎するが、医師たちは反対することが多い。
一般タイ人の反応について、世論調査が実施された。
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タイ開国に関するアンケート世論調査
Suan Dusit Rajabhat大学、Suan Dusit Pollによって、11月1日タイ開国に関する世論調査が実施された。
10月11日から14日かけてタイ全国1,329人を対象にオンライン調査したという。
隔離無し入国再開準備ができているか:はい39,90%、いいえ60.10%
11月1日開国に同意するか:はい40.14%、いいえ59.86%
開国に必要な条件とは(複数回答可)
人口の70%以上に高品質のワクチン接種:74.78%
感染封じ込め能力:69.04%
医療サービス、病院、医療従事者の体制が整う:68.31%
地域に入る前の必須検査:66.03%
空港、公共交通機関、レストラン、ホテルといった施設での安全性の信頼:65%
開国へ「不利な条件」について
人口に対してまだ完全なワクチン接種を終えていない:71.60%
国内に感染がさらに広がる可能性:70.45%
観光客がウイルスを持ち込む可能性:66.11%
新しい変異株への懸念:61.05%
新たな感染拡大への対処計画がない:55.92%
開国の「利益」について
経済回復:77.29%
人々が仕事を持ち生計を立てられる:74.74%
国の観光収入を生み出す:68.07%
観光業界が生き返る:64.17%
投資家とビジネス事業者が国の信頼を取り戻す:57.80%
開国の「好まざる影響」について
感染が再び増加する可能性:83.43%
再びロックダウンされる可能性:74.60%
医療サービス体制への影響:59.55%
不法入国の増加の可能性:54.85%
人々の生活条件への影響:48.19%
サンプル数はあまり多くないし、どこまでランダム調査したかはわからない。
でも、一般的な反応としては妥当な結果のように思える。
観光業や旅行業に携わっていない人や、観光地以外のエリアに住んでいる人は、開国を急ぐ理由をおぼえないだろう。
それよりも新たな感染拡大が怖い、となる。
パタヤなど観光によって成り立っている街の人にとっては、まさに死活問題なので、開国には当然賛成する。怖い部分もあるが、生き残るためには外国人観光客を招き入れざるをえない。
タイに来たいならおいで。外国人観光客が怖いとはおもわない。でも今のタイは感染が収まっていないから、逆に感染するおそれがあるけど、それでもいいなら来てもいいよ、といった声も聞かれる。
首相は開国を表明したテレビ演説の中で、開国後に一時的に感染が増加するであろうとこは承知しており、それでも経済回復のため、苦しんでいる観光業界の人たちを後押しするには開国が必要だと強調していた。
世論の6割が反対しているとしても、11月1日には開国していくだろう。
ただ、どのような形になるかはまだ決まっていない。
思ったほど大胆な開国の中身にはならないかもしれない。あれやこれやと規制や制限が多くて、外国人観光客にそっぽを向かれる可能性もある。
低リスク国リストや隔離免除の詳細は今週には発表になる予定だ。
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