今日は4月13日。
本来であればソンクラーンがはじまる日だ。
ソンクラーンはタイの正月にあたる。
各地で盛大な祝いごとや祭りが開催されて、パタヤでは街ごと狂乱の水かけ祭りと化す。
いや、パタヤでは通例としてソンラクーンの水かけは前倒しでスタートするもの。12日には街のあちこちが水浸しになるはずであった。
が、周知のように、今年のソンクラーンは延期となっている。
家の外での水かけや集会や宴会は行わないよう通達が出ている。実家への里帰りも取りやめるようお願いされている。
ソンクラーンの祝日も延期となっており、本来は休日だったはずが平日扱いとなった。役所もオープンする。
が、新年は新年である。ソンクラーンはソンクラーンだ。4月13日から15日なのである。
我慢できずに集会を開いて宴会を催すことは充分ありうる。
そこでタイ政府や各県が、ソンクラーンを前にして、酒の販売そのものを禁止にしてしまった。
タイ全土アルコール販売禁止
各県ばらばらにアルコール販売禁止措置がはじまっていたが、昨日4月12日をもって、タイ77県すべてにおいてアルコール類の販売が禁止となった。
県によってアルコール販売禁止期間はまちまち。
ざっくりと4月30日までとなっている。
4月15日まで:ラヨーン、ラノーン、クラビ、ブンカン
4月16日まで:サコンナコーン、ヤラー、ピチット、ロッブリー、ナコンシーアユタヤ、チェンライ、メーホンソン
4月17日まで:アマナートチャルーン、ウタラディット、カラシン、ヤソートーン、スラタニー、コンケーン
4月18日まで:ペチャブン、ナコンラチャシマー(コラート)
4月19日まで:ナン、チャチェンサオ、ナコンナヨック、パトゥムターニー、トラート、ラチャブリ、ソンクラー、サトゥーン
4月20日まで:サムットサコーン、カンペーンペット、チェンマイ、ノンブアランプー、プラエ、チャイヤプーム、サムットプラカン、アントン、ランパーン、スコータイ、ウタイタニ、ノンタブリー、ターク、パヤオ、ナラティワート、ノンカイ、ナコンサワン、シンブリ、マハサラカム、バンコク
4月22日まで:パターニ
4月30日まで:ランプーン、ブリラム、スリン、ナコンパトム、サムットソンクラーム、ロイエット、チャイナット、スパンブリー、ムクダーハーン、プラチュアップキリカーン、ウボンラチャタニ、カンチャナブリ、プラチンブリ、トラン、チャンタブリー、チョンブリ、シーサーケート、チュムポーン、サラブリ、サケオ、ペチャブリ、ナコーンパノム、パンガー、パッタルン、ルーイ、ナコンシータマラート
期限なし:ピッサヌローク、プーケット
参考⇒The Nation
バンコクが4月20日まで。
パタヤのあるチョンブリは4月30日まで。
パタヤのセブンイレブンではこのような張り紙がしてある。
またパタヤでは、家の外での飲酒は禁止となっている。
全面禁酒令ではないので部屋に置いてある自分の酒は家の中で飲んでもかまわないが、外に酒に持ち出して飲むのは禁止。ましてやグループでの宴会などもってのほか。
アルコール販売禁止は延長になる可能性もあるが、まだ先の話。
今は規則を守って感染拡大につとめるしかない。
違反が見つかると、非常事態宣言令に反することになり、懲罰の対象となる。
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ソンクラーンはしめやかに
タイ警察の発表によると、ソンラクーン中に家の前で集まって水かけをしたり宴会をすると非常事態宣言に反することになり、法的措置も辞さないと警告している。
家の前での集会なら問題ないと考えている人を牽制した。
非常事態宣言に反した場合、最大で懲役2年ならびに罰金4万バーツが課される。
参考⇒Bangkok Post
また、文化省も声明を発表。
ソンラクーン中の規制はウイルスに感染しやすい老人を守るためにあると強調した。
家の中で両親や年長者へ感謝の気持ちを表すときには、きちんとソーシャルディスタンスを取るようにお願い。
里帰りはせず、電話やビデオコールなどで連絡を取るように。
また、寺への参拝もやめて、家の中で仏像に水をかけるようにする必要があると。
寺にも、宗教儀式などをとりやめるよう要請が出された。
とにかく家にいてほしいと。
延期になったソンラクーンだが、新しい日程はまだ決まっていない。決して中止になったわけではなく、ソンラクーンを必ず実施すると政府は告げている。
だから集会や宴会や水かけをすることなく、今は家にいてほしい、と。
感想
単純な比較はできないが、言ってみれば、日本で正月三ヶ日が延期になったようなもの。
三ヶ日の前後も含まて年末年始の休暇がすべて延期。しかも外出せずに家にいてくれと。酒は買えないし、外で飲んでもいけないし、初詣も中止。里帰りもなし。親戚の家に集まって宴会もだめ。
日本の正月には水かけは無いし、お祭りムードでもないにしても、正月がなくなるのは一大事。
延期と言われても納得しない人も多いはず。
お祭り好きのタイ人にとってソンラクーンが延期になるとはいかほどのことか、外からはわからない。
でも、今年は、今ばかりは、素直にじっと家にいるしかないと思う。
家でしめやかに年長者に対して敬意を表するためにやさしく水をかけたり、仏像に水をかけて清めるのが本来のソンクラーンといわれる。
その本来の姿に立ち返るのも案外いい機会かもしれないが。
それにしても、ここ数年は毎年パタヤでソンラクーンを過ごしているが、4月13日だというのにまったく水かけがないのは奇妙な感じがする。
それほどまでにパタヤのソンラクーンはいかれていた。
でも現在街は静寂に包まれている。水の一滴さえもかけられることはない。
すべてが変わってしまった。
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